美的GRAND
スキンケアニュース
2024.8.27

夏は肌がフルパワーで働かされ続ける季節!ラジエーターケアで肌熱を取り除く方法とは?

肌はオーバーヒートさせると老化が加速する。だから老化の要因“肌熱”を取り除くべき。

大人の夏肌は「ラジエーター保湿」が正解です

スキンケア・サイエンスコミュニケーター博士(工学)

次田 哲也さん

“フルパワーで働かされ続ける夏の肌。バテてしまう前に冷たい差し入れケアでサポートしましょう”

\実はヒトは暑さに強い!/

出典/「温度生物学ハンドブック(恒温動物と変温動物」(中村和弘氏/温度を基軸とした生命現象の統合的理解)より

体温を一定に保つために頑張るのは、肌。ラジエーターとして夏はフルパワーで稼働

体内の熱を逃すために肌は必死に働き続けています
実は人間の体には、かなりの暑さ耐性があります。その理由は、皮膚が頑張って体温調節をしてくれているから。肌科学者の次田哲也さんに話を伺いました。

「体温が上がってオーバーヒートしそうになると、脳の自律神経が指令を出し、全身の肌から熱を放出して体を冷やします。左のグラフからも想像できるように、人間は哺乳類の中でも特に暑さに強いです。100℃を超える環境でも死なないメカニズムをもっているのです」

体内の熱を逃すために、熱をもった血液が体表の肌に集まってきます。同時に、その熱を効率良く体外へ放つため盛んに発汗して、“気化熱”によって体は冷やされていくのです。

「言い替えれば、夏場は暑さから体を守るために肌がフルパワーで働かされ続ける季節だといえます。過剰な熱をもった血液が肌に集まった結果、見た目が赤く触ると熱い、いわゆる『ほてり』を帯びた肌になります。また、水分が盛んに蒸散される肌環境はバリア機能の低下を招き、さまざまな肌トラブルにつながりやすくなります」

しかも、夏は睡眠の質や食欲なども低下しがち。働きづめの肌は休息するチャンスがなく、修復や再生が滞ってエイジングも加速してしまいます。

「日々全力で頑張っている肌を、ケアで助けてあげましょう。ほてっている肌を外側から冷やせば、その分早く“放熱”できて、肌が担う負荷を減らすことができるのです」

ちなみに、ケアによって熱を取り除く手段は、サイエンスな視点で分類すると3つになります。1.「風を利用する」(対流)、2.「水を利用する」(伝導)、3.「涼しい環境を利用する」(放射)。そこで、次のページから3つの手法を取り入れて、肌の熱を取り除きながら保湿&エイジングケアまでかなえる具体的なケア方法を紹介します。

「そのときに意識してほしいのが、日々熱をもち水分を失い続けている夏の肌は、慢性的に乾燥しがちだということ。肌を冷やしながら、しっかりと潤いも補うようにしましょう。この時期はベタベタするのが嫌だからと軽い感触のものですませてしまいがちですが、クリームやオイルが苦手ならせめて乳液を使って油分を肌に補うようにしてください。また、肌熱によるダメージを鎮静するために、抗炎症成分を配合したコスメを取り入れることもおすすめします」

そして、肌を冷やすケアを意識しながら過ごした1日の終わりには、矛盾しているようだけれども“湯船で全身を温める”ことも忘れずに。

「夏は、体温を調整する自律神経が乱れやすくなります。肌はほてって熱いけれど、手足はエアコンで冷えている、といったアンバランスも起きやすくなります。1日の終わりに湯船につかってリラックスすると、冷えが取れ、その後の快眠も誘われ、乱れた自律神経をリセットすることができます」

肌から効率的に放熱するための3大ラジエーターケア

水~water~
熱い肌を冷たい水に浸すことで熱を伝導させて冷却。顔を洗う、化粧水をたっぷりとつける、ローションパックなど
風~wind~
風を当てるとその部分の空気が対流して、冷却効果が。パッティング、送風機など、風を利用して熱を取り去るケア
涼膜~shield~
肌をなるべく涼しい環境に置き慢性的なほてりを緩和。暑い場所では、保冷マシンやミストなど冷却ツールを活用

\3大ラジエーターケアをチェック!/
夏場のスキンケアは引き算でOK!肌熱を取り去って鎮静させるセルフケア法とは? 落とすべきものはしっかり落とす!毎日の洗顔と週に2回の角質ケアの方法をご紹介 紫外線の熱もほてりや肌疲労を加速する!?UVアイテムや冷やしグッズを駆使して対策を!

『美的GRAND』2024夏号掲載
撮影/当瀬真衣(人物)、宗高聡子(静物) ヘア&メイク/ AYA  スタイリスト/山本瑶奈(静物) モデル/江原杏樹 構成/もりたじゅんこ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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