山崎育三郎「姿勢がいい人は素敵に見える」美しき佇いの秘密|美的GRAND
ミュージカル界だけに留まらず、テレビや映画、ラジオとメディアの垣根を軽々と越え、活躍の幅を広げている山崎育三郎さん。そんな稀有なエンターテイナーを突き動かす原動力、そして柔和さとタフさを併せもった美しき佇いの秘密に迫る。
山崎育三郎 歌う。演じる。前を向く。
ジャケット¥38,500、シャツ¥27,500、パンツ¥29,700(Sakas PR〈ATTACHMENT〉) シューズ/スタイリスト私物
“現場での発見や出会いが、表現者としての幅を広げ、美意識を深めてくれる”
山崎さんのまとう雰囲気を一言で表現するなら“気負いない”という言葉がしっくり来る。場のムードを和らげ、カメラの前に立つときも自然体。それでいてスッと決まる。その美しい立ち姿もさることながら、キメ細かな肌に普段のスキンケアについて尋ねると、クレンジングと保湿はしっかりと習慣化。舞台でのメイクはすべて自前のため、ひと通りの美容は心得ているというから納得。食にも気を配り、現場に弁当を持参することもあるのだとか。
自分から一歩踏み出せば、世界が変わる、変えられる
ジャケット¥52,800、Tシャツ¥28,600(Sakas PR〈KIMMY〉) パンツ¥23,100(ヘムト ピーアール〈サバイ〉)
「10年前は今の自分を全く想像していませんでした。当時はミュージカル一筋でしたから」
今では、ミュージカルで培った歌、ダンス、芝居、トークといったマルチな才能を、ドラマや番組MC、コンサートなどで発揮。文字どおり、非凡なエンターテイナーだが、そのきっかけはやはりミュージカルへの熱い思いから。
「12歳で初めて舞台に立ったときの最初の拍手が忘れられなくて。観客席から幸せのエネルギーをいただいたようで全身に鳥肌が立つ程感動して、これを仕事にできたらこんな幸せなことはないなと。それから29歳まで、まっしぐらに来ました。ただ、30歳を目前にしたとき、ミュージカルをもっと多くの人に知ってもらいたい、ミュージカル界を盛り上げたい、そのためには自分がメディアの架け橋になろうと一念発起し、テレビの世界に挑戦しました」
ミュージカル界のプリンスと称された人気絶頂期に舞台のオファーを断り、まさにゼロからのスタート。成功する保証はないと案じる声も多かったとか。
「反対されることの方がワクワクしますし、そこで成功したらもっと大きなものが待っている気がするんです。むしろ怖いと感じることにしか変化や成長はないな、と。そう考えるようになったのは、高校時代のアメリカ留学での経験からです。アジア系は僕ひとりだけで、最初はいじめられたし、つらい毎日でしたが、学校のダンスパーティで勇気を出して大勢の生徒の前で踊ったら、一夜にして境遇が激変。今まで生きてきた価値観や考え方が通用しないところでも、自分が行動することで状況を変えられる。それを実体験できたのは本当に大きくて、そういう経験の積み重ねで鍛えられた気がします。しんどいことを人生の早い段階で経験できたことは幸運でした。これ以上つらいことはそうないと耐えられるように(笑)。あと、大好きなお笑いにも救われました。笑えれば大丈夫だってポジティブになれますから」
姿勢がいい人は素敵に見える。歌えば胸が開き、姿勢良く!
現在37歳。40代を前に新しいチャレンジは続き、ミュージカルへの愛も深まる一方と言う。
「場面場面でチームも変われば、求められるものも変わる。環境が変わることでの発見や人との出会いが自分の成長につながりますし、表現者としての幅を広げ、美意識を深めてくれると思っています。そして、走り続けて8年。ミュージカル人気も高まり、舞台から活躍の場を広げる俳優もいて感慨深いですが、挑戦したいことはまだいっぱいあります。日本生まれのオリジナル作品を手掛けたいし、次世代へつなぐ場として学校を作り未来のミュージカル俳優を育てたい。そうしてミュージカルに恩返しをしていきたいです」
圧倒的に前向きな言葉に、この先もエンターテイナーとして新しい道を切り開く“確信”がよぎる。そんな山崎さんにとって、美しい人とは、どんな人なのだろう?
「男女問わず佇いや立ち姿が素敵だと、内面からの自信やプライドを感じ、誇り高く生きている人だと惹かれます。僕自身の鍛錬の場はやはりミュージカル。食を含め規則正しい生活になり、一公演でTシャツ3枚分の汗が。驚く程体調が整います。そして、歌うことは呼吸をすること。自然と背筋が伸びて胸も開きます。歌は心と体に効くので、皆さんもぜひ」
“新しいことにチャレンジすることで、ミュージカル界に恩返しをしたい”
やまざき・いくさぶろう/1986年東京都生まれ。2007年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢。以降、ミュージカル俳優として活動。’15年、TBS系ドラマ『下町ロケット』で、一躍注目を浴びる。以降、ミュージカルに留まらず、ドラマ、映画など幅広く活躍。NTV系『おしゃれクリップ』ではMC、ニッポン放送『山崎育三郎のI AM 1936』ではラジオパーソナリティを務める。
山崎育三郎 公式サイト Instagram[出演情報]
コンサート「billboard classics 山崎育三郎 Premium Symphonic Concert Tour 2023-PRINCIPE-」7〜9月公演
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『美的GRAND』2023夏号掲載
撮影/宗像恭子(SIGNO) スタイリスト/金光英行(CEKAI)ヘア&メイク/松原美穂(Nestation) 構成/天野志穂
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。