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2025.1.3

「男は、歳を取るほど素敵になる」という法則は未だ成立するのか?【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.22】

世に言うところの“若返り”が不可能ではない今、男女を問わずハリウッドの大人の歳の取り方は興味深い。とりわけても、歳の取り方の個人差が激しい男のエイジングを考察。【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.22】

「男は、歳を取るほど素敵になる」との法則は未だ成立するのか?
上手に歳を取る人、取らない人、ランキング

今の時代、上手に歳を取るのは本当に難しい。むしろ以前より難しくなったと言っていい。言うまでもなく、美容医療の力を気軽に借りられる時代だからこそ、間違った方向に若返りしてしまう人が増えたから。
それは男性も同じ。最近は美容医療に通う男性も増え、女性よりもハマってしまう人が少なくないと言われる。
若い頃の顔とあまりに変わらないのも、それはそれで不自然だし、若さにこだわるあまりに美容医療の痕跡がありありと見えるのも残念だし、かといって、この時代にあまりに無防備に歳をとって見た目が激しく変貌してしまうのも、これはこれでまた残念。
もともとが男性の歳の取り方は、個人差が激しいが、そこへさらに極端な差が出てきていると言ってよく、美容医療が男性にとってポピュラーなものになるほどに、“するしない”の判断も含めて、歳の取り方に成功する人、失敗する人が、明快に二分されるようになってきたのだ。

本来男は、歳をとってからの方が素敵になる人が多いのに……

もともと男性は、若い頃より歳を取ってからの方が、むしろ素敵になるケースが少なくなかった。これ女性からすれば、うらやましい限りだが、シワが刻まれたり皮膚のたるみが出てきたあたりから、良い意味での渋みが生まれ、いっそ若い頃よりも顔印象として美しくなる男性って少なくないのだ。
にもかかわらず、余計なことをして、上手く歳を取れない印象を醸し出してしまう人が、今や少なくないということ。
そうしたことも加味し、上手に歳を取る人、取れない人を、ハリウッド俳優でここにランキング。
と言っても、全員がまだ歳を重ねている最中で、そういう意味での結論はまだ出ていない。あくまでも、上手に歳を取れそうな可能性を秘めた人をここに取り上げて、これから先どうかもっと上手に歳を重ねてほしいとお願いするランキングにしたいのだ。

上手に歳を取る人トップ3

 

上手に歳を取る人ランキング
3位……マシュー・マコノヒー

歳をとるほど、鼻持ちならなさがなくなった人
端正な顔立ちとモデルのようなスタイルで、2000年代、30代の頃に『ピープル』誌で何度も「最もセクシーな男性」に選ばれ、ハイブランドのアンバサダーにも引っ張りだこだったが、正直この頃は、かっこよすぎて鼻持ちならない感じがしたほど。ところが歳とともに、そのイケすかなさが減り、どんどんいい男になっていった。55歳の今まさに、渋いイケオジ完成! もちろんお直しなし!

 

上手に歳を取る人ランキング
2位……ブラッド・ピット

誰より好感度の高い歳の取り方をした人
若い頃のキュートな美しさもさることながら、その印象を変えずに自然に年齢を重ねていき、極めて好感度の高い歳の取り方をした。今やもう60代。でもそうは見えない若々しさも含めて、ある種、理想的。若い恋人ができても、違和感なし。このまま老人になってもなお好感度は高いはずの類い稀な存在。

 

上手に歳を取る人ランキング
1位……ジョージ・クルーニー

若い頃はビミョー、むしろ歳をとるほど素敵になった人
現在63歳、今や、いい男の代名詞のようになっているけれど、若い頃のこの人は、はっきり言って、ちょっとビミョーであった。眉の太さとギョロっとした目の大きさが目立つ個性派俳優そのものと言ってよかった。「男はむしろ歳をとってからの方が素敵になる」という法則を地でいく人。刻まれたシワの11本が人間的なセンスに見えるのは、この人の懐の深さと知性によるもの。

〈左〉2024年9月、弁護士の妻、アマルとともに立ち上げた人権保護団体「Clooney Foundation For Justice」(正義のためのクルーニー財団)のアルビー賞授賞式にて。〈右〉1990年、29歳。テレビドラマのプロモーション写真では長髪のバイカー姿。この後、1994年のテレビドラマ『ER』で大ブレイク。

上手に歳を取れない人トップ3、いや本来もっとキレイに歳を取れる人トップ3

 

本来もっとキレイに歳を取れる人ランキング
3位……ジョニー・デップ

あの結婚で、身も心もすっかり疲れ切ってしまった人
やはり“あの結婚”が問題だったのだろう。なんと彼にとっては初婚であったアンバー・ハードとの年の差結婚、そして泥沼離婚訴訟で、心身ともにダメージを受けたからだろうか。すっかり印象が変わってしまったジョニー・デップ。もともと無頼派な印象があった人だが、年齢とともにその清潔感のなさが話題になったり、最近はキレイに直したようだが、歯の状態を心配する声も上がったほど。現在61歳、もともとセンスの良いおしゃれな人だからこれからに期待!

 

本来もっとキレイに歳を取れる人ランキング
2位……レオナルド・ディカプリオ

もうこれ以上、貫禄をつけないでねとお願いしたい人
若い頃の美しさは、今見てもため息が出るほどだからこそ、40代から必要以上に貫禄が出てしまい、一時期、非常に老けて見えたことが心配だった。今きっかり50歳。口ひげとオールバックの髪のせいなのだろうが、このまま貫禄をつけて行かないでという願いを込めて、ここにランクイン。25歳以下のスーパーモデルとしか付き合わないとされてきた恋人遍歴は、ほぼ続行中(今の恋人は26だが、このまま貫禄をつけていってしまうと、それこそ親子に見えてしまうからそれも含めて心配。

 

本来もっとキレイに歳を取れる人ランキング
1位……トム・クルーズ

大好きだからこそ、美しく歳を重ねてと切望する人
自らアクションをこなしたことも含め、『トップガン マーヴェリック』(2022年)での復活は本当に感動的だったし、現在61歳、年齢より恐ろしく若く見えることは確かなのだが、このあまりにも整った顔は、どうやって歳を重ねていいか戸惑っている状態なのだろう。ちょっとむくんだように見えるのは残念な限り。にもかかわらず、髪だけは黒々フッサフサで髪型も昔のまんま、そこに何か要らないギャップが出てきてしまっている気がしないでもない。いずれにせよ、いろいろやっているうちに、どんな顔だかわからなくなってしまうことだけは避けて欲しいもの。この人こそ、そのまま自然に歳を重ねれば本当に美しい歳の取り方ができるのに。そういう意味での伝説になって欲しいのに。

〈左〉2023年7月、映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』シドニープレミアにて。同作PART TWOは2025年公開予定。〈右〉1992年、30歳。当時の妻、ニコール・キッドマンと。

GettyImages

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美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)など著書多数。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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