肌年齢から自由になるために大人が今知っておきたい5つのこと～美容成分～

成分・処方・選び方・肌の扱い方・情報の見極め。美容にまつわる “今の正解”をスキンケア取材歴28年のエディター大塚真里が分析

【美容成分】最近は成分の種類も効果も複雑化。大人は何を選んで、どう取り入れたらいい？

■教えてくれたのは....

エディター

大塚真里

女性誌で美容ページの編集・執筆に携わるほか、化粧品広告のコピーライティングを多数手掛ける。長年のディープな取材経験を経て情報を整理し、事実を発信。

正しい情報と知識は人を自由にしてくれる

今、美容の情報は完全に“やってくるもの”になりました。スマホでＳＮＳを開けば口コミやネット記事、著名人の発信が飛び込んできます。情報供給過多の状況ゆえに、キャッチーで見やすく、結論が整理してある発信も多いです。ありがたくもありますが、そういう情報を眺め続けていると、困ったことに、人は冷静な視点を失ってしまいがちです。

スキンケアは薬でなく化粧品なので、この１本でシミやシワが消える、10歳若返る、なんてあり得ない。でも、日々受けとっている情報から“もしかしてそうなるのかも”と期待してしまうと、現実との乖離で不安になったり、次に信じたい対象を闇雲に探し始めたり。

知識は人を自由にしてくれます。魅力的な化粧品たちの中身の成り立ちや効果、価格の理由、お手入れをすることの意味など、盛らない事実を知れば、過度な期待もなくなり、大人に必要な日々のスキンケアにフラットに向き合えるようになります。

昔、尊敬する皮膚科の先生が言っていました。「本当に伝えたいことは簡単な言葉でなんて書けない」と。少し難しい内容もありますが、ぜひこの記事でスキンケアの理解を深めていただけたらうれしいです。

盲信することなくいろいろ楽しんでみて

コロナ禍の自粛期間をきっかけに、美容情報を発信する人が増え、多くの人の美容知識が高まりました。ネットの限られた情報から“どんな美容成分が配合されているか”がコスメの新しい選択基準に。それは今も続いていて、ドラッグストアコスメなどでも“ビタミンＣ配合”というコピーがあれば売れるそうです。グルタチオンや幹細胞培養エキスなど、新たな名前もどんどん出てきますが、グラン世代なら押さえておきたいのは、肌の代謝を整えるビタミン系を１種。後は、化粧品に配合される美容成分を薬レベルに過信しないことを念頭に置きつつ、自由に楽しんでいいと思います。

ビタミン類の基本的な働きは似ている

ビタミンAはシワ改善、ビタミンB3のナイアシンアミドはシワ改善と美白、ビタミンCは毛穴…というイメージはありますが、実はどれも、抗酸化作用と肌の代謝をサポートする共通の働きがあります。どれか1種類取り入れると◎。

■ ビタミンA
美容成分のレチノールはビタミンAの一種。肌のエネルギー代謝を高める力が高い。
■ ビタミンB群
ナイアシンアミドはビタミンB3の別名。肌の代謝を高めることでシワやシミをケアする。
■ ビタミンC
肌の代謝をサポート。皮脂抑制や毛穴引き締め、コラーゲン産生を促す働きがある。
■ その他のビタミン
抗酸化作用や抗炎症作用をもつビタミンEを、A・B・Cと組み合わせると効果アップ。

保湿成分は“与える系”と“根本改善系”のふたつに大きく分かれる

保湿成分のヒアルロン酸やコラーゲンは、肌の中にも存在するもの。スキンケアで与えればすぐに潤いますが、根本改善したいなら肌の中で作らせるアプローチの美容成分を取り入れる手も。

例えばヒアルロン酸なら…
与える系　「ヒアルロン酸」　ヒアルロン酸そのものを与えて補水

分子の異なるヒアルロン酸を配合。
ディオールカプチュールトータルヒアルショット 15ml ￥12,980　
カプチュールトータルヒアルショットの詳細・購入はこちら

働きかける系　「アセチルグルコサミン」　肌の中でヒアルロン酸が作られるのを促す

肌の中でヒアルロン酸の材料になる「アセチルグルコサミン」の進化系を配合。
カネボウ化粧品トワニースキンオーラジェニック30ml ￥16,500
スキンオーラジェニックの詳細はこちら

例えばセラミドなら…
与える系　「セラミド」　セラミドそのものを与えてバリア機能を強化

セラミドとアズレンを組み合わせ、保湿抗炎症効果も。
ロート製薬ブルーミオディープブーストセラム 25g ￥3,850　
ディープブーストセラムの詳細はこちら

働きかける系　「ライスパワーNo.11」　基底膜から肌の代謝を高め、セラミド産生を促す

セラミド産生を促す有効成分を配合。
コーセー ONE BY KOSÉ セラムヴェールディープリペア［医薬部外品］ 60ml ￥5,500
セラムヴェールディープリペア［医薬部外品］の詳細はこちら

発酵や培養など“生きる力”を使った美容成分が今のトレンド

酵母や菌などの微生物や幹細胞を培地の中で育てると、栄養豊かな発酵代謝物や培養液ができます。それを精製した美容成分には高い可能性があり、今注目の存在に。

米などと酵母を合わせて発酵させ、酵母が生み出すビタミンやミネラル、アミノ酸たっぷりの発酵液を美容成分に。

黒米を発酵させたエキス配合。
シロク FAS ザブラックエッセンス 200ml ￥11,550　
ザブラックエッセンスの詳細・購入はこちら幹細胞は培養の過程でさまざまな成長因子を生み出します。精製後は高いエイジングケア効果をもつ美容成分に。

ヒト脂肪幹細胞の培養エキス。
FRACORA ヒト幹細胞培養エキス原液 LP 30ml ￥6,645