女医に訊く#35|歯茎がコンプレックス…笑うと目立つ歯茎や下がった口角(=ガミースマイル)は治療できる?
笑ったときに見える歯茎の長さが気になったことはありませんか? 笑ったときに上顎の歯茎部分が多く見える口元を「ガミースマイル」といいます。「ガミースマイル」は個性のひとつ。しかし、口元が気になって心から笑えなかったり、つい手で多い隠してしまったりする方は、治療により改善することもできます。今回は、「ガミースマイル」の治療法と口角をキュッと上げる方法についてお話をうかがいます。
歯肉整形で見えすぎる歯茎をカット!
ガミースマイルとは、笑ったり口を大きく開けたときに歯茎が見えすぎてしまう状態のこと。その原因はさまざまで、治す方法や改善する方法もさまざまです。
「単純に歯茎が歯に被り過ぎて、歯茎が目立ってしまうような場合には、歯肉整形が適用されます。これは5分程度で済む処置で、麻酔をしたうえ、電気メスを使って歯肉を焼いて切除します」(内藤先生)
電気メスと聞くと怖いと感じるかもしれませんが、電気メスを使用するとカットと同時に止血ができるため、術後も出血はほとんどなく、すぐに帰れて食事も可能とのこと。縫合する必要もないため、通院も1回で済むそうです。
「カットしたところは赤みが出るうえ、一週間くらいは歯ブラシのときに出血しやすくなりますが、きちんとケアしていただければ、4週間くらいで完全に完治します。見た目が一日でガラッと変わるので、満足度としては高いですよ」(内藤先生)
セラミック矯正やボツリヌス療法を併用して理想の口元に
ガミースマイルの治療には、歯肉整形とセラミック矯正を併用して治療するケースもあります。
「例えば、日本人の平均的な歯の大きさは10〜11mmといわれますが、もともとその長さの歯が見えていて、だけれどもガミースマイルという方もいらしゃるんですね。その場合、歯肉整形だけを行うと、ウサギみたいな大きな歯になってしまい、今度は歯の大きさで悩んでしまうんです。このようなケースでは、歯肉整形でガミースマイルを治しながら、セラミックで歯の大きさと歯並びを変えることもあります」(内藤先生)
ほかにも、骨ごと前に出てしまっている場合には、骨を削る外科手術と歯肉整形、セラミック矯正などの補綴治療を併用することも。一方、歯や骨に問題がなく、唇が原因で歯茎が目立ってしまう場合は、ボツリヌス療法により歯茎の露出を軽減します。
「上唇挙筋という上唇を引き上げる筋肉の緊張が強ければ強いほど、笑ったときに上唇が上がり過ぎてガミースマイルになってしまいます。この場合、上唇挙筋に無害化したボツリヌストキシンを注入し、その筋肉の動きを弱めることで、上唇の挙上を抑えます」(内藤先生)
仕上げに口角をキュッと上げて、スマイル美人をめざしましょう
スマホを見ているときやテレビをボーッと眺めているときなど、口角が下がってはいませんか? 口角が下がってくると、機嫌が悪そうに見えたり、実年齢よりも上に見られたりする原因にもなります。
「口角が下がり気味の人は、口の周りの口輪筋を指3本で軽く引き上げるようなマッサージがおすすめ。前歯で割り箸の中央を軽く噛み、鏡で水平になっているのを確認しながら、割り箸よりも高い位置に口角がくるように上げて30秒キープするトレーニングも有効です」と内藤先生。
ほかにも、口角を下げる筋肉に無毒化したボツリヌストキシンを注入することで上げる治療法もあるそうですが、普段から口角を意識することも大切とのこと。キュッと上がった口角をキープして、スマイル美人をめざしましょう。
教えてくれたのは・・・
文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。