池田エライザさん「もう一度やり直したいという気持ちを後押ししてくれるような作品」|Netflixシリーズ『九条の大罪』インタビュー
柳楽優弥さんと松村北斗さん(SixTONES)が共演し、ついに実写化が実現したNetflixシリーズ『九条の大罪』が、4月2日(木)から世界独占配信!多くのグレーな人物が登場する今作で、受刑者や出所者を見守り、社会復帰を支援するソーシャルワーカーの薬師前仁美を演じたのは、池田エライザさん。社会風刺を描く今作を撮影するにあたって、どのような気持ちで挑んだのか。撮影の裏エピソードや、ビジュアル面でのこだわりもたっぷりお伺いしました!
〝薬師前仁美〟というキャラクターを拠り所にして、作品を楽しんでほしい

−今回『九条の大罪』のオファーが来て、受刑者や出所者を見守り、社会復帰を支援するソーシャルワーカーの薬師前仁美を演じるということが決まったときの心境を教えてください。
「薬師前がどのような人物なのかは、原作でもしっかり描かれているわけではなかったので、土井監督にどういう生い立ちで、どういう人間関係を構築してきたのかを教えてほしいとまずはお伝えしました。そうしたら、紙が埋め尽くされるくらい、たくさんの設定を作ってくださりました。どこの出身で、なぜソーシャルワーカーを志したのか。そのような細かい設定を教えていただき、作品と役に理解を深めて演じることができました。改めて土井監督たちがとても素敵なチームなんだなと思いました」
−池田さんが演じられる薬師前仁美に対して、どのような印象を抱かれましたか?この役の惹かれる部分がありましたら教えてください。
「薬師前は突拍子もないところがあるので、演じていて面白いなと思いました。まともの基準は人それぞれではあると思いますが、この作品の中では比較的まともなことを言っている人物で、その突拍子もなさとのバランスみたいなものが面白かったです。 薬師前みたいに大きい声であれやこれやということが普段ないので、〝薬師前、やっちゃえ!〟という気持ちで、演じていてすごく毎日が楽しかったです 」
−薬師前のキャラクターで、自分と近いなと共感できた部分は?
「例えば、身の危険を感じたり、社会の仕組みに疑問を感じたときに、それを自分で変えていきたいと思う行動力がある部分はすごく共感ができました。自分で行動できる逞しさみたいなものをもちつつ、それを声高に言うのではなく、〝私はこうだっただけ!〟と飄々としている感じがすごくわかるな、と思います」
−柳楽優弥さん演じる悪徳弁護士・九条間人や、松村北斗さん演じるエリート弁護士・烏丸真司と対峙してみて、おふたりにどんな印象を抱かれましたか?
「 すごくオーラがあるときと、全くオーラがないときがあるおふたり だなと思います。九条先生と烏丸先生は、私がいないシーンだと、ものすごく怖い顔をしているんです。ただ、薬師前がいるシーンって、基本的に薬師前がワーっとたくさん喋って、場がほんわかしている和やかなシーンが多い。現場自体も、私がいるシーンはすごく和やかでした。ただ、おふたりは私とのシーンの前に、怖いシーンがあったのだろうな、と感じるオーラがあるときもありました。今、このふたりに首を突っ込んではいけないな、という動物的に、危機感を感じるオーラを纏っているときがあるんです。そういう日は、現場の雰囲気もガラッと変わりますし、たまにしかそういう顔を出さないふたりではあったので、その二面性にギャップを感じていました。普段のおふたりは天使のようにほんわりしているので、総じて和やかな現場であったと思います」
−主演のふたりと事前にこういう雰囲気でいきたいとか話したことはありますか?
「ほとんど話し合っていないです。くだらない話しかしていないかも(笑)。あえて話し合わずに、その瞬間の化学反応を楽しんで演じていました」
−撮影現場や役作りで大変だったことはありますか?
「特にないのですが…柳楽さんが現場でスタッフ皆さん含め、四股を踏ませていまして、それからバレないように逃げ隠れることくらいですかね(笑)。私は本当にハッピー担当で、おいしくごはんをいただく撮影が多かったので、比較的ご褒美みたいなシーンが多かったです。たまに人の痛みに寄り添ったり、意見を主張しなきゃいけないシーンもありましたが、そういうシーンはそういうシーンで人と心を通わせられるので、楽しかったです。 打ち上げで皆さんの撮影シーンをお伺いしたときに〝本当に同じ作品だったのかな?私だけ、朝ドラ撮っていたのかな?〟と疑ってしまったくらい私だけ平和でした 。皆さんも薬師前というキャラクターを拠り所にしていただき、作品をご覧いただけたらと思います」

−この作品は真夏の撮影だったと思いますが、撮影は大変ではありませんでしたか?
「私は皆さんと違って屋上でのシーンがほとんどなかったので(笑)、松村さんはアイドルもされているのに日焼け対策大丈夫なのかな、柳楽さんもスーツ暑そうだな、とか、皆さんの心配をずっとしていました」
−薬師前はおいしそうに食事をするシーンが印象的でしたが、特に印象に残っている美味しかった料理はありますか?
「チャーハンですかね。いわゆるわんぱくな味といいますか、王道のチャーハンで具なしのスープとそのチャーハンさえあれば幸せだなと感じるくらい、おいしかったです」
−原作者の真鍋先生とのエピソードはありますか?
「とってもおいしいお肉を差し入れしてくださいました! そしてこの作品を通じて改めて薬師前というキャラクターを気に入ってくださったとのことで、漫画で薬師前の登場回数が増えたと噂でお伺いし、うれしかったです 」
−役とのオンオフはどのように切り替えていましたか?
「薬師前という人物は、言葉の裏を読もうとして相手のことをよく見る子だと思っていて、多分今撮られていないなというシーンでも、話している人物をジッと見つめるようにしていました。例えば、九条先生と烏丸先生のおふたりが話しているシーンでも、多分私は今撮られていなくて、作品の画としては使われないだろうけれど、薬師前だったらじっと人を見つめて、このふたりの会話の裏を読むだろうなと。そのように現場で過ごしていたので、結構体力を使ってぐったりとしてしまい、撮影が終わったらごはんも食べに行かずに直帰していました。 自分が話している時間よりも、自分が話していない時間のお芝居のほうがすごく神経を使う子だったなと思います 。おうちに帰って、飼っている猫と話して、暮らしを静かに送るということでオンオフを切り替えていました」
−特に印象に残っている登場人物はいますか?
「 曽我部聡太と話しているときはずっと悔しかったです 。目と目が合わないですし、心も通じないですし。薬師前は業務というより真心で動く子なので、ずっとモヤモヤがあったなと思います。曽我部みたいな子は、自分で乗り越えないと本当の意味で自由にはなれないと思うんです。最終的に自分で選択しなきゃいけないとなったときに、ソーシャルワーカーがサポートするとはこれで本当に合っているのかと悩み、悔しさみたいなものも感じました、実際のソーシャルワーカーだとまた別の提案とかもあると思うんですけれど、薬師前としてもっと活躍したい、もっと、もっとって欲が出てしまって、でもそう上手くもいかなくて、演じていて面白かった部分でもあります」
物語の重さを表現できたらと思い、少しだけ減量も。譲れないビューティルールは「絶対に湯船に浸かること」

−最近、〝罪深いな〟と思ったエピソードはありますか?
「作品中、同時進行で連ドラも撮影していたのですが、ちょっと丸いほうがかわいいかなと思ってよく食べるようにしていたんです。でも、やはり他のお仕事にも影響が出てしまいますし、減量しなきゃと思い直しまして。1日頑張ったら、昨日頑張ったしいいかなって気が緩んで、シナモンロールを食べてしまう、みたいなことを繰り返していました。己に勝てない自分が罪深いなと日々感じています。 もはや、シナモンロールが罪深いのかもしれません(笑) 」
−役を演じる上で、ビジュアル面で意識した点はありますか?
「物語が怪しくなるにつれて、少し薬師前がやつれて疲れた表情をしているというのを描きたいと思い、後半は少し見た目をほっそりさせました」
−疲れていてもこれだけは絶対に守っているビューティルールはありますか?
「 絶対絶対毎日湯船に浸かります !すごく疲れてしまった日は、例え1時間ほど一度寝たとしても起き上がって湯船に浸かりますし、例え睡眠時間が2時間しか取れなさそうな日でも、湯船にだけは浸かります。最低でも20〜30分くらいは入って、ちゃんとクレンジングも乳化させて、ちゃんと毛穴から汚れをとって、しっかり保湿してから寝ます。入浴剤は、猫を飼っているので香りが移ったらいけないと思い、入れない派。たまに温泉原液のクラフト温泉だけ入れます」
−普段絶対にもち歩いている美容アイテムはありますか?
「普段カバンをもち歩かないのですが、カバンをもっている日はちょっと色づくような保湿リップだけ入れて出かけます。外でお化粧直しをしたいとあまり思わなくて、家を出るときに鏡を見て〝今日もお化粧できた!ルン♪〟って出発したら、もう自分のビジュアルを気にしません(笑)」
−肌のケアで気をつけていることはありますか?
「皮膚が薄くて血管が透けやすかったり、トラブルが多いので、その日のスケジュールとコスメのテクスチャーや相性を考えてアイテムを選ぶようにしています。スキンケアでいうと毎日シートマスクをするタイプではないので、その代わり化粧水を入れ込むときはドタバタせずに深呼吸しながら丁寧にしようと心がけています」
作品を怖がらず、重いテーマだと思わず、気軽な気持ちで観ていただけたらうれしい

−『九条の大罪』の出来上がった作品を実際にご覧になって、いかがでしたか?
「私自身、痛みに対して共感しやすい性格ゆえ、昔からアウトローの作品に対して苦手意識をもっていたのですが、『九条の大罪』を観終えた感想は、最高でした!アウトローの作品って、あまり直視できないと言いますか、観ることも少し怖いイメージだったんです。でも、この作品は人を残酷な気持ちにすることが目的の作品ではないので、すごく観やすかったです。九条間人の人間の価値観そのものが作品になっているなと、観終えて改めて思いましたし、松村さん演じる烏丸先生も、少し読めない部分があったりして、終始ふたりに引き込まれていくなと感じました。 カテゴライズされない登場人物がたくさん出ているので、それぞれが複雑で一筋縄でいかない点も面白く描かれていますし、誰がどんな風に共感して、この作品を観てくださるのだろう、とすごく気になりました 」
−今回の『九条の大罪』はNeflixシリーズで世界独占配信ということで、日本はもちろん、海外の方も注目されている作品だと思います。世界配信ということで意識した点や、こんなところに注目していただきたいという部分はありますか?
「世界で〝20日間でパイ!〟という言葉を流行らせたいと制作チームは話していましたが(笑)、私としては『九条の大罪』の悪とも正義とも言えない、その人間性みたいなところがこの作品の個性だと思っています。そして、烏丸先生の感情っていうのが、時折恋心のようにも見えたり、師弟関係のようにも見えたり、はたまた依存のようにも見えたり、他人のようにも見える。おふたりのお芝居だからこそ成せる、滲み出る魅力や怪しさ、そして薬師前の緩急も含めて、カテゴライズされない型にハマらない面白さがじわじわと広がっていってくれたらいいなと思います」
−作品で印象に残ったシーンはどこですか?
「 観ていて印象に残っているのは雫ちゃん(笠置雫)の回 です。社会風刺を作品で取り入れることって、ものすごく勇気がいることで、ましてや現代にあるカルチャーに対してだとより難易度は高いものだと思います。その解像度がものすごく高かったことがすごいなと思うと同時に、何よりも残酷で、見応えといっていいのか難しいですが、この作品の価値を感じて現場の皆さんが今の世の中に対してすごく丁寧に向き合って出来上がった作品なんだなと改めて感じました。私が演じていて好きなシーンは、薬師前が調子に乗っているところが基本好きなので、〝私とごはん行きたいでしょ?〟って待っているところが好きです(笑)」
−『九条の大罪』を観るおすすめのタイミングは?
「 作品を怖がらずに、カジュアルに身構えずに観ていただけたらなと思います 。弁護士ものって難しそうだなと思われるかもしれませんが、柳楽さんと松村さんのおふたりのセリフが耳に心地よくてスッと入ってくるので、サクサクと次から次へ観てしまい一気観しちゃうのではないかと思います。配信されたらとりあえず観てください!」
−最後に、このドラマをご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
「あまり人に相談できないような、自分の内側にあるほんの些細な黒い感情といいますか。ずっと抜け出せずにいるぬるま湯から出られるといいますか。導いてくれる優しさまではないかもしれないですけれど、 道を指し示してくれる作品 だなと思います。自分がここからもう一度やり直したい、頑張りたいと思ったときに、その方法を少しだけ教えてくれるような尊さがある。重いテーマだなんて思わずに、身構えずにサクッと観て楽しんでいただけたらいいなと思います」
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池田エライザさんが出演する『九条の大罪』は、4月2日(木)から世界独占配信!柳楽優弥さん演じる悪徳弁護士・九条間人と、松村北斗さん演じるエリート弁護士・烏丸真司のバディが、白黒つかない社会の裏側をリアルに描くドラマ内で、弁護士とは異なる立場で法的なグレーゾーンに生きる人々を支援するソーシャルワーカーは物語にどんな影響を与えるのか。ぜひドラマでご覧ください。
INFORMATION
Netflixシリーズ『九条の大罪』 4月2日(木)世界独占配信、全10話

悪徳弁護士・九条間人とエリート弁護士・烏丸真司がタッグを組み、法では裁ききれないグレーな問題に切り込む社会派ドラマ。善悪では割り切れない現実をリアルに描く。
PROFILE
池田エライザ(いけだ・えらいざ)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。