【毛穴のトリセツ】目立つ原因は? そもそもの役割って?|毛穴研究40年以上の医師が解説
常に肌悩みの上位に上がる、毛穴の開き・詰まり問題。マスク生活で、元々悩んでいた人以外にも深刻に。何をしてもなかなか良くならない…その理由は「毛穴に合わないケア」のせい!?毛穴ケアの第一人者・亀山孝一郎先生がズバリ、教えます!
“肌質別”でたどり着けた!私に合う『毛穴のトリセツ』
これらすべてが、毛穴を目立たせる原因に!
マスクで肌が蒸れ、毛穴が開いたと感じている人も多いでしょう。でもそれだけではありません。皮膚科医の亀山孝一郎先生によれば、毛穴トラブルの原因は多種多様だそう!
長期間のマスク生活で
肌が蒸れる…
人間関係など、
ストレスの多い生活
つい夜更かしして
睡眠不足になってしまう
朝は洗顔料を使わず、
ぬるま湯すすぎか拭き取り化粧水
甘いものやパン、麺類
が大好き
【まず知っておきたいこと】 毛穴 は 悪者 ではありません。ただあなたを 守ろう としているだけ!
毛穴の働きを知れば愛いとおしいヤツに思えてくる
長引くマスク生活で徐々に存在感を増している“毛穴”。詰まったり、開いたり、赤みを帯びたり…。でも、その 毛穴が目立ってしまった原因が、自分を守るためだったとしたら? 美肌を損なう悪者だと思っていた毛穴が、急に愛おしく思えてきませんか?
日本における毛穴研究の第一人者である、皮膚科医の亀山孝一郎先生は、現代人の毛穴が目立ってしまう原因をこう解説します。
「現代人は、仕事や人間関係などによるさまざまなストレスを感じながら暮らしています。 ストレスは皮膚の血流を悪化させますが、その状態が続いて肌に栄養が行き届かなくなると、バリア機能が低下。すると、毛穴は皮膚を守ろうとして皮脂を出すのです。 さらに、 ストレス自体にも皮脂分泌を活性化させる働きがあります。 皮脂分泌が増えれば毛穴は拡大。分泌された皮脂は皮膚常在菌によって『脂肪酸』に分解され、毛穴に刺激を与えるので、毛穴はさらに大きくなり、赤みを帯びることも」
この1年以上、多くの人がストレスを発散できない状況に陥っています。そしてマスクの中は常に温かく、 肌の水分蒸発を防ぐために皮脂の分泌はますます盛んに。 さらに「ストレスだけでなく、 睡眠不足による体の負担や糖質過多な食事も、皮脂腺に刺激を与えて皮脂分泌が過剰になる ことがわかっています」と亀山先生。
つまり、 毛穴は私たちの肌や体を守ろうとして必死で頑張っていて、それがゆえに大きくなったり、詰まったりしてしまうのです。
まずはここを理解することが、毛穴ケアには何よりも大切です。
Kameyama’s Word
□ “守るために皮脂を出し、皮脂によって毛穴が開く”
外敵や乾燥から肌を守るために、毛穴は皮脂を分泌。毛穴が目立つのは乾燥のサインかも…。
□ “毛穴がない人はいません”
汗や皮脂などの分泌は、生きるために必要なこと。毛穴がないと人は生きていけません。
□ “毛穴の大敵は皮脂・ストレス・乾燥!”
ストレスによって肌のバリア機能が乱れ、皮脂腺が活発になり、毛穴が開いたり詰まったり。トラブル毛穴の多くは、このスパイラルに陥っています。
□ “毛穴を憎く思う程、毛穴は大きくなる!”
毛穴を気にしていじったり、ベタつくからと充分に潤いを与えないのは、むしろ逆効果。
□ “皮脂を放置するのはダメ!”
朝、面倒だからと洗顔料を使わないと、夜に分泌された皮脂が変質して毛穴を刺激します。
『毛穴道 もう一生悩まない。』(講談社)
『美的』2021年7月号掲載
撮影/渡邉宏基(静物) イラスト/浅生ハルミン、白いねこねこ 皮膚画像提供/青山ヒフ科クリニック 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
皮膚科専門医。1980年、北里大学医学部卒業。大学病院や米国の研究所で研鑽を積み、’99年に開業。昨年監修した書籍『毛穴道 もう一生悩まない。』(講談社)が話題!