学生時代よりタニタの体脂肪計開発プロジェクトチームに参加。世界初の乗るだけではかれる体脂肪計をはじめ、体組成計、活動量計などの回帰式や判定アルゴリズムを開発した。栄養士の資格を持ち、技術開発研究者と栄養士の二つの視点から健康とからだに関する講演の講師も行っている。
文/木土さや
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ダイエットとカロリー”について。朝食を抜くと太りやすくなるって…ウソ? ホント? タニタ開発部主席研究員で栄養士の西澤美幸さんにお答えいただきます。
慌ただしい朝。ゆっくり朝食をとっている時間もなく、白湯やコーヒーや紅茶のみという人も少なくないのでは? 朝食抜きを続けていると、本当に太りやすい体質になってしまうのでしょうか。
さっそく、この疑問を西澤さんにぶつけてみました! 果たして答えは……?
「名古屋大学大学院の研究で、朝食を抜くと体内時計の遺伝子異常が起こり、体重増加をもたらすことが明らかになりました。
エサをゲージ内に置きっぱなしにして、起きている間自由にエサを食べられる状態にしたラットと、起床後4時間遅くエサを与えた朝食抜きのラットに、14日間にわたって高脂肪食を与える実験を行ったところ、1日のエサの量に違いはないのにもかかわらず、朝食抜きのラットの体重が増加していたのです。これは人間でも同じことが考えられるとされています」(西澤さん・以下「」内同)
「人によっては、朝食を抜いたぶん、1日の摂取エネルギーが抑えられ、トータルのエネルギーがマイナスとなって痩せたというケースもあるかもしれません。しかし、その状況を続けていくと、昼食や夕食で食べ過ぎて長期的にみると結果的に太ってしまったり、体内時計がズレることで生活習慣病のリスクが上がってきます。
また、体温が上昇する時間も短くなるので代謝が下がり、消費エネルギーが減って、太りやすいからだになってしまいます」
「忙しい女性の朝食におすすめはフルーツです。フルーツは果糖という糖分が含まれていますが、ショ糖や人工甘味料とは違って血糖値の上がり方が緩やか。なので、満腹感を維持して、昼食のドカ食いを防いでくれる効果も期待できます。
また、フルーツには繊維やミネラル、ビタミン、酵素などからだによいものがたくさん詰まっており、摂取した糖質をエネルギーに変換する働きをスムーズにする、火付け役となってくれます。
おすすめは、エネルギー量の低いイチゴやスイカ、グレープフルーツなど。1日200gを目安に摂取するようにしましょう。さらに、腸内の善玉菌を増やし、腸内バランスを整えてくれるヨーグルトも摂れると、なおよいですね。朝フルーツでエネルギーのスイッチをオンにしていきましょう」
「女性に人気のシリアルやグラノーラは、食物繊維が豊富で腹持ちがよいのが特徴です。グラノーラの中にはミネラルやドライフルーツのビタミン、全粒粉が含まれており、栄養バランスもベターです。
ダイエットを意識するのであれば、甘い飲み物×ドーナツやデニッシュなどの甘いパンで朝食を済ませるよりは、断然シリアルやグラノーラがおすすめです。この場合には、牛乳をプラスしてたんぱく質を補うことも忘れないでくださいね」
学生時代よりタニタの体脂肪計開発プロジェクトチームに参加。世界初の乗るだけではかれる体脂肪計をはじめ、体組成計、活動量計などの回帰式や判定アルゴリズムを開発した。栄養士の資格を持ち、技術開発研究者と栄養士の二つの視点から健康とからだに関する講演の講師も行っている。
文/木土さや
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