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2018.10.5

それってウソ?ホント?“乳がん検査は複数受けなきゃダメ?”の真相を乳腺科医に直撃!

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“バストと乳がん”について。マンモグラフィと超音波、それぞれ得意分野があるって……ウソ? ホント? ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長・島田 菜穂子さんにお答えいただきます。

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Q:マンモグラフィと超音波検査、両方受けた方がいいって本当?

日本人女性の約11人に1人が乳がんに罹るといわれる時代。超音波検査やマンモグラフィなどによって早期発見が可能になったものの、未だに検診を受けたことがないという方も少なくないはず。乳がん検査にまつわるウワサ、「マンモグラフィと超音波検査、両方受けた方がいい」とは本当なのでしょうか?
さっそく、この疑問を島田先生にぶつけてみました! 先生の答えは……?

A:それは本当です

 

「ひとつの検査だけで、すべての種類の乳がんを発見するのは難しいです。

マンモグラフィは乳房専用のX線検査で、石灰化のようにマンモグラフィでなければ写らない腫瘍もあります。超音波検査はしこりを発見するのに有効で、一般的にマンモグラフィと超音波を組み合わせ、互いの不得意分野を補いながら見ていくことで、病気がピックアップできます」(島田先生・以下「」内同)

 

若いと“がん”が写らない…!?石灰化にも要注意

 

「若いとマンモグラフィに写らない説ですが、実はこれ半分ホント、半分ウソ! というのも、バストの中は、脂肪と乳腺からできています。若いと脂肪と乳腺では、乳腺の割合の方が多くなります。

マンモグラフィでは乳腺は白く、脂肪は黒く写りますが、同じように腫瘍も白く写るのです。ということは……白地に白を探すことになるので、ちょっと探しにくくなってしまうのですね。

これが年齢を重ねると、脂肪と乳腺の割合が変わり、脂肪の方が多くなります。マンモグラフィでは、黒地に白の腫瘍を探すことになるので、発見しやすいですよね。なので、一般的には年齢が高いほど、マンモグラフィで異常を見つけやすいといわれています。

とはいえ、マンモグラフィだけが発見できるがんもあるのですよ! 前述のように、がんは“石灰化”といい、石をつくる場合をあります。実際に手で触ってもしこりはない、自覚症状がまったくない石灰化の状態では、超音波検査では写らないのです」

初めて検診こそ!超音波+マンモグラフィを

 

「30代半ばを過ぎたら、ぜひ乳がん検診を! 検診を受けたことがないという方は、“超音波+マンモグラフィ”の組み合わせがおすすめです。

年代やバストの中の乳腺と脂肪の割合は、どちらかが多いのか?などの性質によっても、毎年マンモ+超音波の組み合わせがいいのか、マンモは2年に1回で超音波は毎年……など、個々によって適切な検査の頻度が変わってきます。

また、特にほかのがんより若い年代で発症する乳がん。「ほかの臓器のがんは高齢になってからかかりやすくなるのに比べ、乳がんは35歳過ぎから、かかるリスクがぐっと上がります。さらに女性が最もかかりやすいがんでもあります。“今の私にはほかの検診より乳がん検診が大事だよね”と理解して、会社の検診や自治体の検診のチャンスが無くても、自分でクリニックを受診し積極的に検診を受けることも大切ですよ」

 

乳がんは早期発見、治癒するだけでなく、乳房の形もきれいに保つ治療も可能、早ければ、治療後、出産や授乳もあきらめなくてすみます。

たとえ自覚症状がなくても、毎年の定期検診は欠かさないで!

島田先生
乳腺科・乳腺放射線診断科
島田 菜穂子 院長
認定NPO法人 乳房健康研究会 副理事長
筑波大学医学専門学群卒業後、筑波記念病院およびつくばメディカルセンター放射線科にて従事。東京逓信病院、米国ワシントン大学メディカルセンターブレストヘルスセンター留学、都内クリニックを経て、2008年ピンクリボンブレストケアクリニック表参道開設。患者ひとりひとりの心に優しく寄り添いながら、乳がんに関する正しい情報の発信と、死亡率低下に貢献するためのピンクリボン活動を展開している。
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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