フロタイル土居さん「53歳、今が人生でいちばん最高です」|スペシャルインタビュー
昨年『美的』に登場して大反響!そのツヤツヤのお肌、一糸乱れぬヘアスタイル、抜け感のあるファッション…彼女のキレイの秘密、もっと知りたい!の声にお応えして、リターンズ♪ フロタイル土居さんにスペシャルインタビュー!
改めまして、フロタイル土居さんって何者ですか?
53歳にして、人生史上最高を更新中!
話題の美魔女として昨年本誌に初登場、大反響を呼んだ元プロレスラー・フロタイル土居こと、山久雛子さん(カップケーキカフェのオーナー・53歳)。「まさか2回目のオファーをいただけるなんて」と謙遜しつつも、美容雑誌への出演は自信になったといいます。
「1回目は勢いやノリかもしれないけれど、2回目となると本物。『美を認めてもらえたのかな?』とうれしく思います。ビューティモデルや女優さんとの並びで雑誌に載るんだから、ビシッとしなきゃ。一層美を意識するようになりました」
プロレスラー時代は、ビューティとは程遠い毎日だったそう。
「戦う立場の人間だったので、見た目に構っているヒマがあるんだったら、試合やトレーニングに集中したいという思いが強かったんです。お風呂に入っても、洗うのはデリケートゾーンだけ。全体的に洗うのは上半期と下半期に1回ずつ。髪も、顔も、体も、粉石けんひとつで洗っていました」
ハードな試合で大汗をかきながらのレオタード生活。ムレてかゆみに悩まされることもあったそう。
「かゆみに耐えられずかきむしちゃって。その後ハッカを塗ると、宇宙まで飛び上がっちゃうんじゃないかという程刺激的でしたね。でも、お風呂に長く入る時間がもったいない。ウォッシュレットの流れで全部洗っちゃいたいなと、おなかの方まで洗ったこともあります。さすがにバストより上は水を散らかしてしまうのでね、難しいんですけど」
でも、そんな時代があったからこそ今がある。強くなるため、絶対に負けないために自分を奮い立たせてきたフロタイル時代を後悔はしていない、と振り返ります。
「正直なところ、若い頃はいろいろなものに飛びついていました。何が自分らしいのかがわかったのなんて、本当に最近のこと。でも、コロコロ変わっていいんです。20代、30代なんていちばん変わってステップアップしていく時期。仕事においても、恋愛においても、敏感にアンテナを張って情報をアップデートすべきなんです。ある程度の年齢になると『もう若い時代は終わった、流行りのものはひと通り体験した』なんて言いがちですが、私はカチューシャに『マスプロ』のアンテナを特注で接続して電波を直接頭に流していましたよ。美顔器だって、原点はそこだと思います。美と電気は隣り合わせ。鼻の穴だって、コンセントと一緒でふたつあるでしょう?」
アンテナのおかげで優しい夫・優人さんとも出会えたそう。
「若い頃は“動く性”という感じで恋愛も暴れ倒していました。なんとか今捕まえて、思い出を残したいという、戦いみたいな感じで。でも、アンテナを張っていると『こいつはちょっと厳しいやつだな』とか敏感に見極められるようになってくるんです。優人さんは、私の要望に全部応えてくれる優しい人。SNSgramに載せるようなカッコつけたデートはしない代わりに、一緒にいると心から笑って過ごせます。『美的』に載ったことも喜んでくれて、『ちょっと変わったんじゃない?日に日に顔が小っちゃくなってきてるんじゃない?』なんて言ってくれます。小さくなるどころか、現役のときの体重を先月上回って、今が人生でいちばんマックス。3ケタになってからは量ってません」
人生は100点を目指す必要はなくて、むしろ欠点があるのが現実だし、かわいげがある、とも。
「例えば私のカフェもカップケーキだからってかわいくておいしくて、店員さんもキレイで…と完璧で攻めると息苦しいと思うんです。どこか抜け感を作らなきゃ。だからBGMは、かに道楽で流れているような琴のJ-POP。もしくは、スーパーで流れているよくわからないシンセサイザーの音とかを流しています」
雰囲気が合わないからこそ、それを上回る何かをつかもうと頑張れる。
「若い頃は迷うかもしれないけれど、ふと『コレだな』と、自分に納得できる瞬間が来ます。自分のスタンダードが見つかると、ラクになりますよ。それまで、精一杯アンテナを張って毎日を過ごしてください」
撮影/藤原江理奈
元女子プロレスラー。「デリシャス!」と叫びながら相手の頭にかみつく荒々しいプレイで“史上最凶の悪役スター”として一時代を築く。顔に入れた風呂タイル柄のタトゥーが名前の由来。引退した現在は夫と一緒にカップケーキの店をオープン。
\昨年『美的』に初登場。驚きの大反響!/
西国分寺のお店『カップ・ラビット』で収録した動画は、美的公式Instagramの閲覧数年間1位に。読者が選ぶ「2021年のいちばん好きな記事」でも堂々のランクイン。
『美的』2021年8月号
『美的』を熟読しています
人生、無敗神話なんて有り得ない。続けてれば負ける日も必ずあります。それでいいんです
「現役時代は自分を奮い立たせるために強く見えるビジュアルを追求していましたが、それがなくなった今は、心地よさで服を選んでいます」。首を絞めるのがイヤで選んだ襟ぐりの広いトップスは、“デコルテが色っぽい”と好評で、今では山久さんらしさを表すトレードマークに。
『美的』2022年8月号掲載
モデル/秋山竜次(ロバート) 撮影/当瀬真衣 ヘア&メイク/伊藤有香 スタイリスト/古沢 愛 構成/もりたじゅんこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。