有村架純さんインタビュー|「これから挑戦したいのは仕事がメインの役柄や舞台」
映画、ドラマ、恋愛ものから時代ものまで様々なジャンルで活躍し、今や国民的女優のひとりとなった有村架純さん。周囲を癒す柔らかい空気をまといつつ、仕事や将来のことを話す瞳はたくましい力を感じさせます。「美は内面から」を体現する彼女の、今感じていることとは?
戦争末期を生きた女性、覚悟をもって演じました
ふわりと柔らかな雰囲気をまといながら、瞳には力強い光を宿している。仕事に対する姿勢は真摯かつストイックで、自粛期間中もさまざまなジャンルの作品を鑑賞し「エンターテイメントには常に触れていました」という。
そんな有村さんだからこそ、話題作への出演は引きも切らない。8月半ばに放送予定の特集ドラマ『太陽の子』は、第二次世界大戦末期に核エネルギーを研究する兄弟の物語。有村さんは兄弟が想いを寄せる女性・世津を演じている。
「世津は今日をどう生き抜くかという厳しい状況下でも後悔しないように、毎日訪れてくれる日常を愛おしくかみ締めた女性です。そうやって生きることが彼女の覚悟なのではと思い、ブレないよう演じました。戦争は苦しく、つらい。そんな純粋な思いを抱えながらも力強く立つことを心掛けました」
生きる時代は違えど、女性のすごみは変わらずにあるのだと学んだのだそう。
「個人的に印象深いのは、柳楽優弥さん演じる修と、三浦春馬さん演じる裕之との縁側のシーン。痛いほどみんなの思いが交錯しています。セリフとは裏腹な奥の想いを想像していただけるとうれしいです。当時の科学研究員たちがどんな苦悩を抱えて任務に当たっていたか…戦争に行く者の本音、生き抜く人たちの本音を感じてほしいと思います。今一度平和を考えるためにも、ぜひ、皆さんに観ていただきたい作品です」
今まで時代ものから恋愛ものまで幅広く演じてきた有村さん。この先挑戦してみたい役柄を尋ねると「職業もの」との答え。
「仕事をメインにした役柄はあまり演じたことがないので、やってみたいですね! 作品のテイストというよりも、筋の通ったカッコいい役柄に興味があります。後は舞台の経験が一度だけなので、機会をいただければどんどん挑戦していきたいです」
多くの経験を重ね、ますます女優としての深みを増していく。そんな有村さんの姿から今後も目を離せない。
Profile
1993年生まれ、兵庫県出身。連続テレビ小説『あまちゃん』ほか、多くのドラマや映画などで活躍中。特集ドラマ『太陽の子』(NHK総合・BS8K・BS4K)は8月15日(土)放送予定。
『美的』2020年9月号掲載
撮影/土屋文護(TRON) へア&メイク/河北裕介 スタイリスト/小川未久 構成/安井千恵、加藤絢子(本誌)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。