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スキンケアニュース
2024.11.2

カネボウ化粧品の医薬部外品有効成分、カルニチンであの頃の肌へ。トワニー「セルリズム」【加藤智一さん連載Vol.20】

いま美容業界で、注目の美容成分をピックアップ! 友だちとの美容トークでも「この成分、知ってる?」と思わず話したくなる話題の成分をご紹介します。 今回はカネボウ化粧品が受注生産で販売している、トワニー最高峰のエイジングケアクリーム「セルリズム」をフィーチャー。5種配合されている有効成分のなかでも、スター成分である「カルニチン」を取り上げます。

肌活力をグンと高めて、躍動のエネルギーを生みだす「カルニチン」

花王 研究開発部門 上席主任研究員(カネボウ化粧品担当研究員)

早瀬基さん

 

加藤智一(以下、加藤)今回ご紹介するのは、カネボウ化粧品が誇る成分と技術を詰め込んだトワニー最高峰のクリーム「セルリズム」です。こちらには5種もの有効成分が配合されていますが、そのなかでも特に“推し成分”として「カルニチン」を挙げていただきました。その理由をお聞かせください。

早瀬基さん(以下、早瀬)すべての有効成分がスター成分であるのですが、なかでも「カルニチン」は当社だけが医薬部外品有効成分として配合できることから提案しました。たとえば、ほかの有効成分のうち、ビタミンC誘導体やビタミンEニコチネートは優れた成分ではありますが、他社でスター成分として採用されています。だからこそ、有効成分のなかでもオリジナルな存在として挙げました。

加藤 では、「カルニチン」の肌効果を教えていただけますか?

早瀬
 「カルニチン」は“L-カルニチン”としてサプリメントでも注目されていますが、実は皮膚のなかにも存在する物質でして、肌のエネルギーを供給する役割があると考えられています。ただ、加齢にともない、皮膚中の「カルニチン」が著しく減少することで、肌へのエネルギー供給が減ることが判明しました。そこで、年齢による肌荒れや乾燥をケアするべく、「カルニチン」を採用しています。カネボウ化粧品ではスキンケア全体の開発コンセプトとして“育むスキンケア”を掲げているのですが、女性の肌を根本から元気にしていくという観点から、この「カルニチン」は肌自らが活力を養えるサポート役として非常に優れた成分だと重視しています。

加藤
 なるほど! カネボウ化粧品は天然型のセラミド研究や、バイオミメティクス(生物模倣技術)にも注力していますものね。生物、細胞の営みの理解や、その技術や仕組みを人肌へと応用することに努めている印象があります。カルニチンは滋養強壮にも効果があると言われていますし、肌のエネルギー全体を底上げしてくれるんですね。

加藤 加齢していく肌はエネルギー不足になるということですね。

早瀬
 そう考えています。「25歳がお肌の曲がり角」という表現がありますよね。その理由は20歳前後から24歳ごろにピークを迎えた肌の水分量や弾力が、20代後半になるにつれて減少していくからです。また、30代は結婚や出産、転職など、さまざまなライフイベントを迎えて、肌のエネルギー代謝は落ちていきます。そして、40歳前後になると透明感が失われ、くすみが増してしまうことに。シミ、しわ、たるみなどさまざまな肌トラブルを誘発することにもなるのです。そういった理由から、まずはエネルギー代謝をケアすることは、エイジングによる複数の肌悩みをケアするうえで、とても重要なのです。

加藤
 だからこそ「カルニチン」でエネルギー代謝、つまりATPの産生促進を促す、ということですね。

早瀬 はい。それに加え、ほかの4種の有効成分、美白効果のビタミンC誘導体、肌荒れ改善効果のビタミンEニコチネード、GABAを配合しました。さらに、グリチルリチンで炎症を抑えるなど、肌エネルギーを根本から引き出すような構成を考えました。また、有効成分のほかにも、保湿成分として酵母エキスや月桃葉エキス、ローヤルゼリーエキスなど、8種に及ぶ美容成分を配合しており、価格にみあった、いや、それ以上の効果を訴求しています。


加藤
 聞けば、そもそもこちらのクリームの価格は20万円前後の設定だったとか?

早瀬
 その通りです。カネボウ化粧品はコストを積み重ねるのではなく、20万円のクリームを使うのはどんな人だろうか、ということをイメージしながら構成成分を検討します。なので、想定コスト以上のものに仕上がることが多く。たとえば20万円を想定しつつも、結果的に13万円という設定になることもあり、かなり高機能なクリームに仕上がることもあります。

加藤
 それは朗報ですね! はじめからお得感があるようで(笑)。ただ、ここまでさまざまな成分を採用していると、テクスチャ―や安定性の面でかなりの工夫が必要だったのでは?

早瀬
 はい。肌に有益な成分を入れれば入れるほど、テクスチャ―が硬くなったりもろもろしたりと安定性に問題が生じます。特に「カルニチン」はクリームの状態を変えてしまうこともありまして。そのバランスを工夫するために、何度も試作を重ねる必要があります。加えて、カネボウ化粧品の高価格帯シリーズのご愛用者様に製品モニターになっていただき、その方々にご納得いただけるまでテクスチャーを洗練させていきます。

加藤
 確かに肌に寄り添うような、しっとり密着テクスチャーは独特ですよね。そして、香りにも特別感があります。

早瀬
 最高峰スキンケアを開発するうえでは香りもいままでにない上質さが必要となります。今回は日本人が嗅いだことのない、いままでに経験したことのない華やかな香りを求めて、マダガスカル島まで行きました。そして、豊富な種類の蘭のなかからアングレカム・コンパクツムという品種を選定しています。涼やかながら凛とした印象のある香りです。そういった新鮮な経験や驚きで五感に訴えることも、化粧品として肌エネルギーを活性するきっかけになると考えています。

スゴイ成分「カルニチン」を配合した傑作

トワニー セルリズム 2025 40g ¥132,000(税込)

毎年、限定発売されるトワニー最高峰のエイジングケアクリーム。本年度は2024年11月から店頭お渡し予定。

 

美容ジャーナリスト
加藤智一
25ans(ハースト婦人画報社)など、女性誌の美容担当を経て独立。女性誌・男性誌・新聞など、さまざまな媒体で執筆中。講演・PRアドバイスでも活躍。著書に「お洒落以前の身だしなみの常識」、「思わず触りたくなる美肌をつくる身だしなみメイク」(ともに講談社)などがある。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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