村上虹郎さんインタビュー｜映画『ソワレ』公開！「けんかしたり感情をぶつけ合える関係の方が愛があると思う」

役を表現するためには共演者とあえてあまり話さないようにすることもあるという俳優の村上虹郎さん。ドラマや映画で大活躍の村上さんのスペシャルインタビューをお届けします！

「戸惑いを利用して演じた。けんかできる関係は愛があるなと思います」

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演劇で夜公演を指す「ソワレ」は、日が暮れた後を意味する。それは、村上虹郎さんが好きな時間。

「本当は、夜はめちゃくちゃ怖いんです。暗闇や夜道も無理。でも、暗くて怖い方が感覚が研ぎ澄まされて、不思議と頑張れるんです。日中は、太陽が暑苦しくて（笑）」

好きな時間を冠した映画で演じるのは、売れない劇団員の翔太。彼は会ったばかりの女性・タカラが暴行される場に遭遇し、思わずその手を取る。そして始まる、逃避行。村上さん＝翔太のいらだちや焦り、説明的な台詞やBGMをそぎ落とした演出も、先の見えない男女の不穏を際立たせる。

「タカラ役の芋生悠（いもうはるか）さんとは、友達でも恋人でもない距離感が出せるよう、撮影中は必要以上に話しませんでした。今作は、難しいお芝居も多かったです。現実の僕とのギャップで役者としての翔太の存在がうそくさくならないようにするにはどうするか、老人介護施設のシーンでは、芝居が初めての高齢者の方々とどう共存すべきかとか。でも、そんな戸惑いも利用しようと思って演じました。翔太がタカラに感情を爆発させる場面では、けんかするっていいなと思いましたね。大人になると、恋人以外とはけんかしなくなりますが、感情をぶつけ合える関係の方が、よっぽど愛だろって思います」

「舞台に立つと食生活がバレる」との思いから、外食はあまりせず、野菜を多くとる。でも、料理はあまりしない。

「ふたつ以上の食材を使う料理ができないので（笑）、デリバリーが中心。むしろ、野菜こそ出前！自分で作るより種類もたくさんとれますし。最近は、うどんを作ったりして主食を用意し、野菜は出前というパターンが多いです」

そんな村上さんのモットーは、「この世は地獄」。

「シェイクスピアの舞台では、裕福であるがゆえの悩みや葛藤も多い。だったら、お金もちを目指すより、この世は地獄だと思う方が、『地獄も意外と楽しめるな』と思えて苦しくなりすぎない気がして。仕事では、『安易だな』と思われることだけはしたくないなと思っています」

NIJIRO’s Tips

＃おこわとか唐揚とか

最後の晩餐に食べたいもの。カレーもいいし、味つけノリをごはんにのせて手づかみで食べるのも捨てがたい。定まりません（笑）。

＃海外ドラマとアニメ

STAY HOME期間は海外ドラマを見まくりました。アニメは『ドロヘドロ』と『約束のネバーランド』が良かった！

【MOVIE】『ソワレ』

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（C）2020ソワレフィルムパートナーズ
役者を目指すもなかなか芽が出ない翔太は、故郷の高齢者施設で演劇を教えることに。だが、ある事件をきっかけに、施設で働くタカラと逃避行を始める…。豊原功補、小泉今日子らが立ち上げた映画制作会社「新世界合同会社」の第1回プロデュース作品。
監督・脚本：外山文治
出演：村上虹郎、芋生悠ほか
8月28日公開

PROFILE
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村上虹郎さん
むらかみ・にじろう／1997年東京都生まれ。2014年、河瀬直美監督作『2つ目の窓』で映画初出演・初主演でデビュー。映画『ディストラクション・べイビーズ』（2016年）、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』（2017年）、主演映画『銃』（2018年）など、常に唯一無二の存在感で注目を集める。公開待機作に映画『燃えよ剣』『佐々木、イン、マイマイン』。