大学卒業後、女性誌やウェブサイトを中心に、美容、旅行関連の取材・執筆を行うほか、美容皮膚科医や美容師などの専門家や、メディアに向けたレターの製作、TV・ラジオ出演、講演など多方面で活動中。現在は、“旅=楽しむだけでなく、美を磨くためのエッセンス”と捉え、国内外を問わず、旅先で美容スポットを体当たりで巡る取材を多く行う。“人生を彩るために、美容する”がモットー。
■ブログ:http://yukiishihara.com/
■Instagram:@yukiishihara1112
美容好きの中でも、とりわけ香水が好きな方の中には、南仏「Grasse(グラース)」の名前を聞いたことがあるかもしれません。
グラースは、毎年、世界中から調香師が修行に訪れる、“香りの都”と言われている場所です。南仏の玄関口であるニースからは、西へ30キロほど。中世の面影が残る、わずか5万人ほどが住んでいる、小さな町です。
最近、新婚の友人カップルから、“ハネムーンでグラースを訪れて、2人だけの香りを作った”という羨ましい話を聞いていたり(ロマンティックすぎる!)、日頃から一日を通して香りを楽しみ、長らく美容記事に携わってきた私にとって、グラースはいつも頭の片隅にあり、訪れてみたいと思っていた場所でした。
そして、念願叶って訪れることができたのが、今年の夏のこと…!
まず、ここグラースが香りの都と言われるようになった所以を、紐解いていきましょう。
12世紀頃には、実は“革なめし”が主要産業だった、グラース。しかし、貴族たちは上質な革手袋を使った場合でも、その革手袋が発する臭いに困っていたようです。
そんな背景から、18世紀の終わりごろ、革手袋に香水を染み込ませた“香る手袋”が開発され、それが大ヒット! そのときから、香水産業が栄えるようになったという歴史があります。
グラースの温暖な気候は、香水に欠かせないジャスミン、ローズ、オレンジブロッサム、ラベンダーなどの花々を生産するのに適しているとされています。フランスの天然香水や香料の多くは、今でもグラースで生産されていて、ここには、パフューマリー(香水メーカー)もたくさん。なんと、2000種類もの香りを嗅ぎわけられる調香師も、存在するそうです!
グラースの中にあるパフューマリーのなかでも、『Parfumerie Fragonard – L’usine Historique Grasse(フラゴナール香水歴史工場)』は、1926年に創業された老舗のパフューマリー。『フラゴナール』という名前は、グラース出身の画家に由来しています。
1Fは、古代から現代に至るまでの香水の歴史博物館となっており、調合に使う道具や、アンティークの香水ボトルが展示されています。
工場では、ガイドツアーがあり(時間帯によって、フランス語・英語の2言語で行われる。要予約)、専門ガイドさんから香水製造のプロセスを聞けて、香水の奥深さを学ぶことができます。さらに、事前予約で自分だけの香水も調合させてもらうことも可能なのだとか。
上の階には、小さな美術館もあり、館内は写真NGのマークが書いてあったので、受付のマダムに、入り口だけ撮影をして良いか尋ねると、「どこでも撮っていいわよ~」とのお返事が(笑)。ただ、中はほかにもお客様がいたので、入り口のみ撮影することにしました。
併設された直営店では、作り立ての香水、香りの石鹸、アルガンオイルなどの化粧品や、キャンドルやルームディフューザーなど、多くの香りアイテムが販売されています。
そうそう、私がショップを訪れているときに、小学生が課外学習で香りについて学びに来ていました。幼い頃から香りについての教育を受けているのは、香りの先進国とも評される、フランスならではの光景ですよね。
フラゴナールの香水工場を見終わったら、建物の後ろ側の高台に位置している公園で、ひと休みがおすすめ。
こちらは、グラースの旧市街を一望できるおすすめスポットです。
グラースは、学びとショッピングが同時に楽しめる美しい場所。南仏を訪れたら、ニースから少し足を延ばして、グラースで香りの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
<取材協力>
◆Parfumerie Fragonard >>https://www.fragonard.com/en/
大学卒業後、女性誌やウェブサイトを中心に、美容、旅行関連の取材・執筆を行うほか、美容皮膚科医や美容師などの専門家や、メディアに向けたレターの製作、TV・ラジオ出演、講演など多方面で活動中。現在は、“旅=楽しむだけでなく、美を磨くためのエッセンス”と捉え、国内外を問わず、旅先で美容スポットを体当たりで巡る取材を多く行う。“人生を彩るために、美容する”がモットー。
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