全身がかゆい!原因はなに?セルフケアで大切なことは?
マスクなどによる肌刺激、乾燥、季節によるゆらぎ、アレルギー…日常生活には全身がかゆくなる要因がいっぱい!病院に行くほどでは…と思いつつ結構ストレスなそのかゆみ、何が原因で、どう対処すれば繰り返さずにすむのかを解説します。
【全身のかゆみ】繰り返し刺激を受けて弱った部分にかゆみが広がる
私たちの体はほとんど皮膚で覆われているので、かゆみは全身どこにでも起こります。ただし、「湿疹(皮膚炎)は、皮膚への刺激が原因のひとつなので、繰り返し刺激を受ける部位に出やすくなります」と横浜市立大学大学院教授、皮膚科専門医の山口由衣先生。
「比較的繰り返しやすいのは、皮脂欠乏性湿疹(乾燥性皮膚炎)やアトピー性皮膚炎。どこに出やすいかには個人差があります。また、かゆみの強いじんましんも、刺激を受けやすい場所に繰り返し出やすくなります。予防や対策は、全身どこもしっかり保湿することが大切。湿疹がある場合には適切な外用薬が必要です。じんましんには内服薬が有効なので、皮膚科受診をお勧めします」
□ あせも
汗をかいたままにしていると、汗に混じったホコリや塩分が汗管を塞ぐ。そのため代謝できずにたまった汗が刺激となって、かゆみを伴う湿疹に。
□ じんましん
皮膚の一部が突然、赤く膨れ上がり、強いかゆみを伴う。食品や気候など特定の刺激もあるが、7割は原因不明。ストレスや疲労が悪化の一因に。
□ 甲状腺疾患由来
甲状腺機能が過剰になると、甲状腺ホルモンの影響で血管拡張や多汗、皮膚温上昇などが起こり、皮膚にかゆみ症状が出やすくなる。
□ アトピー性皮膚炎
アレルギー疾患のひとつで、バリア機能の低下で生じた炎症性湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す。かゆみが強い。
□ 皮脂欠乏性湿疹
気候や加齢などでバリア機能が低下し、乾燥した皮膚に、外的刺激が加わって炎症が現れた状態。強いかゆみや赤みがあり、かきむしるとさらに悪化。
□ 虫刺され
蚊、ブヨ、ダニなど虫に刺され、その毒液や唾液成分などが皮膚に入って炎症を起こした状態。かゆみや痛み、赤み、腫れなど部分的炎症が起きる。
□ 乾癬(かんせん)
免疫疾患で、皮膚のターンオーバーが過剰に。白いフケのような粉がボロボロと剥がれ落ちる。かゆみの程度はさまざま。
セルフケアはこすらず保湿が大切!
保湿剤
潤いを補って、外的刺激から肌を守る!
潤い成分が角層の深部まで浸透
セラミド機能成分やユーカリエキスが角層を潤いで満たし、消炎剤(有効成分)配合で肌あれを防ぐ。
花王 キュレル クリーム [医薬部外品] 90g ¥1,650(編集部調べ)
乾燥に負けない肌を育む乳液状のなめらかクリーム
植物性セラミド、植物性脂肪酸、フィトステロールがバリア機能を整えて、潤いボディに。
ピエール ファーブル ジャポン アベンヌ トリクセラNT フルイドクリーム 200ml ¥3,520(編集部調べ)
保湿剤は第1関節分の量を手のひら2枚大に広げて!
「使う量が足りないと、のばすときに皮膚が引っ張られ、刺激になります。こすらず優しく塗りましょう指の第1関節分の量を手のひら2枚大に広げます」(山口先生)
『美的』2022年5月号掲載
イラスト/香川尚子 構成/つつみゆかり、青山貴子、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
やまぐちゆきえ/横浜市立大学大学院医学研究科修了。膠原病や乾癬などの免疫疾患を専門として、大学の専門外来での診療・研究・教育・学会活動を行う。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。