YOUさんと語る「ジェンダーミックスこそが最高だ」|作家LiLyの対談連載「生きるセンス Season.8」第3話
「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩いた人気連載『生きるセンス』がwebへとお引越し。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。今回はゲストにYOUさんをお迎えします。
第1話▶▶YOUさんと語る「40代、笑い止まらないよ」
第2話▶▶YOUさんと語る「目の前の波をどう乗りこなすのか」
女性と一緒にいるほうがテンションがぶち上がる――YOUさん
LiLyさん(以下、L) 前回、YOUさんはまるでサーファーのようだという話をしました。同様に感じているのが、ジェンダーレスな人だということなんです。
YOUさん(以下、Y) ジェンダーの話といえば、最近友人と一緒に前世を見てもらう機会があって。そこで面白かったのが、私はこれまで何度となく生まれ変わっているけれど、なかでも男性として生きていたことが多かったみたい。それも大工とか棟梁とか、肉体を酷使する仕事についていた屈強な男たちだったという。
L それを聞いてどう思ったんですか?
Y めちゃくちゃ腑に落ちた。「うん、知ってた」という感じ。
L 知っていた(笑)。最高です!
Y 今世は女性として生まれてきたわけだけど、自分の根底に男性的な部分があると感じていて。要は私、本質的には女性のほうが好きなんだよね。男性を見る場合は、彼の人間性というより、ビジュばかりを見ているかも。
L 逆に女性の場合はどんなところを見ているのですか?
Y どんなマインドの持ち主で、それがどんな行動につながるのか…など彼女の内面を見るのが好き。女性といるほうがテンションぶち上がるの。
ナメられると野郎としての血が騒ぎます――YOUさん
L わぁ、なんかめっちゃ腹落ちします。YOUさんって、髪質すら含めた全体のビジュはもちろん、声や仕草、話し方までものすっごくフェミニンな器のなかに、マスキュリンな中身が入っている人なんだ! まるで新しいジェンダーのような気もします。YOUさんがひとりで醸し出すそのギャップが、最大の魅力であり唯一無二感の正体かもです!
Y あはは♡ 確かにこの見た目ですが、中身は野郎です(笑)。
L 他人が真似しようと思ってもできない、ナチュラルボーンな絶妙バランス! それは昔からですよね? 生まれつきだし、一生変わらないものな気がします。
Y そうだね。学生時代、先輩に目をつけられて呼び出されたりしたこともあったけど、私が輩のような目をして、鋭い眼光を放っているから、呼び出した側も「あれ?」ってなってて。
L かわいい見た目だから潰してやろうと思ったけど、こっちがヤられるかもって?(笑)
Y そうそう。
L それって、ナメられると精神的な野郎部分の血が騒ぐということですよね。実は私の中にも同じような感覚があって。
Y LiLyちゃんも?
L その辺の男よりずっと男です、私も。フリースタイルダンジョンでは審査員で紅一点と言われていましたが、内側に“野郎”がいるから10代の頃からラッパーのリリックに共鳴してヒップホップにのめり込んだんだと思うし、子供の頃から自分の中に熱くたぎる“男気”のようなものがあると感じていて、やっぱりナメられると血が騒ぐんですよ。そして私の場合、それが特に「女性を守らなきゃ」という使命感となって発露されます。
Y わかる気がする!
L たとえば電車で痴漢に遭っている女の子を見たら、「あ? 突き出してやるから次の駅で降りろ」ってなります。ってか、そうなった瞬間に声が出ているので必ずやります。
Y 共感!
一方、愛する男性の前ではめちゃスイートになる――LiLyさん
L その一方で、好きな男と一緒にいるときは、すごく甘々なスイートな自分になるんですよね。女ってよりもう、女の子みたいになっちゃう。
Y 私もめちゃくちゃイチャイチャする(笑)。
L やっぱり! すごくそんな感じがします。でも、どっちも本当の自分なんですよね。お聞きしたいのが、その両極端の自分の中和剤ってあるのでしょうか? 相手によってどの自分をどれぐらい出すかって、どうやって決めているんですか?
Y 時と場合でコロコロと変える、かな。どんな自分をどれだけ出すかは、相手と対面したときに、そのときの感覚で決めます。
L それは仕事でもプライベートでも?
Y 基本は同じ。たとえばバラエティの現場で若い人が来たら、私は話を引き出す役割に徹したほうがいいだろうと判断するよね。ただうなずきながら話を促すのか、突っ込みながら進行するのかは、相手によってもちろん変えます。
L プライベートでタイプの男性に出会ったときは?
Y 感性鋭くして、成功しそうなほうを多めに出して、詰めていくかな。
L やっぱり私の感覚は間違いない。YOUさんってガチのプロサーファーだ!!


Instagram:@lilylilylilycom
イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂
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