美的GRAND
スキンケアニュース
2024.7.15

夏の暑さや紫外線による肌ダメージ…今すぐ対策を!猛暑と肌老化の深い関係|美的GRAND

長い夏が終わる頃になるとどっと老けたと感じる人も多いここ数年。この夏も早くも同じ轍を踏む予感―。近年の気候変動と肌の関係から、その理由を読み解きます。

紫外線と猛暑、温度差で近年の夏の肌は3歳ならぬ、5歳老ける!

トップス[参考価格]¥107,800・パンツ[店舗限定]¥236,500(アオイ〈ファビアナフィリッピ〉) ピアス¥154,000(ベルシオラ)

来るべき酷暑と肌の関係を知り、対策を

地球の温暖化が進んでいます。気象庁が発表しているデータによると、日本の平均気温はこの120年で約1.3℃上昇しています。この10年程で「夏は猛烈に暑く、冬は寒い」という体感があり、夏の気温がこの数値以上に上昇していることは容易に想像がつきます。

さらに、紫外線の量も増えています。気象庁の発表によれば、有害な紫外線から私たちを守ってくれるオゾン層は、日本(計測地)において1990年代初頭を過ぎてから減っていません。それなのに、紫外線の量が1990年代以降増加し続けているのは、大気中の微粒子が増え、紫外線を散乱させていることが原因だと考えられています。

こういった事実を知ると、気候変動の変化の深刻さ、SDGsという言葉の意味と待ったなしの行動の必要性がしみじみと感じられます。そして、それと同じくらいグラン世代にとって深刻なのが“夏老け”。年相応の美しさがいちばん、若作りや若見せには価値を見いださないとはいっても、夏の暑さや紫外線のせいでどっと老け込んでしまうのは嫌。以前は“夏に3歳老ける”などと言われていましたが、昨年の酷暑では、3歳ならぬ5歳老けてしまったかも…と感じる人も多かったと思います。

今年も、梅雨が明ければそんな暑さや痛い程の日差しが待っているでしょう。みすみす昨年と同じ轍を踏むのは、賢いグラン世代のやり方ではありません。夏の暑さや紫外線が肌にどんな影響を与えるかを知り、今すぐ対策を練りましょう!

上/つくばの紅斑紫外線量年積算値の経年変化(気象庁)
下/日本の年平均気温の変動(資料提供:シロク)

夏の肌にダメージを与える要因4

1.太陽光
地球に届く太陽光は、波長が短い順に紫外線、可視光線、赤外線の3種に分けられます。このうち紫外線と、可視光線の中の波長が短いブルーライト、赤外線の中の波長が短い近赤外線が、肌の老化に関連。

2.猛暑
グラン読者なら、夏場にもなればSPF50+・PA++++の日焼け止めやUV下地を使っている人も多いはず。それなのに、夏は日焼けしやすいと感じたことはありませんか? その一因は暑さにあります。

3.室内外の温度差
寒いぐらいに利いた室内の空調、外に出れば一変、ゆだる程の暑さ。その温度差によって、肌のバリア機能が低下したりシミができやすくなったりすることが、化粧品メーカーの研究でわかっています。

4.皮脂や汗
複数の化粧品メーカーの研究で、皮脂の中の「遊離脂肪酸」という物質が、肌の炎症やトラブルの原因になることがわかっています。また、大量にかいた汗は肌の上に残って肌あれの原因となります。

夏肌の4大ダメージ要因を解剖

暑くて日差しが強く、過酷極まりないものとなった日本の夏が肌を老化させる、その具体的なメカニズムについて化粧品メーカーが発表する調査データと共に紹介。

1.太陽光

シミ・くすみ、シワ・たるみを増やす原因に

\肌にダメージを与える太陽光の種類/

紫外線 地表に届く太陽光のうち、波長の短いもの。UV-BとUV-Aに分かれ、より波長の短いUV-Cは地表には届かない。
ブルーライト 紫外線の次に波長が短い太陽光。肌の奥まで到達し、活性酸素を増やしてシワやたるみ、シミなどの原因に。
近赤外線 波長が長い太陽光。真皮の深層部まで届き、緩やかなスピードでシワやたるみを進行させていく。

太陽光は、波長が長い程エネルギーが強いという特徴があります。紫外線はUV-Bがより波長が短く、肌に強いダメージを与えて日焼けやシミ、シワ、たるみの原因に。ブルーライトについては、資生堂が、デジタルデバイスから出るものよりも太陽光に含まれるものの方がずっと量が多く、肌を酸化させる原因になるという調査結果を発表しています。近赤外線はこの中で最も波長が長く、肌の奥にゆっくりじわじわとダメージを与えます。

2.猛暑

暑さによって、同じ紫外線量でも日焼けしやすくなる!
紫外線量が同じでも、夏はほかの季節に比べて日焼けしやすいということが、ポーラ化成工業の研究でわかっています。肌の細胞が紫外線に対して過剰に反応し、メラニンを大量に作り続けてしまうのです。体内リズムの要である時計遺伝子の一種が高温により過剰に発現しており、メラニン生成が活性化していると考えられています。シミ・くすみを進行させないためには、肌をなるべく暑さにさらさないことがとても大切です。

20名を対象に調査。同じ紫外線量で気温だけ異なる状況で比較したとき、気温が高い方が紫外線に反応しやすく、日焼けしやすい。(資料提供/ポーラ化成工業)

3.室内外の温度差

ブラウス¥132,000・パンツ¥75,900(コロネット〈フォルテ フォルテ〉) ピアス¥198,000・リング¥242,000(ジョージ ジェンセン ジャパン〈ジョージ ジェンセン〉) インナー/スタイリスト私物

肌に負担がかかり、バリア機能の低下やメラニン量の増加につながる

室内外の温度差ストレスによって、表皮細胞でのメラノサイト刺激因子が増えてメラニンが作られやすくなったり、炎症性因子の遺伝子発現が増えて肌あれが起こりやすくなることが、ポーラ化
成工業の研究によりわかっています。また、シロクは、この温度差ストレスにより夏は肌のバリア機能が低下し、紫外線や乾燥などの影響を受けやすくなると発表。室内と屋外の移動は、体をぐったりと疲れさせるだけでなく、肌にも悪影響なのです。

\皮膚温が大きく変化/

異なる温度環境における肌表面の温度を、サーモグラフィで測定。約10 ℃ 近く変化していることがわかる。(資料提供/ポーラ化成工業)

4.皮脂や汗

毛穴の目立ちだけでなくシミや肌あれの原因にも
気温や湿度が上昇すると、皮脂や汗の分泌量も増加。毛穴が広がり、詰まりやすくなります。さらに、暑い時期は皮脂の組成が変化し、シミや肌あれの原因となる物質「遊離脂肪酸」の割合が増えることを、ポーラ化成工業が発表しています。汗は、適量の場合は皮脂と結びついて天然の皮脂膜を形成しますが、酷暑で過剰に汗をかくと、汗に含まれる物質が肌表面に残って肌あれを起こす一因となることをシロクが指摘しています。

\夏は冬に比べ、遊離脂肪酸が占める割合が大きい!/

冬は108名、夏は61名を分析。気温が高い時期は皮脂内の遊離脂肪酸が増加。遊離脂肪酸は肌に刺激を与え、乾燥やメラニン生成の引き金となる。(資料提供/ポーラ化成工業)

『美的GRAND』2024夏号掲載
撮影/来家祐介(aosora・人物)、松本拓也(静物) ヘア&メイク/AYA(TRIVAL) スタイリスト/角田かおる モデル/中村ゆり 取材協力/シロク、ポーラ化成工業 研究所 構成/大塚真里

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事