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2024.2.29

野口美佳さんと語る「執着を手放すと、どうなる?」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.2」第2話

「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第2回は、ミカジョンこと野口美佳さんが登場。執着を手放すことの大切さについて語ります。

第1話▶▶人生の達人 野口美佳さんが語る「センス」とは?
第3話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「成功者の定義って、何?」
第4話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「自然が私たちに教えてくれること」
第5話▶▶人生の達人 野口美佳さんと語る「野心はもつべきか否か」

生きるセンス

大切なのは実年齢ではなく
「魂年齢」なのだと思う
――LiLy

LiLyさん(以下、L) ミカジョンは50歳で3度目の結婚をしたわけだけど、パートナーとの関係についてもう少し話を聞いてみたいな。彼は本当にミカジョンのことを愛しているし、もちろんミカジョンも彼のことが大好きだよね。私は、ふたりが愛し合っている様子を眺めているのが大好きなの。

美佳さん(以下、M) ありがとう。そう言われると嬉しいね。結婚して9年が経とうとしているけれど、うちはずっと仲良しでいい関係。幸せを更新し続けているよ。

L よく考えると、24歳の年齢差があるのだっけ。それをまったく感じさせないふたりだね。

M うん、私自身、感じたことないかも。

L それって多分「魂年齢」が一緒だからじゃないのかな。どう思う?

M 確かにそうかもしれない。「同世代だから」とか「年が離れているけど」とかって聞くけれど、もともと年齢で何かを測ること自体が私のなかにないんだよね。

L 数字は便利だし、わかりやすい物差しではあるけれど、年齢に限っては当てはまらないと思ってる。実年齢と精神年齢ってまったく違うから。さっきも言ったとおり、大切なのは「魂年齢」だよ。

M 「魂年齢」っていいね。時の流れより「バイブス」ってことだね。

L 「バイブス」とは、ギャル用語でもスピリチュアルなことでもなく、シンプルにその人から出ている波動のこと。年齢や肩書きを含めたステイタス以上に信用できる肌感覚みたいなもので、それを察知できるか否かも、また「生きるセンス」だよね。だからこそ、この人とは合うなぁってのは、会えばすぐにわかるし、そこのセンサーは年々磨かれていくって信じたいな。

過去の栄光に執着しない。
違う人生を選ぶ自由は無限にある
――野口さん

L 年齢のことでいうと、日本ではまだ「若いことに価値がある」という風潮があるじゃない?

M ああ、いまだにあるね。

L でもミカジョンは、第1回でも伝えたとおり、今がいちばん美しい!心からそう思うの。60歳を目前にした今、自分の美のピークがやってくるなんて予想できた?このことは私の生きる希望。ミカジョンを見ていると、年齢を重ねていくことがすごく楽しみになるんだよね。

M うれしいこと言ってくれるね。

L その「自分らしさを更新し続けている美しさ」のために意識していることはあるの?

M うーん。執着しないこと、かな。

L というと?

M 過去の栄光を引きずって、自分で自分を縛ったりしないこと。努力して築き上げたキャリアとか、華やかな肩書きとか、そういうことにしがみつかないことが大切じゃないかな。

L なるほど!ただたとえば必死に勉強して医者になったとして、その地位を手放すのって勇気がいることだよね。私だって、作家という肩書きをスパッと捨てられるかというと…すごく悩ましい。

M ただ人生は一回きり。途中で別の職業にシフトしたっていい。違う人生を選ぶ自由は無限にあるんだよ。

人生の次のページをめくる。
その先に次の宝物が待っている
――野口さん

L ミカジョンって身も心も軽やかだなって感じる。そう考えられるようになった理由ってあるの?

M 過去の恋愛のおかげかな。若いときは相手の人にとにかく執着して、痛い目にあって、すごくつらい思いをしたから。でもあとからよく考えると、全部自分が勝手にしたことなんだよね。

L 執着してもいいことはない、と。

M なぜ執着するのかを考えると、今まで相手にかけた愛情、時間、お金、思い出、人間関係…すべてがなくなってしまうようで怖いからなのかもしれない。でもそれらは決して回収できるものではないし、そもそも形として残るものでもない。ならば、次のページをめくってこそ、違う宝物は見つけられるもの。そのことを身をもって学んだからなのかも。

L ミカジョンがそう語ると説得力ある!

M 恋愛で学んだことではあるけど、私の場合は潔く会社を手放したりもしているから。何よりその先、さらに世界が広がっていくことを実体験で経験しているからね。

L くはぁ、すごく刺さります!要は、過程こそがすべてってことだなぁ。恋愛や結婚も、最後別れたら何も残らないかといえばそれは違うと思っていて。仕事も同じ。続いている間が楽しかったなら素晴らしいことで、結果は点でしかない。私もどんどん今を更新しながら自分の過去にさえ縛られずに生きていくつもりだよ!

 

野口美佳
1965年生まれ、宮城県出身。女性向けのランジェリー通信販売会社「ピーチ・ジョン」を立ち上げ、代表取締役を務めたのち、実業家に。現在は北海道・ニセコに移住し、自然豊かな森の家で暮らす。
Instagram:@mika_john_noguchi
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LiLy
作家。1981年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著書多数。
Instagram:@lilylilylilycom

次回は3月7日公開予定!
第3話「成功者の定義って、何?
お楽しみに!

イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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