今この時代に、好きを仕事にするには?【料理家SHIORI・短期連載 「自分の名前」で仕事をする方法Vol.1】
シリーズ累計370万部を超えるベストセラーになった『作ってあげたい彼ごはん』から15年。今ではオンライン料理教室や飲食店運営をする料理家・SHIORIさんが、自らの経験を元にたくさんの人に伝えたい仕事術を惜しみなく伝える短期連載がスタート!料理家、経営者、母でもある彼女が、どんなライフステージ、どんな環境でも「自分の名前」で仕事を続けられるのはなぜ?同世代の働く女性に届けたいたくさんのメッセージが書かれた著書『おいしい仕事術』から、そのポイントを週にひとつずつ、お届けしていきます。
仕事術1:なかったら作ればいい
時代の流れや前例だけにとらわれない
レシピ本とは「主婦向けのもの」というのが常識だった時代に、異色ともされる、若い女性のための『作ってあげたい彼ごはん』を出版したり、日本にはまだ浸透していなかったころにヴィーガンフードである「ファラフェルサンド」のお店を開店したりとまさに時代を切り拓くような挑戦をしてきたSHIORIさん。
チャレンジする道を選んで突き進んでこれたのは、「前例がないということは、世の中に新しい文化や価値観が芽吹くチャンスでもある。その先に人々の暮らしがより良い方向に向かうかもしれないという『希望』である」と信じているから。
課題と解決策を分析する
前例のないチャレンジをする上で大切なのはまだこの世の中に存在しない理由を探ること。誰も思いつかないくらい意表をついた真新しい企画なのか。挑戦者は数多くいるものの、実現が困難な企画なのか。ここでの分析がしっかりできていれば、その先により具体的なアプローチを見出せます。
SHIORIさんはパリで料理修行をしているときに、潰したひよこ豆にスパイスやハーブを混ぜて揚げたファラレルと様々な野菜をピタパン挟み込んだファラフェルサンドに出会い、野菜だけなのにおいしくて満足感が得られると感銘を受けました。ただ、「ヴィーガン」は現在では日本にも浸透しつつありますが、当時はヴィーガンの理解はあまりされていませんでした。
その理由を欧米では環境保全や動物愛護の観点でヴィーガンフードを選択する人が多いけれども、日本では自分の信念を食生活に反映させる人は少ないこと。そして世界的にみて食に恵まれた日本で定着させるには、圧倒的に「おいしいもの」で、健康意識、美容意識の高い女性のためだけではなく、男性も巻き込む必要があると分析しました。
そこでSHIORIさんは「彼ごはん」が大ヒットしたように、男性の胃袋をつかむのが得意な自分であれば、男性が喜ぶヴィーガンフードが作れるのではないかと考えます。
動き出すのは3つのことが一致したとき
その3つとは…
「やりたいこと」「やれること」「求められていること」この3つが重なることはなかなかありません。
この場合は
「やりたいこと」 ヴィーガンという新しい食の選択肢を広めること 「やれること」 圧倒的においしいレシピを作ること 「求められていること」 男性も満足するヴィーガン料理「今がその時!」とチャレンジする確かな意義を見つけたSHIORIさんは、ファラフェルスタンド『Ballon』を2017年にオープンしました。
まだ世の中に広く知れ渡ってはいないけれど、自分だけはその価値を誰よりもよく知っている。心を揺さぶられ、人生に大きな影響をもたらし、全力で周囲に勧めたくなる。過去の自分に強烈なインパクトをもたらした実体験こそが「なかったら作ればいい」の一番の原動力になります。
その価値や経験で社会に変化をもたらしたいというまっすぐな情熱は、同じ体験を通して共感の輪を広げ、やがて常識さえも覆し、ニュースタンダードを生むこともあるのです。
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「自分の将来を考える時間なんてない!」「毎日をこなすのに精一杯 」。そんな毎日でも今より人生がよりよくなるなら、働き方や人間関係、自分との付き合い方に一度足を止めて向き合ってみませんか?SHIORI流『おいしい仕事術』が、そんなキッカケやヒントになれば幸いです。
SHIORI著/小学館
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料理家・SHIORI
短大卒業後、料理家のアシスタントを経て独立。代表作『作ってあげたい彼ごはん』をはじめ、これまでの著書は累計417万部を超える。フランス・イタリア・タイ・ベトナム・台湾・香港・ポルトガル・スペインでの料理修行経験があり、世界各国の家庭料理を得意とする。結婚・出産を経て、2020年からを主宰しているオンライン料理教室「L’atelier de SHIORI Online」には世界約30ヶ国から約1万人が参加している。
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note:shiorikaregohan
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