【女性のがん】「乳がん」のしこりってどんなもの?なりやすい人は?|乳腺専門医が解説
女性なら誰しもが考える「乳がん」のお悩み。実際に検診に行くタイミングや、知っておけば気を付けられる日ごろのリスク回避などについても専門家の片岡明美先生にお話を伺いました。
乳がんのしこりってどんなもの?自分ではわかりません
A.乳がんのしこりは石ころのように固いもの。2週間たっても縮小しなければ病院へ。
「30代は、生理前の胸の張りをしこりと勘違いする人がとても多いです。2週間後には、女性ホルモンの変化で張り(しこり)が落ち着くケースがほとんど。反対に、2週間たっても変わらずしこりがあったり、またはより大きくなってきていたら、乳がんをはじめ、病気の疑いも出てきます。実は乳がんのしこりは十人十色で見極めが難しいのですが、あえて特徴を挙げるなら、石ころのように固く、表面が凸凹。腕を上げたときに皮膚に引きつれのようなくぼみができることもあります。早期発見には、普段から自分の胸に興味をもって、定期的にセルフチェックをする習慣が大切。ちなみに、生理前は乳腺が張って固くなっているため、生理開始から1週間~10日後の乳腺が最も柔らかい時期にチェックするのがおすすめです」(乳腺専門医・片岡明美先生)
\月1回は念入りにセルフチェックを!/

入浴時など、腕を上げて胸を張った状態で、指の腹で肋骨に沿ってなでるようにチェック。ポイントは、いつもの自分の乳房との違和感。
乳がん検診は何歳から受けるべきですか?
A.一般的には40歳から。ただ、親族の何人かが罹患していたら、10年早めて受診を
「気になる症状がなければ、40歳から年1回ペースの検診が一般的です。ただし、母親や姉、叔母など、親族のふたり以上に乳がんの罹患歴がある場合は例外です。例えば、家族が42歳で乳がんになっていたら、その10年前の32歳からの検診をおすすめします。
マンモグラフィ検査は、乳房に脂肪が多い人向き。乳腺が多くて乳房の固い人は病変を見つけにくいので、歳で乳が超音波を併用します。さらに、親族に罹患歴があって、乳がんや卵巣がんの発症に深く関わる『BRCA遺伝子』に変異がある場合は、MRI検査もおすすめします」(片岡先生)
乳がんのリスクを高める要因にはどんなことがありますか?
A.遺伝的要因のほか、肥満、喫煙、アルコールなど。

「血縁者の複数に乳がん罹患歴がある人は少なからずリスクが高まります。『乳がん卵巣がん症候群』と呼ばれる、遺伝子の病的変異で罹患する人も乳がん患者の10~15%はいます。
また、卵巣から分泌される女性ホルモンの刺激も乳がん発生に影響を与えます。出産未経験や晩産で、卵巣が働き続け、女性ホルモンに絶えず刺激されていると、乳がんリスクがUP。さらに、※BMI25以上の太りすぎや、急激に体重が増加した人も、皮下脂肪から分泌される女性ホルモンの影響を受けます。
生活面での危険因子はまず喫煙。アルコールや甘いものも、とりすぎない方ががん全体の予防になります」(片岡先生)
※BMIは、体重(kg)を身長(m)で2回割った数値。
『美的』2021年5月号掲載
イラスト/チブカマミ 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
かたおかあけみ/がん研有明病院乳腺センター医長。九州大学病院などで臨床経験を積み、’08年より東京へ。’15年より副医長→現職。