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2020.7.9

【SDGs】パッケージや地球環境にも配慮…ジバンシイ、アヴェダ、ニールズヤード レメディーズの取り組みは?

「SDGs」という最近耳にする言葉、「持続可能な開発目標」という意味なのですが、今化粧品メーカーたちも積極的に取り組んでいるのを知っていますか? 少しずつ、でも着実に成果を上げている化粧品メーカーたちの真摯な思いと行いを知ることで、あなたのこれからのコスメの選び方はきっと変わってくるはず。私たちがまずできるのは、正しく選ぶこと。ナビゲートしてくれるのは美容ジャーナリストの安倍佐和子さんと美容エディターの松村有紀子さん。各メーカーさんが持続可能な活動を行なっています。今後のコスメ選びの参考にしてみては?

パルファム ジバンシィのSDGsは、使う責任を忘れない。

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環境やストレスによる肌や細胞における水分バランスの乱れに着目した新しい保湿ケア。
パルファム ジバンシイ イドラ リソース ベルベット 50ml ¥8,000

 

ユーザビリティも配慮したサスティナブルなパッケージに注目

安倍「サスティナブルな視点を濃く反映、新ラインとして導入した『イドラ リソース』シリーズは、環境に配慮したリサイクル可能なパッケージが特徴。容器を簡単に取り外すことができて、スムースに分別できます。企業としての姿勢に加え、ユーザーがポジティブに行動できる点がいいですね。保湿ケアとしても秀逸で、ぜひ使ってみて欲しい」

松村「こういったひとつのラインから、本格的なサステナブルを実現させていくブランドは今後増えていきそう」

作る責任を忘れないアヴェダのSDGs

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ザクロ種子油やココナッツオイルなどこだわりのスーパーフードの恵みで、しっとりまとまる髪へ。癒しと華やぎに満ちたアロマも至福。
(右から)
アヴェダ ニュートリプレニッシュ シャンプー ディープ 250ml ¥3,900
同 コンディショナー ディープ 250ml ¥4,100

 

モノ作りから社会還元まで。すべての活動を通して地球を守る

安倍「アヴェダはブランドのなり立ちそのものがサスティナブルで、最初からブレていない。各製品というよりは、企業としての姿勢、ブランド哲学が地球環境を意識しています」

松村「100%風力発電での製品製造、リサイクルプロジェクト、ビーガンなど、日本ではあまり知られていないかもしれませんね。そしてアヴェダといえば、やはりヘアケアが象徴的。使用感や仕上がりだけでなく、排水されることも考えた上で作られています」

エネルギーをもっとクリーンにするニールズヤード レメディーズのSDGs

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手のエイジングケアに特化して作られたリッチな専用美容液。
ニールズヤード レメディーズ フランキンセンスインテンスハンドセラム 50ml ¥6,800

 

人にも地球環境にも負荷をかけずに、100年後も美しい世界を目指して

松村「ニールズヤードはアロマのブランド、というイメージもあるかもしれませんが、実は確固たる独自のルールが。人間だけのために環境を侵してはならない、として絶滅危機の可能性が出た素材は即座に取り扱いをやめる。フランキンセンスなどの原料調達は持続可能な方法で取り引きするなど、結果として、現在のSDGsにつながっています」

安倍「フェアトレードやチャリティなどの活動も活発。自然エネルギーへの転換を推進し、表参道の店舗は100%自然エネルギーで運営しているそう。また、地球環境の中でも温暖化には着目していて、積極的に取り組んでいます」

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オマーンで今後10年間、毎年1,000本のフランキンセンスの苗を栽培し、増やしていく『プロジェクト フランキンセンス』を展開中。同時に地元の採取者やビジネスの支援にも尽力。

 

ナビゲーターは…
美容ジャーナリスト 安倍佐和子さん
最先端のコスメや代替医療まで幅広く精通し、SDGsに関する造詣も深い。JPHMA認定ホメオパスの資格をもつ。

美容エディター 松村有希子さん
本企画担当。SDGsに関する知識を深めつつ、美容から日常生活において、サステナブルな行動を地道に実践中。

 

「SDGs」解説

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【1】NO POVERTY
世界には今、世界銀行が決めた国際貧困ライン1日1.9 未満で暮らす人が7億人以上。貧困は、健康や医療面だけでなく、教育や差別など次世代にも連鎖する。途上国・先進国問わず、経済的、社会的弱者への支援が必要。

【2】ZERO HUNGER
世界の努力によって飢餓人口は減ってきてはいるものの、2016年時点では、約8億人いるという。飢餓を終わらせるには、食糧を安定的に確保するほか、偏った栄養状態を改善すること。同時に、持続可能な農業を生み出すことが求められる。

【3】GOOD HEALTH AND WELL-BEING
乳幼児や妊産婦の死亡率、エイズや結核など感染症の罹患率も高い途上国だけでなく、先進国では薬物乱用や交通事故によって健康を害す人が多い。また、現在の新型コロナウイルスへの対策など、予防や対策、医療整備など、新たな課題も。

【4】QUALITY EDUCATION
今、読み書きのできない人の数は世界に7億人。うち3人にふたりが女性。教育や職業訓練は、より良い暮らしをしたいと思ったとき、自分の力で生活を変えるための武器となる。性別、年齢問わずすべての人に質の高い教育と、その機会を。

【5】GENDER EQUALITY
女性に対する差別や性的搾取は途上国で深刻だが、先進国でも雇用や給与、家事分担、財産、社会の意思決定参加など、さまざまな場面で差別は続いている。ジェンダーの平等の実現は、社会や経済の持続的発展に欠かすことはできない。

【6】CLEAN WATER AND SANITATION
世界で、管理された安全な飲み水を手に入れることができない人は21億人以上。土壌汚染された地下水を飲んで下痢になり、命を落とす子供は年間150万人。上下水処理や再利用の仕組みを整え、安全な水と衛生の管理は緊急課題。

【7】AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
エネルギーの多くは石油や石炭、天然ガスなど有限で温室効果ガスを排出する資源を使っているため、使う人が増えるほど気候変動が深刻化する恐れが。再生可能なエネルギーの利用を増やし、クリーンで安価なエネルギーが求められている。

【8】DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
途上国では失業率の高さや児童労働が問題となっているが、先進国では過労死が深刻化。併せて、女性や弱者、障害者、移民などの雇用や賃金、労働環境なども問題に。働きがいのある人間らしい仕事と経済成長の実現が目標となる。

【9】INDUSTRY,INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
世界的に自然災害が増加し、感染症の流行などが問題化しつつある現在、電力や水道、道路やインターネットなどインフラを整え、強化することは必須。それは持続可能な産業の支えとなり、技術革新を推進することにつながっていく。

【10】REDUCED INEQUALITIES
世界の人口76億人に対し、その富の半分以上が1%の人のもの(富裕層)。富の集中は貧富の差を拡大するため、富の再分配によって貧困や飢餓、紛争の解決に。また、年齢、性別、人種、民族の差別による不平等の解決への努力も必要。

【11】SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
都市に暮らす人は世界人口の半分以上。2050年にはその数は人口の2/3に上るといわれている。都市への人口集中により住宅不足、建物の老朽化、ごみ問題、災害時の対策など問題は多い。住み続けられる街作り、都市計画が大切に。

【12】RESPONSIBLECONSUMPTION AND PRODUCTION
大量のエネルギーや資源を使って、大量の食品や製品を生産・消費、廃棄している現代。このままでは地球はもたない。食品ロスを減らし、廃棄物の削減やリサイクルの推進、資源とエネルギーの有効活用など、仕組みの見直しが急務。

【13】CLIMATE ACTION
地球温暖化によるとされる異常気象は今、さまざまな災害をもたらしている。これまでエネルギーを消費してきた先進国が責任をとって対策すべき問題であり、途上国を支援しつつ、気候変動への対策を具体的に考えていかねばならない。

【14】LIFE BELOW WATER
人間の経済活動が海の恵みを犯している今、問題はふたつ。ひとつはごみや排水による海の汚染。もうひとつは漁業の仕方。今のペースで魚をとり続けれは減ってしまう。漁業大国の日本には持続可能な漁業の方法を提案、支援する役割が。

【15】LIFE ON LAND
森林や山地、川や湖の自然環境と、そこに生きる生物の多様性を守ること。例えば森林伐採をしたら植林をする、希少な野生動物の売買は禁止するなど、できることはたくさんある。自然環境と人間を含む生物との共存を目指す。

【16】PEACE,JUSTICE AND STORONG INSTITUTIONS
紛争やテロ、暴力や虐待で命を落とす人は後を絶たない。誰もが法によって守られる、平等で平和な社会を作ること。誰もが政治に参加できる仕組み、知る権利や言論の自由を得られる公的な制度を作ることが急務である。

【17】PARTNERSHIPS FOR THE GOALS
先進国の途上国への経済と技術の支援は最も重要なパートナーシップ。だが、国と国の間だけでなく、企業や個人など、さまざまな立場の人が参加し、同じ目標に向かって何をすべきか、できるのかを考えることが社会を変える力となる。

 

教えてくれたのは…
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慶應義塾大学 大学院教授 蟹江憲史先生
かにえ・のりちか/政府SDGs推進本部円卓会議構成員を務めるなど、SDGs研究の第一人者。著書に『持続可能な開発目標とは何か~2030年へ向けた変革のアジェンダ』など。

 

参考文献『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』(編著/一般社団法人 Think the Earth)

『美的』2020年7月号掲載
撮影/山口恵史 監修/蟹江憲史 写真提供/Getty Images 構成/松村有希子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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