西の国から美的通信#4 〜博多の和(2)〜 作り手の愛情がこもった和風小物たち
前回に引き続き、今回も“博多の和”のお話です。
博多の総鎮守・櫛田神社の近くにある和風雑貨のお店「木ノ花(このはな)」には、木綿の反物や帯といった着物まわりをはじめ、福岡在住の作家が作ったガラス玉のかんざしや手作りの足袋、可愛らしい帯び留めなど、作り手の愛情がこもったキュートな和風雑貨が並んでいます。特に手作りの商品はふたつとして同じものがないので、早いもの勝ちの人気の品。気さくな店主・福田紀美代さんの人柄もあって、いつ行っても若い人からお年寄りまでのお客さんで賑わっています。
いつも素敵な木綿の着物姿で私たちを迎えてくれる福田さんは、今や地方誌はもちろん、全国誌でも活躍している人。着物を日常着としているだけに、何気ない雑談の中からいろんなアドバイスをいただけます。昨年、実践してみて友人らに大好評だったのが、柄入りの手ぬぐいを半襟に代用すること。ちょうどその時は夏場でしたので浴衣を着る際に、手ぬぐいを半襟に合わせてみたのですが、これがなかなか! いつもの浴衣が1ランクも2ランクもアップしました(あー写真がないのが残念!)。そのうえ、襟元に手ぬぐいがあることで体感温度が変わってくるし、何といっても手ぬぐいはリーズナブル(その時、使用したものは確か¥1050)なので、いろんなバリエーションで気軽に楽しめたわけです。この一件以来、小物ひとつで表情を変えてしまう和服に、さらなる興味を抱いたことはいうまでもありません。
最近、博多の街では和服を着たキレイな女性が増えました。しかも、成人式や結婚式のようにいかにも着せられている感じではなく、自分流にかつ個性的に、とても素敵に着こなしています。昨年、開催された「博多きものパスポート」というイベントの影響も大きいと思いますが、着物を着てお茶会や香席を楽しみ、由緒あるお寺で精進料理に舌鼓。残念ながら私は参加できませんでしたが、たいそう盛り上がったと聞いています。そんな女性を横目に男性陣も負けじと「博多・男のきものクラブ」なるものを結成し、着物を着て粋にそば懐石を楽しんだとか。まさに、博多は宣言どおりの「きものの似合う街」になったように思います。そんな街に住んでいるからこそ、大事にしたい和を愛でる気持ち。「木ノ花」の福田さんをはじめとした和の達人に教えを乞いつつ、日々精進していきたいものです。
<取材協力>
木ノ花
福岡県福岡市博多区上川端町12-31
小河ビル1階
TEL 092-262-4017
http://web.mac.com/kono.hana
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。