「大事にしているのは艶と透明感」有沙 瞳さん私物コスメメイク【宝塚歌劇OGセルフメイク】
宝塚歌劇で美を培い、退団されてなお美しさを更新し続けている元タカラジェンヌの方々。この連載では、実際に愛用しているコスメを使ったセルフメイクのテクニックに迫ります。元星組娘役の有沙 瞳さんが大事にしている「艶と透明感」。光を重ねて色を発する、ナチュラルでシアーなメイクの方法を、ご本人の私物を使って教えていただきます。
有沙 瞳さんのセルフメイクを詳細解説! 「艶・透明感・色の統一感」が大原則
舞台の上のメイクでも私たちを魅了した、元宝塚歌劇団星組娘役の有沙 瞳(ありさ・ひとみ)さん。前回の記事では私物のコスメをご披露いただきました。
\有沙さんの前回の記事はこちらでチェック!/
有沙 瞳さん「退団後初!私物コスメ全部見せます」【宝塚歌劇OGセルフメイク】【スペシャルインタビュー付き】
今回は、愛用コスメ編で紹介した私物コスメを使ったセルフメイクの方法を詳しく教えていただきます。
その日の気分を盛り込んだ妥協のないメイクで1日のテンションを上げる!
メイクもコーディネイトのひとつと捉えているという有沙さん。
「お化粧次第でその日のテンションが決まると思うんです。だからあまり妥協したくなくて。お洋服も含め、『今日はこういう感じでいこう』と決めて取りかかります」
アイブロウやアイライナー、マスカラなど、メイクをするうえで“締めのポイントになるもの”を全色そろえるのも、
「メイクに対して飽きるというわけではなく、そのときの気分に応じた色を使ったメイクをしたくて。いつも決まった感じで『これでいいや』という曖昧な気持ちより、大人っぽくしたいのかかわいくしたいのかで使う色のチョイスを変えたりするほうがポジティブに楽しめると思うんです」
という理由から。もちろん、舞台の役でもちょっとしたところを変えることが多いそう。
「舞台上の役も生きているので、1幕のうちでも何日か経過しているから毎日同じメイクということはないと思うんです。ベースは同じだけど、リップの色を少しだけ変えたりしていました。年月が経過して年齢を重ねたり、自分が置かれている状況が変わればメイクも変わるはずだから、1幕から2幕にかけてその経過がわかるようにアイシャドウの色を変えてみたり、まつ毛もナチュラルにしたり。それはいろいろ考えました」
そんな有沙さんが普段のメイクで大事にしているのは、艶と透明感。だからファンデーションやコンシーラーなどのベースアイテムは必ずお店で試して、自分の肌色に合うものを買うのだとか。
また、統一感のある色使いも心がけていること。
「色を何色も使うのではなく、ほんのり色づくシアーなアイテムをグラデーションして、色みを感じさせるようにしています。今回はピンクでまとめていますが、ブルベの私に合うような系統のピンクを主に使いました」
今回有沙さんが教えてくれるのは、煌めきを重ねたナチュラルなピンクメイク。ハイネックのざっくりニット+デニムのカジュアルな着こなしに、メイクでちょっぴり上品さをプラスしたそう。実際に有沙さんが行うメイクプロセス順に紹介していきます。
【ベース】
艶は残してテカリは抑える。アイテムの重ね使いでちょうどいいさじ加減に
「肌がトーンアップして、皮膜感やギラつきのない日焼け止め乳液のパルファン・クリスチャン・ディオール ワン エッセンシャル シティ ディフェンス 50をまずは顔全体に指で薄く広げます。
艶感の出るリキッドファンデーションのパルファン・クリスチャン・ディオール ディオールスキン フォーエヴァー フルイド グロウ 0CRを、点置きしてのばします。細かい部分まできちんと塗りたいときはスポンジを使いますが、基本は指を使っています。
明るめのコンシーラー、パルファン・クリスチャン・ディオール ディオールスキン フォーエヴァー スキン コレクト コンシーラー 0Nは、少し明るくしたい目の下や口元にちょんと置いて指で自然にのばします。少しでもよくのびるから、量に注意。
地を塗っただけの質感が好きではないので、パール入りのパルファン・クリスチャン・ディオール カプチュールトータル パーフェクション ルース パウダー 001をパフでポンポンと。大人っぽく上品な肌になります。
最後にテカリが気になる部分に使うのが、エレガンス ラ プードル オートニュアンス Ⅰ。崩れ予防にも◎」
【ハイライト&チーク】
光をレイヤードしてほのかに色づいた頬にメイク
「M・A・C #140 シンセティック フル ファン ブラシでくるくるっとゲラン メテオリット ビーユ 02を取り、Tゾーンと目の下の三角ゾーンに入れてハイライトに。
同じブラシで、チークのM・A・C エクストラディメンション ブラッシュ イントゥ ザ ピンクを取って、頬骨に沿ってまが玉形に入れます。外側が少し細くなるように入れると大人っぽい雰囲気になります」
【目元】
ピンク〜ブラウン系でまとめ、ほんのりはかない抜け感を
「まずゲラン オンブル ジェ 530の①を上まぶたの中央に丸く入れて両側にぼかしながら乗せます」
「ラブ・ライナー リキッドアイライナー ダークブラウンで上まぶたのキワにラインを描き、ゲラン オンブル ジェ 530の②をラインの目尻側1/3に重ねて目尻側だけで締める感じに。③は目頭を>の字に囲みながら上まぶたの①の上までのばし、目元を明るくします。はっきりした顔立ちのせいか目元に強い色を使うと抜け感がなくなってしまうため、メイクアップアーティストさんなどいろいろな人の意見をうかがいながらアイメイクを模索中!」
「再度ゲラン オンブル ジェ 530の①を取り、下まぶたの黒目の下の位置にポンと。上まぶたが淡い色だから、これがちょっとポイントになるんです。ビューラーでまつ毛を上げてからUZU モテマスカラ コッパーを上下のまつ毛に乗せ、アイメイクを仕上げます」
【眉】
髪色に合わせた色でふわっと描き、やわらかい印象を演出
「明るい髪色に合わせ、眉も明るく。サナ エクセル スタイリング パウダーアイブロウ SE03の色をブラシに取ってブレンドしたもので眉の形を作ってから、サナ エクセル パウダー&ペンシル アイブロウEX PD11とPD007で眉毛を描くように濃淡をつけます。眉頭はチップでぼかして薄くし、眉尻に向かって濃くなるように調整。最後にアイブロウマスカラのセルヴォーク インディケイト アイブロウマスカラ C 05を重ね、明るさをアップ」
【リップ】
光沢のある薄づきリップをラフにつけカジュアルさをミックス
「ローズピンクのグッチ ルージュ ア レーヴル ヴォワル リップスティック 201は、薄づきで強すぎない色み。この艶っぽさを生かしたいから、ラフに直塗りします」
宝塚歌劇団を退団して1か月と少し。「なんでもやってみたい」という前向きな気持ちに
退団後初のメディア出演ということで、これからやりたいことをうかがいました。
「実は、在団中は卒業してからも舞台に出たいとは思っていなかったんです。劇団にいたときは、まわりの皆さんが普段の私を知っていてくれたり自分も知っているうえで、自分とはまったく違う役をやったときに生まれる感情やその共演が楽しかった。でも外に出たら知らない方ばかりじゃないですか。それがどんな感じかわからなかったんです。
だけど、その今までにない化学変化が面白いのかもしれないと思うようになってきました。自分も刺激を受けたいですし。今日のような撮影など今までやったことのない経験を経て、新しい発見や学びがあることを知りました。だからいろいろやってみたいんです。もちろん舞台のお仕事も大好きなので、機会をいただけるならぜひ挑戦したい!
(日本物作品が多い)雪組にいたということもあり、着物を着たお仕事もしてみたいなぁ。あと、役によって声を自然に演じ分けることも好きだから、声を使ったお仕事にも興味があります。声優なんておこがましいことは言いにくいですが夢は大きく(笑)」
いやいや、言っていきましょう! 朗読劇やナレーターなども声を使いますもんね、と問いかけると、
「ひとつ難点が…。漢字がスーパー苦手で、台本の読みがなはいつも同期に助けてもらっていました。本を読むのも苦手で。『1789―バスティーユの恋人たち―』で演じたマリー・アントワネットもそうだったということを聞き、すごく親近感がわきました(笑)」
その仕事が合うか合わないかを自分で判断するのではなく、とりあえずやってみて、そこから少しずつ道を決めていけたらと語る有沙さん。人生の新幕は始まったばかりです。
2回に渡り、有沙さんのコスメ&メイク事情を紹介しました。次回は華 優希(はな・ゆうき)さんのセルフメイクを深掘りします。お楽しみに!
有沙 瞳
ありさ・ひとみ/8月4日生まれ、三重県出身。2012年に98期生娘役として入団、組まわりを経て翌年雪組に配属。2014年『一夢庵風流記 前田慶次』で新人公演初ヒロイン後、バウホール公演初ヒロイン、初エトワールを経験した後に星組に組替え。星組でも多くの公演で存在感を示し、8月27日の『1789―バスティーユの恋人たち―』東京公演千秋楽にて退団。Instagram:@arisa_hitomi
ニット¥28,600(ジオン商事<ドレスレイブ>) 03-5792-8003
デニム¥39,600(フィルム<ダブルスタンダードクロージング>) 03-5413-4141
“イン ムード”のネックレス¥10,450・ピアス¥7150・シルバーリング¥9,900、”アナプノエ”のゴールドリング¥84700・バングル¥31,900(フォーティーン ショールーム) 03-5772-1304
撮影/風香 ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) スタイリング/滝沢真奈 構成・文/淡路裕子
※こちらで紹介したコスメは有沙さんの私物です。ブランドへのお問い合わせはお控えください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。