【スキンケアの基本】保湿成分には3種類あるって知ってた? それぞれの特徴を理解しよう|『保湿』の仕組みをプロが解説
ひと口に保湿と言っても、潤いを「与える」「守る」「生み出す」成分はそれぞれ違うこと、知っていますか? それぞれの特徴をしっかり理解して、自分に何が必要なのか論理的に考えてみましょう!
保湿成分の肌へのアプローチはこの3つ
それぞれの利点と弱点が理解できていれば、「保湿しているのにすぐ乾く」「効果が出ない」などお手入れの迷いもクリアになります。
【1】水分の蒸発を防ぐ
肌の上に油の膜を作って水分の蒸発を防ぐ
「オイルやバーム、油分の多いクリームなどの油剤で肌の上に膜を作って水分の蒸発をブロックする、シンプルな保湿のアプローチ。水分保持によって肌を柔らかくする効果も。肌に直接的に作用せず覆うことが基本の働きなので、肌が敏感なときも安心です」(岡野さん)
【2】水分を保持する
角層の上や中で水を抱え込みふっくら感とみずみずしさを生み出す
「角層には角層細胞と、その隙間を埋めて水分を抱え込む細胞間脂質があります。角層の上や中で水分を抱え込んで細胞間脂質の働きを補うアプローチの保湿成分はたくさんあります。油剤よりもふっくら感やみずみずしさが得られますが、油剤の方が水分を守る力は高いので、どちらも使うのがおすすめ」(近藤さん)
【3】水分を保てる肌を作る
角層の下の生きた細胞にアプローチする根本ケア
「油剤や保湿成分で角層のバリア機能を守ることには意味がありますが、角層は死んだ細胞の集まりなので、乾燥肌を根本的に解決するものではありません。そこで最近は、角層の下の生きた細胞に働きかけて水分を保てる角層を育むアプローチも増えています」(岡野さん)
3のように肌の内側にアプローチするケアは乾燥肌の根本改善に有効。ただしすぐに効果が出るものではないので、1と2も取り入れつつ、ある程度根気よく続けることが大切です
水を抱え込む力が高い保湿成分は、同時にベタつくという特徴も。ベタつかないライトな保湿成分もあるので、コスメを作るときは複数をバランス良く組み合わせて配合します
『美的』2021年11月号掲載
撮影/松本拓也(背景) イラスト/浅生ハルミン 監修/岡野利彦(カラーズ)、近藤和裕(Nuzzle) 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
スキンケアを中心とした化粧品の研究開発に約20年携わる。成分・処方の高い専門性をもち、サイエンスと植物の可能性を追究。