神尾楓珠さん「背筋を伸ばして自分らしく生きたいです」|映画『大きな玉ねぎの下で』スペシャルインタビュー

2025年2月7日公開の映画『大きな玉ねぎの下で』に出演する神尾楓珠さん。演じるときに意識していたことは?
神尾楓珠さん|大切な人には手書きで 思いを伝えたい。今、芝居を楽しんでいます
『大きな玉ねぎの下で』は、「爆風スランプ」が1985年にリリースしたヒット曲。その名曲からインスパイアされたラブストーリーで神尾さんが演じるのは、就活生の丈流。
「就活への焦りから友達に強がってしまう姿がリアルで、10代の自分を思い出しました。当時は自信がない、でも今の自分を否定したくない、弱さを見せたら負けだと強がっていたんです。でもふと、ひねくれている時間はもったいないと気づいて。素直でいれば相手も素直に返してくれるんですよね。今はあの頃の自分に、『もっと人に頼っていいよ』と伝えたいです」
丈流は、夜のバイト先での業務連絡ノートを通じて同じ店で昼に働く美優とつながり、手書き文字で心の声をつづるうち、顔も知らない美優に恋をする。スクリーンに映る美しい手書き文字は、神尾さん自ら書いたもの。
「友達といるときと、好きな人にワクワクしながら書くときのギャップを意識して演じました。この映画みたいに、顔を知らない人と思いを伝え合うのも素敵ですよね。友達とはまた違う意味で本音が話せますし。手書きするときは文章もじっくり考えますから、相手とも自分ともしっかり向き合うし、文章に思いがより強く込められるような気がしました。人を思う気持ちがあふれている今作を通して、近くにいてくれる人もそれが当たり前ではないことを感じています。これを機に大切な人に手書きのメッセージを送ってみたいなと思います」
人前に出ることが苦手で、かつては「俳優業は向いていない」と感じていた。今はその心境にも変化が。
「向いていないことは大きな問題ではなく、好きなお芝居を楽しもうという思いが強いです。撮影中、草野監督が『この世界の人にすっとなれるのは強みだね』と言ってくださったことはうれしく、今のままで頑張ろうと思えました。仕事では、その場の雰囲気に飲まれがちなので、自分らしい空気をキープしていきたいと思っています。相手の顔色を気にしなくてすむように、時には目を見すぎないのも手(笑)。最近、姿勢がいい人は美しいなと思います。背筋を伸ばして自分らしく生きたいです」
He is into…
ゴルフ
同世代の友人で始める人が多いんです。やってみたいと思いつつ、早起きと道具をそろえるのが面倒でまだ…。
友達とのドライブと焼酎
今いちばんのリフレッシュ法。ドライブは海が見える場所、焼酎は「吉四六」が好きです。
『大きな玉ねぎの下で』
(C)2024 映画「大きな玉ねぎの下で」製作委員会
夜はバー、昼はカフェになる店で丈流は夜、美優は昼にバイト中。業務連絡ノートに趣味や悩みをつづるうち惹かれ合ったふたりは、互いの素性を知らないまま会う約束をする…。
監督:草野翔吾
出演:神尾楓珠、桜田ひよりほか
2月7日全国公開

『美的』2025年3月号掲載
撮影/杉江拓哉(TRON) ヘア&メイク/奥山信次(barrel) スタイリスト/大内美里 レイアウト/稲垣章子 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。