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2024.3.21

野口美佳さんと語る「野心はもつべきか否か」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.2」第5話

「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第2回は、ミカジョンこと野口美佳さんが登場。野心について、興味深い意見をいただきました。

第1話▶▶人生の達人 野口美佳さんが語る「センス」とは?
第2話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「執着を手放すと、どうなる?」
第3話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「成功者の定義って、何?」
第4話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「自然が私たちに教えてくれること」
生きるセンス

早朝のキノコ採りこそ
成功者の証なのでは
――LiLy

LiLyさん(以下、L) 私、ミカジョンがキノコと一緒に写っている写真、かわいくて大好きなんだよね。ニセコでのキノコの話、もう少し聞きたい!

美佳さん(以下、M) 今、自宅にまだカーテンがなくて、5時ごろ朝日が差し込んできて、自然と目が覚めてしまうのね。ニセコは霧が出ることが多いんだけど、霧が出てるということは、キノコ採りの絶好のチャンス。私も夫もまだ眠いけど、ふたりで「行く?」「行こうか」ってまずはがんばって起きるの。

L それでそれで?

M ほかにもキノコを狙っている人たちがいるから、そのライバルたちを欺くため、なるべく目立たない安いジムニーに乗って出発。森に入るのは6時ぐらいかな。なんとなく目をつけているエリアがあるから、ひっそりと入っていって、ひとつずつ大切に収穫するの。すごく楽しいよ。

L ねぇ、その話こそ、まさに成功者だよ!ずっとやりたいと思っているけど、仕事が忙しくて後回しにすることって誰でもあると思うんだけど、仕事を大成功させた後でじっくりとその時間を確保できるって、大がつく成功者よ。昔からキノコが好きだったってのも、面白くって可愛くってミカジョンっぽい。

M ずっと菌学に興味があったんだよね。

L 私はその話を、ミカジョンのパートナーから聞いたんだよ。〝PEACH JOHN〟が忙しくってストレスを感じていたとき、ミカジョンがキノコ図鑑を見ていて「すごくグッときた」って言っていたの。だから今、彼は誰よりも熱心に一緒にキノコ狩りしてくれてるんだと思うよ!愛されているね♡

M 確かに今の自分は幸せだと思うよ。

子供に教えることはない。
むしろ私が教えてもらっている
――野口さん

L あと聞いてみたいと思っていたのが、子育てのこと。ミカジョンは子供が5人いて、上の子はもう36歳、下の子はまだ13歳。私が子供を産んでテンパっていたとき、「大丈夫。転がしておけばいいだけだよ」って言われたの。自分は子育てに向いているって思ったことある?

M そんなこと思ったことないよ。むしろ向いてないんじゃないかな。ただ大変だと思ったこともないし、楽しいって思ったこともない。ずっとこんなものじゃないかなと思ってた。

L 私は初めての育児は大パニックよ。想像していた以上に大変で、もう体力の限界で。今はもう落ち着いたけど、0歳と2歳、1歳と3歳、赤ちゃんふたりの育児は本当に大変だったし、夫婦喧嘩も炸裂していたし、友達に会う時間なんてないし、すごく孤独も感じていた時期があったんだよね。子供に対してどういうスタンスで向き合っているのか、ずっと聞いてみたかったの。

M 彼ら彼女らをつくったのは神様で、たまたま私の体から生まれただけ。だから私は様子を見る、という感じ。サポートや手助けはするけれど、教えることってあまりないんだよね。

L むしろ教えてもらっている感じ?

M そうだね。子供ってすごく的確なことを言うし、たとえばスマホひとつとっても、テクノロジーのリテラシーは絶対的に彼ら彼女らのほうが上。となると、本当に教えてもらうことばかりだから。

L うん、今は子供たちも大きくなったから、同じように思うよ。すっごく同意できる。やっぱり赤ちゃん育児という大変なトンネルを抜ければ、どんどん楽にはなるんだなぁ。心の余裕を得て初めて本来の自分に戻れるって感じがする。

野心はもうない。
日々の暮らしを楽しむことが
いちばんのミッション
――野口さん

L では最後に。第一回のゲストで来てもらったMEGUMIちゃんは、年齢を重ねて野心が枯れていくのがすごく怖いんだって。私も言っていることはすごくよくわかるの。ミカジョンは今、野心はある?枯らさないコツってなんだろう。

M 都会的な野心という意味合いで考えるならば、野心はもうないかな。うまく言葉にできないんだけど、ニセコに住んでいると、自然の中でどう暮らすか、その知恵がある人ほどかっこいいわけ。除雪が上手とか、倒木の整理が完璧とか、虫退治に慣れてるとか。都会は稼いでいる人ほどかっこいいのかもしれないし、そういう人も遊びに来るけれど、もうかっこよくは見えないんだよね。そのあたり含めて、生きる価値観が違うんだよ。

L なるほど。留学すると現地の人がいちばんかっこよく見えるのと似てるかも。たとえばアメリカに行くと、英語が喋れないアジアのイケメンよりも、たとえ野暮ったくてもネイティブのお兄さんのほうにときめくもん、私も。

M そういうこと。

L では、ニセコが終の住処?

M 今は毎日の生活が楽しすぎて、ほかの場所に行きたいと思えない。LiLyも遊びにおいで。

L やった!絶対に行くね!私は出不精だけど、子供たちも大きくなってきたことだし、起業をきっかけにここからはもっと世界を広げていきたいな。

野口美佳
1965年生まれ、宮城県出身。女性向けのランジェリー通信販売会社「ピーチ・ジョン」を立ち上げ、代表取締役を務めたのち、実業家に。現在は北海道・ニセコに移住し、自然豊かな森の家で暮らす。
Instagram:@mika_john_noguchi
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LiLy
作家。1981年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著書多数。
Instagram:@lilylilylilycom

第3回のゲストは、中林美和さん!3月発売の春号をお楽しみに!

イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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