コスメ好きなら処方のうまさに注目せよ!美容成分の効果を得るための“処方”とは?|美的GRAND
成分・処方・選び方・肌の扱い方・情報の見極め。美容にまつわる “今の正解”をスキンケア取材歴28年のエディター大塚真里が分析
【処方】水と油をどう混ぜたか? で感触が決まり成分をどう配合するか? で効果が決まる
処方がうまいコスメは効果も高い
化粧水、乳液、美容液、クリーム、ゲル…とさまざまな形状があれど、オイルフリーや2層タイプを除き、ほぼすべての化粧品は“水と油を乳化させたもの”です。混ざった状態を保つために乳化剤(界面活性剤)が使われていて、その種類や乳化の方法、水と油の比率によって、テクスチャーが変わります。また、美容成分もただ配合すれば効果が出るわけではなく、安定した効果を引き出すためには配合に工夫が必要です。コスメ好きなら処方のうまさに注目して選ぶことも、スキンケアの効果を享受するひとつの方法です。
美容成分の効果を得るには処方への工夫にも目を向けて
ピュアビタミンAやピュアビタミンCなど、活性が強い美容成分はその分すぐに壊れやすいので、配合に工夫が必要です。成分を安定配合するには、リポソームなどのカプセルに包み込んで配合するという手法もあります。
乳化剤が並んだ構造のリポソームカプセルに油溶性成分を包むと、みずみずしい美容液に配合し、時間をかけて肌に届けることが可能に。
美容成分を包み込んだリポソームを1兆個配合。
コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム 50ml¥12,100
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ロート製薬はピュアビタミンC、資生堂は純粋レチノール。活性の高い成分を安定配合する独自技術をもっているのが大手企業の強み。
高濃度のピュアビタミンCを安定配合。
ロート製薬 オバジC25セラム ネオ 12ml ¥11,000
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純粋レチノールを安定配合し、空気に触れない独自のチューブでフレッシュなまま保つ。
エリクシール レチノパワー リンクルクリーム L[医薬部外品]22g ¥8,690
ほとんどの化粧品は“水と油を乳化させたもの”
水溶性の美容成分を水系の基剤に入れ、油溶性の美容成分を油系の基剤に入れ、乳化剤で混ぜ合わせたものが多くの化粧品。乳化剤は界面活性剤の一種ですが、一部で問題視される肌のバリア機能に悪影響を与えるような種類のものは、化粧水や乳液には使われていません。
これが乳化剤
代表的な乳化の種類
【O/W 乳化】
親油性界面活性剤を使うとこっくりしたテクスチャーに
【W/O 乳化】
親水性界面活性剤を使うとみずみずしいテクスチャーに
水と油を混ぜる乳化剤
乳化剤(界面活性剤)とは、ひとつの分子の中に油となじみやすい親油基と、水になじみやすい親水基の両方をもつもの。水と油の境目(界面)に作用し、乳化させる力をもちます。
透明な化粧水も、多くのものにはオイルが入っている
一見透明で乳化していないように見えるのに、実はオイルインで乳化構造をもつ化粧水もあります。ラメラ乳化といい、油が層状に配合されているので光を乱反射せず、透明な液体に。
“高濃度”な方が肌への効果は高い?
例えば発酵エキスや培養エキスは、水分が多い液体のものが多く、体積が大きいので、美容成分90%以上という離れ業も可能。でも粉状の成分なら数%でも効果は十分だったりします。数字がすべてではありません。
『美的GRAND』2024秋号掲載
撮影/吉田健一 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
女性誌で美容ページの編集・執筆に携わるほか、化粧品広告のコピーライティングを多数手掛ける。長年のディープな取材経験を経て情報を整理し、事実を発信。