お悩み別ケア
2023.6.16

大人の毛穴悩みがなくならない理由|毛穴の種類や広がる・詰まる原因を皮膚科医 山崎まいこ先生が解説

丸3年のマスク生活を経て、一層複雑&深刻化した毛穴問題。読者の毛穴と肌のタイプに合わせたお手入れをフルコースで指南しました!エディター・大塚真里のスキンケア指南シリーズ第5弾として、皮膚科医・山崎まいこ先生に毛穴について教えてもらいました。

特別講師登場!皮膚科医・山崎まいこ先生と考える「大人の毛穴悩みがなくならない理由」


読者の肌悩みにぴったりのスキンケアをエディター大塚真里がフルコースで選び、肌のBefore→Afterを比較する大好評企画。今回のテーマは永遠の悩み「毛穴」です!

毛穴はなくならないことを理解しよう!

“毛穴が目立ってしまう原因のほとんどは皮脂です”--山崎まいこ先生

大塚 『美的』の恒例企画となっている「読者のスキンケアBefore→After」なのですが、毎回肌の変化が明らかで、おかげさまで大きな反響をいただいています。

山崎 過去の誌面、拝見しています。肌の改善が明らかですね!

大塚 みんなの頑張りのおかげです。第5弾は、読者の肌悩みの常にトップに上がる「毛穴」をテーマにしています。かなり難しいお題なので、先生のお力をお借りしたく…!

山崎 クリニックを受診する患者さんにも、毛穴に悩んでいる方は多いです。特に、皮脂分泌が活発になるこの時期には増えますね。大塚さんが難しいお題と思われる理由は?

大塚 毛穴は皮脂分泌の役目を担う器官で、なくなることはあり得ないですよね。しかも“穴”なので、分泌した皮脂や、中で代謝した古い角質がすぐに詰まってしまう。みんなが欲しいのは全く詰まりのない毛穴だけれど、実際はTゾーンの毛穴が少し詰まっているのが普通の状態で、理想と現実に差があるんですよね。

山崎 「毛穴の詰まりを指で押し出すのはNG」と言われますが、押し出したことがないという人は、ほとんどいない気もします(笑)。

大塚 頬の毛穴も、大人なら誰でも多少は開いているもの。毛穴の悩みがなくならない原因は、永遠にたどり着けない“毛穴レス”な状態を目指していることだと思うんです。

山崎 なるほど、毛穴に問題があるのではなくて、求めすぎている。

大塚 お手入れによって毛穴詰まりや開きを軽減することはできると思いますが、まずは「毛穴は多少詰まったり開いたりして当然なんだ」と理解することも大切ですよね。

山崎 毛穴が目立ってしまう直接的な原因のほとんどは、皮脂と古い角質です。皮脂をきちんと落として過剰な分泌をコントロールし、角層を柔軟にするケアを取り入れれば、毛穴は徐々に目立たなくなります。

大塚 肌を乾燥させないように、と洗顔をぬるま湯だけですませている人がすごく多くて…。

山崎 ほとんどの方の場合、皮脂が出ている部分だけでもきちんと洗顔料で洗った方がいいですね。

大塚 頬の毛穴はどうですか?

山崎 30代なら、以前より肌のハリが減ったことによる“緩み毛穴”の方が多いです。Tゾーンの皮脂が影響しているケースもあります。

大塚 実際は皮脂が出ているのに「皮脂が出ない乾燥肌」だと思い込んでいる人も多く、肌質の理解も毛穴悩み解決につながりそうです。

“毛穴レス願望をやめて知識をもつことも大切”--大塚

\毛穴をなくすことはできません/

大人の毛穴が広がる、詰まる原因とは?

肌質

「多くの人はTゾーンは脂っぽく、Uゾーンは乾燥しやすい混合肌。程度の差はありますが、皮脂分泌のあるTゾーンの毛穴は大きく、詰まりやすいのが正常な状態です」(山崎先生)

間違ったクレンジング&洗顔

「読者の方の話を聞いていると、乾燥肌なのにクレンジングオイルでがっつり落とし、朝も夜も洗顔料は使わない…という人が多いです。乾燥と毛穴詰まりを加速させる一因に」(大塚)

ストレス

「仕事や人間関係などでストレスが多いと交感神経が優位になり、皮脂分泌が活発になります。それで洗顔を怠ると毛穴は詰まる一方。皮脂による炎症で毛穴が開くことも」(大塚)

加齢

「10~20代のパンとハリがある肌と異なり、30代になると肌のハリの低下から頬の毛穴が緩んでくる人が増えます。40歳前後になると、たるみ毛穴へと移行します」(山崎先生)

\美肌を作るのは正しい知識/

山崎先生が考える毛穴の5タイプ

これらの毛穴は“なくすべきもの”ではなく“今以上に大きくならないように見守るべきもの”。ゴールを間違えることなく適切なお手入れをすれば、毛穴悩みはなくなります!

(1)開き毛穴


皮脂分泌が多いTゾーンの毛穴は開きがち
人間の体には、中央に近い部分の皮脂分泌が多いという特徴があります。額(特に眉間)や鼻の頭、小鼻の毛穴は皮脂分泌が盛んなため、大きく目立ちやすいもの。皮脂によって毛穴の出口が酸化して黒ずんでいるケースもあります。

(2)詰まり毛穴


皮脂と古い角質が混ざって毛穴を詰まらせる
肌表面の角質細胞は役目を終えると自然に剥がれ落ちます。毛穴の中も代謝は行われており、主に皮脂が多いTゾーンでは、剥がれた古い角質と皮脂が混ざって毛穴を詰まらせます。放置すると、大きくなったり黒ずんだりします。

(3)緩み毛穴


頬の毛穴が徐々に大きく。たるみの手前の現象
30歳を過ぎたころから肌のハリが失われると、たるみの影響を受けやすい頬の毛穴は自然と緩んでポツポツ目立つようになります。Tゾーンから広がった皮脂の影響で毛穴が広がったり、炎症を起こして赤くなったりすることも。

(4)たるみ毛穴


頬の毛穴が縦に伸びたように開く
年齢を重ねて頬のハリの低下が進むと、頬の毛穴が縦に流れるように開いてきます。肌のたるみは日々のお手入れやUVケアで遅らせることができるので、今から意識していると、将来のたるみ毛穴の度合いが変わってきます。

(5)すり鉢毛穴


頬などにできるクレーターのように大きな毛穴
肌質や間違ったお手入れなどによって皮脂の分泌が過剰になっている状態が続くと、毛穴の出口に炎症が起こり、大きくすり鉢状に開いてしまいます。こうなるとお手入れでは解決しづらく、クリニックでの施術が必要に。

大人の毛穴ケア、ふたりの結論

毛穴を気にしすぎないことがまず大切!

Tゾーンの毛穴がやや大きく、頬の毛穴は見えるけれど開きすぎていない、というのが、美的世代が目指すべき状態。

洗うことを恐れない、間違えない

皮脂分泌がある部分は洗顔料で皮脂を落とさないと毛穴詰まりのもとに。皮脂はすぐに出るから、乾燥を恐れず洗って。

肌質を見極めて自分に合ったスキンケアを

Tゾーンの毛穴が気になる場合、保湿だけでなく皮脂抑制や皮脂による炎症対策も意識すると毛穴が目立ちにくくなります。

 

まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長

山崎まいこ先生

エデイター

大塚真里

 

『美的』2023年6月号掲載
撮影/古水 良(cheekone・人物)、さとうしんすけ(背景・静物)、シャッターストック(毛穴) 構成/大塚真里

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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