美的GRAND
健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2025.1.4

HERMÈS バレニア オー ド パルファム 肌の香りになる、フレグランス|美的GRAND

美容エディター・松本千登世さんが厳選。『このコスメが、すごい!~大人美の最新名品~』

肌の香りになる、フレグランス

HERMÈS バレニア オー ド パルファム
ジンジャーリリー、ミラクルベリー、オークウッド、パチョリで構成された個性的でいてタイムレスな香り。ブレスレットを思わせるメタルパーツがエルメスらしさを語り出す。
左から/100㎖ ¥24,860、30㎖ ¥12,650

力強さと優しさの共存に本能が抗えなくなる、美しきシプレ

今年も、たくさんのフレグランスが誕生しました。独特の気候や文化から、欧米に比べ、香りに対する「親密さ」が薄いとされてきた私たち日本人ですが、ここ数年で事情は大きく変わっています。目に見えるラグジュアリーから、目に見えないラグジュアリーへという価値観の変化。フレグランスはその最たるものであるという捉え方。だから、本物であることはもちろん、メゾンの歴史や哲学、調香師の個性や思い、原料の希少性やイメージする人間像もすべて知り尽くした上で、たとえ高価でも、自分だけの「唯一無二」に出合いたい……、そんな人が増えているというのです。
中でも、今年いちばんの注目を集めているのが、エルメスのバレニアです。ずっと憧れの人だったメゾンの専属調香師、クリスティーヌ・ナジェルさんが生み出した、エルメス初の「シプレ」。聞けば、彼女が現職に就任した10年前から、「作りたい」という強い欲求と意志を抱いていて、それを貫く形でシークレットのプロジェクトとして進められ、ようやく誕生したフレグランスなのだといいます。バレニアとは、エルメスのレザーの中でも独特の存在感をもつなめし革のことで、肌に触れることで形作られるともいえる、この上ない官能的な質感が特徴。フラコンは、レザーブレスレットがつとに有名な、エルメスのアイコン的なオブジェである「コリエ・ド・シアン」から生まれています。そして、このフレグランスのキャッチコピーは「肌はパフューム」。つまりは、纏ったその瞬間から、エルメスの神髄とつける人の個性とが溶け合って、ひとりひとりの肌の香りになっていくという……、これぞ、センシュアリティの極みに違いありません。
発表会でクリスティーヌさんが放った一言が忘れられないのです。「私はとても美しい香りを作りました。今度は、皆さんがこの香りを『ベイビーシッティング』してください」。私には私のバレニアがある。バレニアとの親密な関係を育てたい。なんといとおしいフレグランス!

Chitose Matsumoto

エディター・ライター。自ら立ち上げた出版レーベル『BOOK212』より初の絵本『ピンクのカラス』を刊行。
(問)https://book212.com

『美的GRAND』2025冬号掲載
撮影/シバサキフミト(DONNA) スタイリスト/高橋尚美 構成/松本千登世、三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事