美的GRAND
ボディケア
2023.7.13

フレグランスとは“旅”である。天才調香師によるディオール初の香り「ディオリビエラ」|美的GRAND

美容エディター・松本千登世さんが厳選。『このコスメが、すごい!~フレグランス編~』

空、海、風、光……、幸せの情景をリフレインする

Brand/ ディオール
Item/ メゾン クリスチャン ディオール ディオリビエラ

花々のセンシュアルでグルマンな香りとイチジクの葉の香りが奏でるなめらかなハーモニー。グリーンやフローラル、フルーティな香りが温もりをもたらし、ナチュラルながら優雅なフレグランス。250ml ¥48,400

フレグランスとは「旅」である

30歳のとき、初めて「ひとり旅」をしました。行き先に選んだのも初めての土地、パリ。思い描いていた大人像と自分があまりにかけ離れていたために、言いようのない焦りと不安を感じていて、その気持ちに背中を押され、臆病者の私らしからぬ「挑戦」を決意したのでした。非日常に身を置いたとき、思いどおりに行かないことに対する心の浮き沈みがあまりにカラフルで、そんな自分に驚いたり落ち込んだり。その中で最も大きな発見は、嗅覚が鋭敏に反応したことでした。ほのかなピンク色に染まった朝焼け、人々が行き交う地下鉄のホーム、雨上がりの石畳、カフェのクロックムッシュ……。目で見て耳で聞いて肌で感じた記憶がすべて、纏っていた香りと交錯しながら刻まれていることに気づかされたのです。ひとり旅のほろ苦さもすがすがしさも、香りと共に。フレグランスは記憶のリフレイン。だから、フレグランスは旅。以来、そう確信しています。

ディオールから誕生したばかりの「ディオリビエラ」。このフレグランス、実は、ディオール パフューム クリエイション ディレクターに就任した天才調香師フランシス・クルジャンがクリエイトしたディオール初の香り。「(かつてムッシュ ディオールが別荘として住んでいた)ラ コル ノワール城の辺り一帯に広がるバラ農園にきらきらと降り注ぐ初夏の日差し、咲き乱れるローズ ドゥ メ、そして大きなイチジクの木に生い茂る葉を吹き抜ける暖かな風……、記憶に焼きついたこの魔法のような瞬間を香水にしたい」とのフランシスの言葉どおり、空も海も、花も木も、風も光も、すべての幸せの情景がくるくると巡る香りなのです。

発表会で初めてこの香りを体験したとき、そこにいた誰もが「なんていい香りなの!」と口々に。それはきっと、南仏プロヴァンスの鮮やかな美しさと圧倒的な力強さのコントラストが目に浮かんだから。自分も自然の一部になれたような開放感に包まれたから……。

Chitose Matsumoto
エディター・ライター。美容や人物インタビューを中心に活動。近著『顔は言葉でできている!』(講談社刊)ほか、著書多数。

『美的GRAND』2023夏号掲載 
撮影/シバサキフミト(DONNA) スタイリング/高橋尚美 構成/松本千登世、三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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