顔にも常在菌がいるってホント? 専門家に真相を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
A:ホント
「皮膚にも菌が生息しています。常在菌というのは、名前の通り、常に存在する菌のこと。常在菌のバランスにより、ニキビができたり、乾燥したり、肌がしっとりと潤ったり…。腸活が話題ですが、顔の常在菌も腸内と一緒で、菌のバランス配分により肌のコンディションが左右されます。たとえば、ニキビの原因として有名なアクネ菌は、ニキビのない肌にも存在する常在菌のひとつです」(川上愛子さん・以下「」内同)
肌の常在菌の種類とは?
●表皮ブドウ球菌
肌の潤いやツヤをキープするために欠かせない菌。皮脂や汗を食べて分解し、保湿成分であるグリセリンを作り出し、肌をツヤツヤしてくれます。同時に、脂肪酸を分解して雑菌や病原菌から肌を守る、弱酸性の肌を保ってくれる効果も。また、この表皮ブドウ球菌が活発に動いているうちは、肌あれのモトとなる悪玉菌の黄色ブドウ球菌も活動ができないというメリットがあります。まさに美肌を保つためのキーマンと言える菌です。
●アクネ菌
ニキビの原因となることでも有名な菌。悪玉菌じゃないの?と思いがちですが、表皮ブドウ球菌と共に、皮脂を食べてグリセリンなどの天然成分を作り出す働きがあります。そうなのです、実は美肌に貢献する菌なのです!酸素が嫌いなので、主に毛穴に潜み、普段はおとなしく生息しています。ですが、皮脂が過剰に分泌されると、毛穴がつまり、増殖する特性が。そして繁殖して生まれるリパーゼという酵素が、皮脂を分解して炎症を引き起こしてニキビになります。
●黄色ブドウ球菌
弱酸性の環境が苦手で、肌がアルカリ性に傾くと元気になる菌。肌あれを始め、切り傷を増やしたり、膿やかゆみを引き起こす役割も。
「3つの割合は、表皮ブドウ球菌とアクネ菌がそれぞれ5割弱、悪玉菌が約1割。悪玉菌を撲滅して、善玉菌の表皮ブドウ菌が多ければ多いほど、美肌になるのでは?と思いがちですが、表皮ブドウ球菌がポテンシャルを発揮するためには、同じステージにアクネ菌も黄色ブドウ球菌がバランスよく共存してこそ。そのため、表皮ブドウ球菌たちが心地よく過ごせる肌環境作りを心がけることが大切です」
顔の常在菌を生かす美肌づくりのコツとは?
「善玉菌の表皮ブドウ球菌は弱酸性の肌環境を好みます。そこで大切なのが、洗い過ぎないこと。1日に何度もお風呂に入っ
また、洗い過ぎで皮脂が出ないと、表皮ブドウ球菌やアクネ菌のエサが無くなってしまうので要注意です。同じく、汗をかかない生活環境も、エサになりません。逆に、過剰分泌で気をつけたいのがストレス。ストレスは皮脂を過剰に分泌させる効果があるので、アクネ菌が繁殖するモトに。肌のことに考えると、皮膚を洗い過ぎず、体を動かして汗を出して心をリフレッシュさせることが理想ですね」
肌育成スペシャリスト
文/むらなかさちこ
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