健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2013.9.26

大高博幸の美的.com通信(177) マリリン・モンロー & ロバート・レッドフォードに おめもじ! 試写室便り Vol.50

マリリン
(c)2012 Diamond Girl Production LLC – All Rights Reserved

“自分が『マリリン・モンロー』だって感覚を持つこと。”
ハリウッドが作り上げた世紀の女優が、自分自身についた究極の“嘘”。
没後50年、初公開された自筆の文書と10人の女優達により、真実が今、明らかになる――。
マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』 (アメリカ・フランス合作映画、108分)
10.5 ロードショー。www.marilyn-movie.jp

【解説】 わずか36歳で世を去り、永遠のアイコンとなったマリリン・モンロー。彼女の存在は今もなお多くの人々に影響を及ぼしている。しかし、その死の真相や彼女自身のパーソナリティは謎に包まれたままだ。本作は没後50年で初公開された私的な文書を基に、彼女の生い立ちから最期までを丁寧にたどってゆく。また、結婚・離婚会見やインタビュー等の秘蔵映像も交え、彼女の隠された内面に光を当て、魂をよみがえらせるという試みでもある。最期まで公には見せなかった情熱、野心、自分探し、権力への恐れ…。そこには当代きっての大女優というイメージとは程遠い、生身の女性としてのマリリン・モンローが映し出される。 (宣伝用資料より。一部省略)

マリリンの出演作や記録映像は繰り返し何度も観てきたし、彼女に関する出版物も数多く読んできた僕ですが、このドキュメンタリー映画には 初めて目にする映像や写真が幾つも含まれていました。そして新たに発見された直筆の手紙・日記・メモに残されていた彼女の“心の声”を、10人の現役女優達が代弁するという趣向も興味深いモノでした。マリリンに関する映像・証言・伝説の類は余りにも多く、この1本で その全てが観られるというワケには到底いかないのですが、マリリンの以前からのファンにとっても、彼女を最近になって知ったという方々にも、コレは決して見逃せない一篇となっています。
今回改めて僕が強く感じたのは、彼女が徹底した努力家だったという一面。そして それが全て『マリリン・モンロー』という虚像をふくらませ、維持していくための唯一の手段だったのかも、という点でした。これは とても複雑な要素を含んでいる話なので、整理して考えるコトは非常に難しいのですが…。
インタビューの場etcで報道陣に囲まれている映像を凝視していると、マリリンの“ベストな表情を作る技”に気づくコトもできます。一例を挙げると、①まず少し上方にアゴと目線を移して まつ毛の先端を押し上げ、②歯を見せて笑い、③頬の筋肉を持ち上げながら口角を斜め上方へ広げる…。彼女はコレを2秒弱程の間に、ステップを踏んで行っているコトが分かります。その瞬間、カメラのフラッシュが一斉に閃光を放ち、彼女は『マリリン・モンロー!』として世界中の新聞・雑誌の一面を飾ってきたのです。
もうひとつ、今回初めて はっきりと気づいたのは、マリリンの3番めの結婚相手で“アメリカの知性”とも呼ばれていたアーサー・ミラー(ピューリッツア賞に輝いた劇作家)の、かなり意外な“不誠実さのようなモノ”でした…。
僕達の“マリリン・モンロー探求の旅”は、どうやら永遠に続いていくようです。

 

ランナウェイ
© 2012 TCYK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

アカデミー賞監督ロバート・レッドフォードが暴く社会派サスペンス!
ランナウェイ 逃亡者』 (アメリカ映画、122分)
10.5 ロードショー。www.runnaway.jp

【STORY】 1969年、ベトナム戦争反対を訴え 連続爆破事件をおこした過激派グループ“ウェザーマン”。全米を震撼させ、FBIの最重要指名手配リストに載った彼らは その後、忽然と姿を消した――。 30年後、元メンバーの1人(スーザン・サランドン)が突如逮捕される。新聞記者のベン(シャイア・ラブーフ)は、再び注目された その事件を追ううちに ある人物にたどり着く。それは、愛娘を男手1人で育てながら穏やかに生活するアメリカの模範的な市民、弁護士のジム(ロバート・レッドフォード)だった。危険を察知し再び逃亡するジム。ベンとFBI双方からの執拗な追跡。見えてくる事件の輪郭。30年間の逃亡の裏に隠された驚愕の真実が今、暴かれる!! (宣伝用資料より)

ロバート・レッドフォードが製作・監督・主演を務める作品で、実在した過激派グループの30年後を描いた物語。ストーリーの構成に さらに工夫がなされていれば(たとえば、レッドフォードの登場をサランドンの逮捕の場面よりも後に設定するとかすれば)、観客の画面への のめり込み具合は一段と強くなったのでは? と思えるようなフシがありました。しかし、非常ベルをうまく使ってレッドフォードが逃走に成功するホテルでの場面や、ミミ役のジュリー・クリスティを逃がすために 森の中でレッドフォードが採った計算と行動等に、映画ならではの面白さがあったと思います。
主演のレッドフォードは、思い切って言うと、二枚目スターとして大活躍した頃の魅力的なルックスと機敏な体の動きを ほとんど失ってしまっています。48歳の頃の主演作『ナチュラル』(’84)あたりまでは生き生きとした爽やかな魅力を保っていたというのに、「なぜ身近に専属のスキンケアスペシャリスト等を置かなかったのか」と、僕は とても残念に感じてしまいました。
それは そうとして、第二主役:シャイア・ラブーフの一直線な若さ、ブリッド・マーリングの充実感、クリス・クーパーとスタンリー・トゥッチの脇役としてのうまさ、そしてジュリー・クリスティ(’41年生まれ)の若々しさと美しさには、敬服の念を抱きました。
P.S. 原題は『THE COMPANY YOU KEEP』。これを日本語に移し替えるのは不可能だったと想像しますが、『ランナウェイ 逃亡者』という日本題名は、興行的に不利かもという気がしています。

 

ビューティ エキスパート
大高 博幸1948年生まれ、美容業界歴46年。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸の美的.com通信 https://www.biteki.com/article_category/ohtaka/

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事