免疫力を効率よく高めてくれる野菜温活法があるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「野菜で温活」について。免疫力を効率よく高める野菜温活法があるってホント? 食糧学院 学院長で医師の馬渕知子さんと管理栄養士の仁田友香さんにお話を伺いました。
Q:免疫力を効率よく高めてくれる野菜温活法があるってホント?
冬になると「温活に力を入れる」という人も増えますよね。前の記事で、野菜で温活ができるということが分かりましたが、野菜で温活をしていると免疫力アップも期待できるのだとか。本当なのでしょうか。この疑問について食糧学院 学院長で医師の馬渕知子さんと管理栄養士の仁田友香さんに聞いてみました。
A:ホント
「前回の記事で紹介した温活野菜のなかでも、抗酸化作用の高いビタミン類を含む野菜と、タンパク質を含む野菜を組み合わせて食べると効果的です」(仁田さん)
抗酸化作用の高いビタミン類を含む野菜
「ビタミンのなかでもビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用を持つ、抗酸化ビタミンです。これらは総称してビタミンACE(エース)と呼ばれています。この抗酸化ビタミンは温活にも役立ちますし、免疫細胞の強化にも必須の栄養素です。ビタミンAは皮膚の粘膜を強くする作用もあります」(仁田さん)
「また、ビタミンが豊富な野菜のなかでも、カボチャやじゃがいも、さつまいも、ごぼうなど、糖が含まれる野菜はデンプンがビタミンを保護してくれるため、ほかの野菜に比べ、調理によって失われる率が低いので、免疫力アップの温活におすすめです。また、紹介した野菜は、皮の部分に良い栄養素が多く入っていることが多いので、皮ごと食べるのがおすすめです」(馬渕先生)
タンパク質を含む野菜
「免疫細胞そのものを活性化させるために必要なのがタンパク質です。野菜ではめずらしく、タンパク質を含んでいるブロッコリーやカボチャは免疫力アップにも役立ちます」(仁田さん)
温活と免疫力向上がかなうレシピ
「温活と免疫力アップが期待できる、にんじんとごぼうを組み合わせたホットサラダ。野菜だけでなく、プラスアルファの温活ができるタンパク質が豊富な鶏肉を加えるのがポイントです」(仁田さん)
【蒸し鶏のごぼうサラダ】
材料(2人分)
・ごぼう…1/2本(81g)
・にんじん…1/3本 (60g)
・フリルレタス…2枚(40g)
・鶏ささみ…2本(76g)
[A]
・酒…大さじ1/2
・塩 …小さじ1/4
・砂糖(上白糖)…小さじ1/4
・サラダ油…小さじ1/4
作り方
(1)ごぼうは良く洗い、皮つきのままささがきにし、水にさらして水気をきる。にんじんは皮をむいて細切りにする。
(2)フリルレタスは冷水にさらして水気をきり、食べやすい大きさにちぎる。
(3)鶏ささみは筋をとって耐熱容器に入れ、[A]をもみ込み、ふんわりとラップをかけてレンジ(600w)で約2分加熱する。粗熱がとれたらほぐす。
(4)フライパンに油をひいて熱し、(1)を入れてサッと炒め、ふたをして弱火で約5分蒸し焼きにする。ふたを取り、しんなりするまで炒める。
(5)ボウルに(3)、(4)を入れ、ドレッシングで和える。
(6)器にちぎったフリルレタスを敷き、(5)を盛り付ける。
野菜温活で免疫力をアップさせよう!
「体が温まると血流が良くなり、臓器に栄養や酸素が行き渡ります。しかし、血流が悪いとそれらが行き渡らないことで免疫細胞がはたらきにくくなってしまいます。免疫細胞はある程度の体温がないと正常に働けないと考えられています。ですから、低体温だと免疫細胞もはたらきにくく、病気も治りにくくなる可能性があります。そのため体温が低い人に比べ、体温が高い人のほうが風邪をひきにくかったり、治りやすいこともあるのです。風邪をひいたときに熱が出ることもありますが、熱が出るのも免疫細胞をはたらきやすい状態にするためです。高熱は体の負担になるので解熱剤などを活用することも大切ですが、発熱には「免役細胞がしっかり働いている」という意味もあるのです」(馬渕先生)

管理栄養士/キユーピー株式会社 食と健康推進プロジェクト
仁田友香(にった・ゆか)
管理栄養士/キユーピー株式会社 食と健康推進プロジェクト
管理栄養士専攻大学卒業後、キユーピー株式会社に入社。入社後は研究開発本部にて、病院施設向けの病者用食品及び高齢者向けの商品延べ100品以上の開発に従事。現在は外部と連動した食と健康の発進、また自治体向けの講演活動、資料作成、社内外に向けて食と健康に関わる活動を推進中。
文/土屋美緒
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※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
東京医科大学医学部医学科卒後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。その後、マブチメディカルクリニックを開設、現愛に至る(院長)。平成23年には学校法人食糧学院理事及び東京栄養食糧専門学校の講師に就任、令和5年から同学院の学院長も務める。内科医・皮膚科学が専門であるが、あらゆる科と連携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。