香りの効果を得られない人がいるってホント?真相を植物療法士の星野啓太さんに直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は香りの効果について。香りの効果が得られない人がいるってホント? 精油が心身に与える影響について日々、研究を重ねている植物療法士の星野啓太さんにお答えいただきます。
Q:香りの効果が得られない人がいるってホント?
ラベンダーの香りはリラックスできる、グレープフルーツの香りはやる気が出る、など、香りにはそれぞれ人の気持ちに作用する効能があるとされています。しかし、香りを嗅いでもそういった効果を感じないという人もいます。「香りの効果が得られない人」というタイプがあるのでしょうか? さっそく、この疑問を星野さんに聞いてみました!
A:ホントです
「香りの効果を得られないという方はいます。要因としては鼻腔内にある香りセンサーが欠けてしまっている場合、あるいは、その時の心理的なものが影響しているということも考えられます。また、そもそも香りによる影響は、受け取る人それぞれで差があるため、あまり感じないという人もいるでしょう。明確な原因は分かっていませんが、現在考えられる原因はこの3つです」(星野啓太さん・以下「」内同)
香りが効かない原因は…?
「では香りが効かない原因として考えられるものを具体的に説明していきましょう。まず、香りセンサーが欠けてしまっている場合から。
①香りセンサーが欠けている場合
香りセンサーとは鼻腔の嗅上皮上に約400個ほどある嗅細胞の嗅覚受容体のことを指します。嗅細胞は肌のターンオーバーと同じように随時生まれ変わっています。しかし、一説には極端なダイエットで生まれ変わりのための材料がなくなってしまい、香りセンサーが欠けてしまうことがあると言われています。また、もともと香りを受け取る力、受け取れる香りの種類が人によって違うことも考えられます。現在のところ、嗅覚障害の原因や治療法は明確に判明していませんが、この香りセンサーが欠けることも原因のひとつである可能性があります。
②心理的な影響も関係する
香りには薬理的効果と心理的効果があります。薬理的効果は体に常に効くものと定義すれば、心理的効果は効いたり効かなかったり、日和見的です。また、人によっては過去の記憶や現在の感情などに関連して効果が出る、出ないが決まる可能性があります。香りの好き嫌いや、イメージ、思い込みによる作用も関わっていると言えます。
③そもそも受け取る人によって差がある
香りの薬理的効果として、ホルモンなどの物質が出たとしても、それが実際に身体に及ぼす程度や影響の度合いは人によって異なります。また、最近分かってきたことですが、その違いは先天的な場合だけでなく、後天的にも起こるようです。
香りの効果をあまり感じられないという人は、こういった原因があるかもしれません。②の心理的なものが原因であれば、気持ちや環境次第で変わることがあると言えるでしょう」
香り効果の実感を高めるには?
「まずは、上記の②を疑ってみましょう。心理的なものが原因であれば、気持ちや環境次第でも変わることがあると言えるでしょう。
気温や気圧などに適応するため、昼夜それぞれの時間に即した変化を行うために、自律神経やホルモンバランスは常に変化しています。そのため、香りを嗅ぐタイミングや環境によって、効果が増減する可能性があります。
香りの効果を発揮させるためには、嗅ぐ時間や場所も気にしてみると良いでしょう。例えば、ゆっくり眠りたい夜には副交感神経に働きかける香りを選び、照明を落とした静かな寝室で香らせるなど、効果を実感しやすい環境を整えてみてください」
文/土屋美緒
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「THE PUBLIC ORGANIC」、「ARGELAN」を企画開発。精油が心身に与える影響を研究、植物の持つ可能性を追求する。AMPP認定マスターフィトテラピスト。
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