麻生久美子さん「スキンケア中にも自分自身にポジティブな言葉をかけるんです」スペシャルインタビュー|美的GRAND

「もだえそうなくらい素敵!素敵な先輩方に希望を感じます」前号表紙の内田有紀さんを見てそう話す麻生久美子さん。その素直な思いにこそ、私たちは背中を押してもらえる。4月からは連続ドラマに主演。肌にも体にも心にも、できることをできる範囲で。麻生さんの爽やかな美しさは憧れです。
麻生久美子|わるくない、がちょうどいい。
ドレス¥423,500[参考価格](アオイ〈ファビアナフィリッピ〉) イヤーカフ¥375,100、リング¥456,500(TASAKI) サンダル¥179,300(クリスチャン ルブタン ジャパン〈クリスチャン ルブタン〉)
口にする言葉は前向きに。スキンケア中も自分に語りかける
ジャケット¥479,600、シャツ¥220,000、パンツ¥220,000、パンプス¥231,000(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン〈ボッテガ・ヴェネタ〉)
少し照れながらドレスを翻らせる度、豊かな黒髪が揺れる。目元にのせたミモザ色のように明るいイメージの一方で、意外にも“超心配性”だと言う。
いちばんの美容液は睡眠。筋トレで姿勢も改善
「気になることがあると人一倍心配したり、最悪のパターンまで想像して考え続けたりしてしまうんです。でも、とことん気にして対処したり、あがいてみることで、結果的に“悪い結果にならなくて良かった”と安心できることが多くて。陽キャでいるために隠キャ、みたいな部分があるのかもしれません(笑)」
艶やかな肌は長年愛用のクレンジング、洗顔、化粧水、美容液の4アイテムで、「とにかく肌をこすらない」ようにケア。化粧水もゆっくりと3~4回つけていく。
「そうすることで肌の些細な変化にも気づきやすく、状態が大きく変わる前にスペシャルケアを追加できるので、肌が大きく揺らぐことがあまりないんです。でも、何にも優る美容液はやっぱり睡眠。しっかり眠れると肌の調子も違うんですよね。できることなら10時間くらい寝たいのですがそうもいかないので、毎日気持ち良く眠れるように意識しています。といっても、好きな香りを置くとか、整えた自分のベッドには最初に私が寝られるよう家族にじゃまされないようにするとか(笑)、ちょっとしたことです」
寝る前に髪を乾かす時間は今も変わらず癒しの時間。キューティクルの流れに沿って丁寧に乾かしていく。昨年からジムで筋トレを始めると二の腕がスッキリし、前屈みになりがちだった姿勢が改善
されたと実感している。
コミカルもシリアスも幅広く、印象的に演じる麻生さんにはオファーが絶えない。4月からの主演ドラマで久しぶりに髪を切って臨むのは、有能な弁護士役。許されない恋にハマる「ドロドロのラブ
サスペンス(笑)」は、麻生さんにとって民放では10年ぶりの連続ドラマ主演作でもある。
「大人っぽいシーンもあり、私に演じられるかなと思うくらいドロドロの展開で、飽きない作品になると思います。主演のオファーはとてもうれしかったです。子育てとのバランスで拘束時間の長
い作品は躊躇っていた時期もありましたが、大人が楽しめる作品でありがたい機会をいただき、挑戦を決めました。自分の芝居に限界を感じて俳優を辞めることを考えた時期もありましたが、仕事を通じて多くの方から刺激をいただきますし、演じることやお仕事が大好きなのだと改めて感じています」
クランクアップを迎えた朝ドラでは、ヒロインの母親役を、10代から“ばあば”な年代まで演じる中で、新たな発見も。「役で“ばあば”と呼ばれるようになると、気持ちまでばあばになっていったんです。役を生きることができたという意味では良かったのですが、このままだと次の作品に影響しそうだなと焦りました。それだけ、口にする言葉は私自身にも影響が大きいことを感じています。今、時々、スキンケア中にも自分自身にポジティブな言葉をかけるんですよ。そうすることで水分もすっと入ってくれるような気がするだけなんですけれどね。今日の撮影でも、皆さんが『キレイです』と言ってくださるのがとてもうれしかったです。ポジティブな言葉以上に周囲の思いが伝わってくることが私を元気にしてくれますし、私自身もそういう言葉をかける側でありたいものです」
ファンデーションを塗っていないときも愛せる自分でいたい
毎日自分を振り返る。落ち込んだら漫画!
気持ちが揺らぎがちなとき、落ち込んだときは、楽しい気分になる映画やアニメを見て沈んだ気持ちをリセット。特に漫画は気分を切り替えるのにいいそう。
「すぐに没頭できるので、元気を出したいときには効果的なんです。『ONE PIECE』や『キングダム』を読み返したり。最近は、自分自身をこまめに振り返ることも心掛けています。よけいなことを言ってしまったな、相手のあの話に反応し忘れていたなとか、モヤモヤと考えることが多かったのですが、今は考えるよりも、『さっきはごめんなさいね』と思いを伝えるようにしています。気づかないうちに相手を傷つけていたりすることはあると思うし、そういうことに鈍感にならないようにしたくて。日々反省で、進歩のない自分にがっかりすることも多いのですが、人との関係性は大事にしていきたい。自分ひとりで広がっていける部分には限界がありますし、誰かと関わる中で興味や人としての奥行きが広がり、成長できる気がしますから」
今の麻生さんを豊かにしてくれるのは、家族と愛犬との時間。そして、いちばん好きなのは、「ファンデーションを塗っていない自分」だという。
「ファンデーションを塗ると顔も気持ちもどこかよそ行きになるし、私の場合は年齢も感じるんです。何もつけていない顔を鏡で見ると安心するのは、それが本当の自分だからなのかもしれないです
ね。ファンデーションをつけなくてもいいような肌になれるように、日常でできることを積み重ねていけたら。今は、肌も体も心も“悪くはない”というのがぴったりな感覚。特別いいわけではないけれど、悪くもない。それが今の私にはちょうどいい感覚があります。年齢と共に不調は出てきますが、そういうことも受け入れながら、それでも“意外と悪くないな”と、無理せず、素顔を愛せる自分でいられたらいいですね」
PROFILE
あそう・くみこ/ 1978年千葉県生まれ。’95年にデビュー。’98年の映画『カンゾー先生』で映画賞を多数受賞。ドラマ『時効警察』などでのコミカルな役も話題となり、多くの注目作品で活躍。近年の主な作品に、ドラマ『MIU404』『unknown』、連続テレビ小説『おむすび』など。今年は、映画『海辺へ行く道』、映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』が公開予定。
INFORMATION
ドラマ『魔物(마물)』
孤高の弁護士が愛した男は“美しき殺人犯”だった――。不倫、DV、セックス、殺人…。愛と欲望をセンセーショナルに描く、美しく刺激的な禁断のドラマ。日韓クリエイター共同制作による完全オリジナルラブサスペンス。出演:麻生久美子、塩野瑛久ほか 4月18日から、毎週金曜23時15分〜テレビ朝日系にて放送予定。
『美的』2025年春号掲載
撮影/土屋文護(TRON) ヘア&メイク/ナライユミ スタイリスト/井阪 恵(dynamic) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。