敏感肌が避けた方がいい美容成分は?化粧品を使い切る目安は?|もっと知りたい美容成分Q&A
実はよく知らない美容成分のこと。長年、化粧品の研究開発に携わってきた岡野利彦さん、近藤和裕さんが美容成分にまつわる疑問に答えます!
もっと知りたい美容成分
Q. 美容成分が高濃度である程効果が高い?
A. 基本的にはそうですが、成分の種類によってそうといえない場合も
「美容成分はただ入っていれば良いのではなく、実験でデータがとれている有効濃度以上配合されていることが大切です。濃度が上がれば効果も上がりますが、比例ではなく上限があります。また、処方によっても浸透力や効果の出方が変わってきます」(岡野さん)
Q. 敏感肌が避けた方がいい美容成分は?
A. ほとんどなし。刺激は成分そのものよりも処方によるところが大きい
「刺激が出やすいとされる成分も、ごく微量なら問題がなかったり、処方によって刺激が抑えられているケースもあります。あえて上げるとしたら、ピュアレチノールやサリチル酸は避けた方がいいでしょう。反対に、保湿成分は積極的に取り入れて」(近藤さん)
Q. 合成成分よりも植物エキスの方がいいの?
A. 優劣はなし。それぞれに良さがあります
「美容成分には、合成の化合物と天然由来のエキスや抽出物があり、エキスの中にも化合物が含まれています。合成の化合物をそのものずばり入れた方が高濃度に配合できますが、植物エキスには複数の成分による相乗効果など、未知のものも含めてさまざまな効果が期待できます」(岡野さん)
Q. 美容成分を効かせるための、化粧品の使い方のコツを教えて!
A. 適量を、1ステップずつ肌にしっかりなじませること
「成分をきちんと肌に届けるためには、容器に表示された“適量”を守ること。量が少ないと効果が発揮されにくくなります。また、一度に複数塗って肌の上で混ざるとpHが変わって効果が出にくくなる場合も。1品ずつ、きちんとなじんでから次のステップへ」(近藤さん)
Q. 美容成分の効果を保つために、化粧品は開封後何か月くらいで使い切ればいい?
A. できるだけ早く使い切るのがベスト
「美容成分は空気や水に触れると効力を失いやすく、ほかの分子をつけて安定化させた“誘導体”として配合されているものも多いです。ただし、それでも壊れやすい成分はあるので、開封したらできるだけ3か月以内を目安に使い切ることをおすすめします」(岡野さん)
『美的』5月号掲載
撮影/渡邉宏基 監修/岡野利彦(カラーズ)、近藤和裕(Nuzzle) イラスト/浅生ハルミン 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
化粧品メーカー数社でスキンケアやメイク品の研究開発を約20年担当した後、2017年に株式会社Clueを設立。2020年より現職。