今後シミを作りたくない人必見!8つのシミを防ぐ成分と美白コスメ|美的GRAND
先回りしてシミを作らせない! メラニンが増える経路にアプローチしてシミを防ぐ美白有効成分を、サイエンスビューティに詳しい美容エディター・大塚真里が徹底解説します。
こんな人におすすめ! シミを防ぐ「美白有効成分」
- シミはまだ少ないけれど、今後増えそうで気になる
- アウトドアスポーツやドライブが好き
- 先回りケアに惹かれる
紫外線などの刺激を受けるとメラノサイトに「メラニンを作れ」という指令が送られ、メラニンが作られ、表皮細胞に渡されます。その各段階をブロックする成分がこちら。
【トラネキサム酸】 肌あれ防止 にも有効な医薬部外品有効成分の王道
メラノサイトを活性化させる因子の生成を抑制
抗炎症作用でも知られるトラネキサム酸。1995年に肌あれ防止有効成分として承認され、2002年に美白有効成分として承認された成分です。
紫外線を浴びると肌の中で活性酸素が発生し、表皮細胞からさまざまなメラノサイト活性化因子(情報伝達物質)が分泌されます。トラネキサム酸は、メラノサイト活発化因子「プロスタグランジン」などの生成に関わる「プラスミン」という酵素の過剰な生成を防ぎ、メラニンの生成を早期に防ぎます。炎症が関連している肝斑や色素沈着にも効果を発揮します。
表示名と働きなど
メラノサイト活性化因子を増やすプラスミンの生成抑制
メラノサイト活発化因子・プロスタグランジンなどの生成に関わる酵素・プラスミンの過剰な生成を防ぐ。
トラネキサム酸配合美白コスメ
赤みが抑えられ透明感が上がるのも特徴。水溶性なのでみずみずしい剤型に多く配合される。
アルビオン フラルネブライトチューナー KM[医薬部外品] 40ml ¥5,500
エトヴォス 薬用ホワイトニングクリアセラム[医薬部外品] 50ml ¥5,500
コーセープロビジョン 米肌 肌潤美白エッセンス[医薬部外品] 30ml ¥8,800
【TXC】 肌への浸透を高めた トラネキサム酸の進化形
トラネキサム酸を両親媒性にして浸透UP
水溶性のトラネキサム酸に油性の化学物質を結合させることにより、肌への浸透性を高めたトラネキサム酸誘導体。肌の中で酵素・エステラーゼの働きによって徐々にトラネキサム酸へと変化し、約12時間にわたり効果を発揮するとされています。シャネルが開発し、2009年に美白有効成分として承認されました。
美白作用は右のトラネキサム酸と基本的には同じ。トラネキサム酸は水溶性で扱いやすい反面、単独では肌に浸透しにくいため処方に工夫が必要。その弱点をクリアした、水にも油にもなじみやすい両親媒性の成分です。
表示名と働きなど
メラノサイト活性因子を増やすプラスミンの生成抑制
メラノサイト活発化因子・プロスタグランジンなどの生成に関わる酵素・プラスミンの過剰な生成を防ぐ。
TXC配合美白コスメ
TXCはシャネルの美白製品に配合されている。
今年の新作美容液。
シャネル ル ブラン マルチ スポット インテンシブ トリートメント[医薬部外品]20ml ¥22,000
美白クリーム。
同 ル ブラン クリーム HLCC[医薬部外品] 50g ¥17,600 (C)CHANEL
【コウジ酸】 麹を扱う職人の手 が美しいというゆるぎないエビデンス
歴史に裏づけられた安心感のある成分
コウジ酸は、みそやしょうゆ、酒などの製造過程に用いられる麹に含まれる化合物。古くから“麹を扱う職人の手は透明感があり美しい”などと言われており、その美白効果に三省製薬が着目して開発。1988年に美白有効成分として承認されました。
メラノサイト内でメラニンの生成過程に関与する酵素・チロシナーゼに存在する銅イオンに結合&不活性化するキレート作用によって、メラニンの生成を抑えます。大手メーカーでコウジ酸を多く採用しているのはコーセーですが、ほかでも使用されています。
表示名と働きなど
酵素・チロシナーゼへのキレート作用
酵素・チロシナーゼに存在する銅イオンに結合&不活性化するキレート作用によって、メラニンの生成を抑える。
コウジ酸配合美白コスメ
夏白菊エキスを組み合わせて透明感アップ。
コスメデコルテ ホワイトロジスト ネオジェネシス ブライトニング コンセントレイト[医薬部外品] 40ml ¥16,500
新たに花椒エキスを配合。
コーセー ONE BY KOSE メラノショット W[医薬部外品] 40ml ¥5,830(編集部調べ)
ジャーマンカモミール油配合オイルとの2層タイプ。
ITRIM ルリホワイト セラム[医薬部外品] 18ml ¥19,800
【カモミラET】 カモミールの花 にシミを早期に抑制する力が!
メラノサイトが活動する前の段階を抑制
“カモミラ”とはカモミールのことで、ジャーマンカモミールの花からスクワランで抽出したエキス。一般的なカモミールエキスとは抽出方法が異なります。花王が開発し、1998年に美白有効成分として承認されました。
カモミラETの働きは、紫外線を浴びると肌の中で分泌されるメラノサイト活性化因子(情報伝達物質)の一種、エンドセリン-1の情報伝達を阻害すること。メラニンの生成を、メラノサイトが活動する前の段階で抑制できることが魅力です。油で抽出しているため、肌への浸透が良いのも利点。
表示名と働きなど
メラノサイト活性因子・エンドセリン-1を抑制
紫外線を浴びると肌の中で分泌されるメラノサイト活性化因子の一種、エンドセリン-1の情報伝達を阻害する。
カモミラET配合美白コスメ
カモミラETは、花王と、グループ企業であるカネボウ化粧品の美白コスメに主に配合されている。
部分用。
花王 ソフィーナiP ブライトニング美容スティック[医薬部外品] 3.7g ¥4,370(編集部調べ)
花王 アルブラン イルミネイティング セラム[医薬部外品] 40g ¥11,000
カネボウインターナショナルDiv. KANEBO イルミネイティング セラムa[医薬部外品] 50ml ¥22,000
【ルシノール】メラニンの 鍵穴を塞ぐ 唯一無二の働き
シベリアモミの木に含まれる物質に、高い美白効果があることにポーラが着目して開発、1998年に承認された美白有効成分。アミノ酸の一種であるチロシンと酵素チロシナーゼが結びついてメラニンになるのを抑制します。
表示名と働きなど
チロシンとチロシナーゼの合体を防ぐ
アミノ酸の一種であるチロシンと酵素チロシナーゼが結びつくための鍵穴を塞ぎ、メラニンを作らせない。
ルシノール配合美白コスメ
ルシノールはポーラの美白コスメに配合されている。
みずみずしい美容液。
ポーラ ホワイトショット CXS N[医薬部外品] 25ml ¥16,500
シミが気になる部分用のクリーム状美容液。
ポーラ ホワイトショット SXS N[医薬部外品]20g ¥13,200
【エラグ酸】植物由来の ポリフェノール 。歴史ある美白有効成分
イチゴなどのベリー類や熱帯植物に含まれる天然ポリフェノール。ライオンが着目・研究し、1996年に美白有効成分として承認されました。コウジ酸と同様のキレート作用により、メラニンの生成を抑えます。
表示名と働きなど
酵素・チロシナーゼへのキレート作用
酵素・チロシナーゼに存在する銅イオンに結合&不活性化するキレート作用で、メラニンの生成を抑える。
エラグ酸配合美白コスメ
美白有効成分としてビタミンC誘導体も配合。
ライオン フェリゾナ リッチホワイトニングエッセンス[医薬部外品] 30g ¥8,800
100%天然由来成分使用の美白美容液。
MiMC メラノオーガナイズリセット10D[医薬部外品] 30ml ¥9,900
【アルブチン】90年代の 美白ブーム を盛り上げ、今も現役選手
ウワウルシやコケモモなどの葉に含まれる天然由来の美白有効成分で、ハイドロキノンにブドウ糖が結合したもの。1989年に承認されました。メラニンの生成の各段階に作用する酵素・チロシナーゼの活性を抑制します。
表示名と働きなど
酵素・チロシナーゼの活性を抑制
メラニンの生成に関わる酵素・チロシナーゼの活性を抑え、メラノサイトでメラニンが作られるのを防ぐ。
アルブチン配合美白コスメ
合成のα-アルブチンもあるが、美白有効成分として承認されているのはβ-アルブチンのみ。
富士フイルム アスタリフト ホワイト クリーム[医薬部外品]30g ¥5,500
ディセンシア サエル ホワイトニング クリーム コンセントレート[医薬部外品] 30g ¥6,050
右から ローション コンセントトレート&エッセンス コンセントレート&クリームコンセントレート[医薬部外品]の詳細はこちら
【マグノリグナン】 チロシナーゼ に独自のアプローチ
ホオノキの樹皮に多く含まれるポリフェノールの一種「フェノール性二量体」に着目して開発された成分。2005年に美白有効成分として承認されました。酵素・チロシナーゼの成熟を抑制する働きが。現在はあまり使われていません。
表示名と働きなど
酵素・チロシナーゼの成熟を抑制
メラニンの生成過程に関わる酵素・チロシナーゼの成熟を抑制することで、メラニンが作られるのを防ぐ。
現在承認されている主な美白有効成分リスト
真ん中の「通称」が一般的に知られている名前。最近は化粧品の成分がトレンドなので、なんとなく知っているという人も多いかもしれません。右端のいわゆる本名が、全成分表示に記載される名前。成分の溶解性によって、配合されるアイテムの傾向が変わります(例えば水溶性の成分はみずみずしい剤形に配合されやすいなど)。
化粧品に配合されている美白有効成分はここをチェック
パッケージのどこかに必ず「全成分表示」があります。医薬部外品の場合、有効成分が冒頭に書かれ、末尾に有効成分の注釈が添えられています。その化粧品が肌あれ防止など美白以外の効能も備えている場合、美白以外の有効成分も列記されます。
『美的GRAND』2023春号掲載
撮影/吉田健一(背景イメージ) イラスト/伊藤美樹 監修/近藤和裕(Nuzzle) 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
美容ページの編集・執筆を手掛けて25年以上。納得感のある記事を作るべく取材と勉強を重ね、スキンケアや化粧品の中身に詳しくなった。