大高博幸さんの 肌・心 塾
2016.10.18

【大高博幸さん連載 Vol.364 】 『 ブリジット・ジョーンズの日記 / ダメな私の最後のモテ期 』『 ジェーン 』『 ティファニー / ニューヨーク五番街の秘密 』 試写室便り No.125

(C) Universal Pictures.
(C) Universal Pictures.

あれから 彼女は どうなったのか?
仕事は? まだ独身? それとも?

世界中の女性たちを 笑いと共感の渦に巻き込んだ、あの とびきりチャーミングな等身大ヒロインが 帰ってくる!

ブリジット・ジョーンズの日記 / ダメな私の最後のモテ期
イギリス映画/ 123 分
10.29 公開/配給:東宝東和
bridget-jones.jp

【 STORY 】 マーク・ダーシー ( コリン・ファース ) との破局後、ブリジット ( レニー・ゼルウィガー ) の「 永遠の幸せ 」は なかなか現実のものとは ならない。アラフォーで またシングルになった彼女は ニュース番組のプロデューサーの仕事に専念し、新旧の友人との時間を大切に過ごす日々。やがて 目の前に現れたのは、イケメン IT 企業家のアメリカ人 ジャック ( パトリック・デンプシー ) ! さらに ダーシーとも 運命 ( 気まずい ) の再会を果たし、そして★まさかの妊娠★ ―― 彼女は どちらの彼と 結ばれる!? ( 試写招待状より )

大ヒット作『 ブリジット・ジョーンズの日記 』 ( ’01 ) 『 同 / きれそうな わたしの 12 か月 』 ( ’05 ) に続く シリーズ 第 3 作。上記のキャッチフレーズに ホンの少しでも惹かれたならば、ぜひ観てください。前 2 作を知らなくても大丈夫。爆笑に次ぐ爆笑で、とりわけ アラフォーの皆さんなら、最後は 笑いながら 涙がポロポロ、止まらなくなるコト 請けあいです。

ファーストシーンは、43 回目の誕生日を、自室 ( 線路のすぐ近くにある ) で ひとり祝っているブリジットの姿。それなりに年齢を重ね、元々 オデブだった彼女は 顔にも全身にも締まりがない ( 感じ ) ……。But、仕事は 誠心誠意 ガンバってるし、まっすぐな性格なので、仲間からも身内からも愛されています。周囲には イタリア的な サバけた人間が多く、ヒワイな言葉も次々に飛び出してくるのですが、決して下品に なりすぎないのが 彼らの いゝところ ( のひとつ ) 。

〝 問題 〟は、ブリジットの天然な性格のせい というよりは、使用期限が何年も前に過ぎていた エコ・コンドームのせいで起こります ( もっとも 気づかずに それを平気で使ったのは、他ならぬドジな彼女なんですけど ) 。その後、当然ながら 話が少々モタつくため、本作は 2 時間 3 分という長さになっていますが、ブリジットのお腹が大きくなるに従って、コチラも笑ってばかりは いられない、他人事ではないという想いが 強くなってきます。そして 最終的に「 どっちの彼が? 」が気になって、画面に眼が釘づけに……。

ブリジット役の R・ゼルウィガーは、かなりオバサンに見えるシーンもありましたが、その愛らしさは今まで以上。特に お腹の中のベビーに語りかける数場面に、ブリジット特有のキャラクターが にじみ出ていました。唐突ですが、こゝで 彼女の〝 まともさ 〟が伝わってくる台詞を、ふたつ 書き留めておきます。
「 愛は 計算なんて できない。自分と正反対だから惹かれたり、安らげるから好きになったりするモノよ 」 ( コンピューターで 相性を計算すると どうなるか という場面での台詞 ) 。
「 そんなコトなら、クビになるほうがマシだわ。空っぽの番組なんて作りたくない。いつか きっと、誠実さが 再評価される日が やってくる! 」 ( 報道の中身よりも受け狙いばかりを強要する新ボスに、臨月解雇を宣告される場面での台詞 ) 。
マーク ( 感情表現が苦手な、一種の堅物 ) 役の C・ファースは、素直な言動に出るところが特に良い。回想シーンで 若い頃の姿も映し出されますが、ロマンスグレイ ( 頭に白髪が目立つ年代の紳士 ) となった今のほうが、よりハンサムだと感じさせてくれました。
ジャック役の P・デンプシーは、イキイキとしていて正に適役。本作で ファンが急増するコトは 間違いないでしょう。
その他、助演者も適材適所。女医役の エマ・トンプソンの、知的でいてフランクな、カッコいゝ美しさが極立っていました。
監督は、第 1 作と同じ シャロン・マグワイア。

P.S. 音楽が 映画のテンポを高めたり、シチュエーションを強調したりするために、一役も二役も買っています。たとえば、ブリジットが マークとジャックに「 どっちが父親か、分からないの 」と打ち明けるレストランの場面では「 ザッツ・アモーレ 」が皮肉っぽく、破水したブリジットが産院へ急ぐ場面では、ビートの効いた「 マンボ・イタリアーノ 」 ( 通信 328 に ちょっと書いた曲 ) が流れるという具合。その辺りの演出も、とても楽しく 面白かったです。

 

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母となった ナタリー・ポートマンが
本当に描きたかった、愛の形。

この銃で、愛を守る。

ジェーン
アメリカ/98分/ PG -12
10.22 公開/配給:ポニーキャニオン
jane-movie.jp

【 STORY 】 南北戦争から数年後のニューメキシコで、夫のハム ( ノア・エメリッヒ ) と幼い娘と共に つつましく暮らしていたジェーン ( N・ポートマン ) 。ところが ある日、身体に複数の銃弾を受けた夫が 瀕死の状態で家に戻ってくる。悪名高いビショップ率いる無法者グループとのトラブルにより、命を狙われたのだ。ビショップ ( ユアン・マクレガー ) の恐ろしさを知るジェーンは 夫と娘を守るため、藁にも すがる思いで かつての恋人、ダン ( ジョエル・エドガートン ) に助けを求める……。 ( プレスブックより )

久々の N・ポートマン主演作は、彼女にとって初挑戦となる西部劇。結婚と出産を経験した彼女が「 本当に描きたかった愛の形が投影されている 」と、自らプロデューサー役も買って出たという意欲作です。
開巻、すぐに気づいたのは、彼女の顔の変化。華奢な容姿の割に 厚みを感じさせていた頬の肉が薄くなり、ほっそりと引き締まった顔になっているコト。さらに顔つき、特に眼の表情に『 ブラック・スワン 』 ( 通信 57 ) や『 水曜日のエミリア 』 ( 57 ) の頃にはなかった 毅然とした美しさが備わっていたコト。出産によって美しさを増した女性を 僕は実際に何人か知っていますが、彼女は そのひとりなのだと思います。

ストーリーは、時代や背景、シチュエーションから言って、マッツ・ミケルセン主演の『 悪党に粛清を 』 ( 293 ) の女性版といった印象。命を賭けた戦いの日々に ジェーンの不運な過去を交錯させた構成で、特にラスト近くの 胸のすくようなバトルシーンは、憂鬱な気分を吹き飛ばすに十分。さらに、誰ひとりとして予測しなかったはずの〝 驚愕の真実 〟が明かされて終るという流れです。
ビショップに騙 ( だま ) されて 売春宿へ送り込まれたジェーンが、危機一髪、ハムに助けられる回想シーン等に 非情な怖ろしさがあるものの、本作は 救いに満ちた結末により、気持ち良く観終えるコトのできるエンターテインメントとなっています。観客は 誰しも『 風と共に去りぬ 』のスカーレットに勝るとも劣らない ジェーンの芯の強さ・愛に生きる姿に、拍手を贈りたくなるでしょう。

出演者は、全員揃って適役を好演。ハム役の N・エメリッヒ、ダン役の J・エドガートンは、共に回想シーンで ごく自然に若作りしているところを含め、芸の細かさに脱帽。ポートマンは 馬で疾走するシーンでも、スタンドインを使わずに 自分自身で演じているようで、少々心配もさせられました。だからというワケでは全くありませんが、大人になってからの彼女の全出演作中 ( オスカーを受賞した『ブラック・スワン』を含めて ) 、このジェーン役は 最高の出来だと僕は思います。
監督は ギャヴィン・オコナー。

 

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世界の あこがれ、
ティファニーの秘密 教えます。

I’m crazy about Tiffany’s.
ティファニーに夢中なの。

ティファニー / ニューヨーク五番街の秘密
アメリカ/87分
11.5 公開/配給:ファイン フィルムズ
www.finefilms.co.jp/tiffany

【 INTRODUCTION 】 世界で最も有名なジュエリーブランド、ティファニー。1837年に創業、1940年に ニューヨーク五番街に本店をオープン。そこは のちに オードリー・ヘプバーン主演の映画『 ティファニーで朝食を 』 ( 1961 ) で世界中に知られることになる。
伝説となったジュエリーや、特別な色〝 ティファニー ブルー 〟と〝 ブルー ボックス 〟の逸話、その魅力に魅せられた 有名セレブ、関係者、子供の頃に ティファニーに手紙を書いた人まで探し出し、膨大なインタビューと共に、アメリカの宝石店が世界的な人気ジュエラーとなるまでを、本邦初公開となるエピソードも交え 紹介する。
ドラマティックで感動的、そして妥協を許さないブランド精神を支えている歴史と その人々を隅々まで映しだした、ティファニー初のドキュメンタリー映画である。 ( プレスブックより、抜粋 )

『 ティファニー…… 』と聞いただけで、大いに鑑賞欲を そゝられました。しかも 監督は、あの傑作ドキュメンタリー映画『 ニューヨーク・バーグドルフ / 魔法のデパート 』 ( 通信 183 ) の マシュー・ミーレー!

総勢 70 人もの人々が 次から次へと登場し、ティファニーの魅力 or ティファニーにまつわる話を語ってくれる内容ですが、中でも 最も本質を突いていて とても面白かったのは、僅か 10 歳前後の ふたりの女の子 ( 姉妹だったかも ) の、評論家的・分析的なコメントでした ( 逆に 最も面白くなかったのは、登場々面の尺が長い割に「 ビューティフル! 」とか「 パーフェクト! 」としか言わない or 言えないのかもの、若い人気女優のコメント ) 。

インタヴューシーンが中心で、前述の『 ニューヨーク・バーグドルフ…… 』のように、「 こんなところまで観せてくれるなんて! 」という 目を見張らされるシーンが少なかったコトは、僕としては 少々期待外れ。
とは言え〝 ティファニー ブルー 〟の逸話や、美しいランプのコレクションの場面 etc、いろいろと勉強になりました。また 写真だけながら、マリリン・モンローが 本店のショーウィンドウを眺めている & 今まさに入口の扉を開こうとしているスナップ ( 彼女のポーズのうまさに改めて感服 ) や、『 ティファニーで朝食を 』のムード満点なファーストシーン & ホリー・ゴーライトリィ役の A・ヘプバーンが アパートのキッチンで「 ティファニーに夢中なの 」 ( この台詞が、本作の原題に使われている ) と言うシーンも捜入されていて、やはり 心をときめかす、楽しい作品であるコトは 絶対に 確か。
ティファニーに憧れを抱く皆さんはモチロン、マーケティング or スタイリングの仕事に携わる皆さんなら、決して見逃すべからず です。

P.S. M・ミーレー監督の次回作は、ニューヨークの伝統的名門ホテル「 カーライル 」を題材とするドキュメンタリーとのコト。完成は 2 年ほど先になるのでしょうけれど、今から もう、乞う御期待。ミーレーさん、ガンバってください!

 

 

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ビューティ エキスパート
大高 博幸
1948年生まれ。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸さんの 肌・心塾
http://biteki.com/beauty-column/ootakahiroyuki

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