ワキと足は同じケアではニオイが消えにくいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「汗とニオイ」について。ワキと足は同じデオドラントでは臭いが消えないってホント? 臭気判定士資格をもつマンダムの久加亜由美さんにお話を伺いました。
Q:ワキと足は同じケアではニオイが消えにくいってホント?
近年は猛暑日も多く「暑さによって汗の量も増えていると」いう人も多いのではなでしょうか。汗をかくと気になるのはニオイですが、そんなときに頼れるのがデオドラント剤。しかし、同じニオイでもワキと足では種類が違うため、同じケアではニオイが消えにくいのだとか。本当でしょうか。さっそく、この疑問について臭気判定士資格をもつマンダムの久加亜由美さんに聞いてみました。
A:ホント
「ワキと足だけでなく、頭のニオイなど、体の部位によってニオイの種類は違います。かいた汗をしっかり拭きとり、菌が増殖しないよう清潔に保つというケアは大前提ですが、制汗やデオドラントの有効成分については、それぞれの部位に合わせたものを使用するのが効果的です」(久加亜由美さん・以下「」内同)
体の部位によってニオイの種類が違うのはなぜ?
「それは、部位によって、出る汗の種類と、そこにいる常在菌が違うからです。汗を出す汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があり、それぞれ、出る汗も違います。どちらもニオイのもとになるけれど、エクリン汗は暑いときにかくさらりと汗で、アポクリン汗は、限られた部位でかく、タンパク質やアンモニアなどを含む粘り気のある汗です。限られた部位とは、わきとデリケートゾーン。また、乳首の周辺にもあると言われています。そして汗に反応してニオイを発生させる常在菌も、部位よって違います。つまり、汗のニオイは、汗をかく場所と常在菌の組み合わせによって変わるということです。また、皮脂腺から出た皮脂が常在菌と反応したニオイも、汗のニオイとは違うニオイになります」
デリケートゾーンのニオイケア
「アポクリン汗腺があるデリケートゾーンは、汗のニオイが発生しやすい部位のひとつです。さらに下着で常に覆われているため蒸れやすく、風も通りにくいという環境的な部分からもニオイやすくなります。ケアの仕方は、エクリン汗腺から出る汗と同様です。きちんと洗って汗を流し、清潔を保つことが第一のニオイ対策。制汗、デオドラント効果を謳った専用のソープもあり、部位に合わせて使いやすいように設計されているので、そういったものを活用するのもおすすめです」
汗臭さにも男女差がある?
「はい。一般的には男性のほうがニオイは強いです。同年代で比較しても男性のほうが強い傾向にあります。特にワキのニオイが強いのですが、理由はニオイのもとになる発汗量と皮脂量が多いためです。とはいえ、あくまでもこれは一般的な話なので、個人差はあります。ニオイのもとが多ければその分ニオイも強くなり、女性でも発汗量と皮脂量が多ければニオイは強くなります。また、近ごろ、頭皮のニオイを気にする女性が増えていますが、頭のニオイは年齢を重ねるにしたがって、蒸れたような、水っぽいニオイになります。いわゆる加齢臭というものです。ニオイの種類が変わることで、よけいに気になる、ということがあるかもしれませんね。頭皮のニオイケアはやはりシャンプーです。特に頭頂部と後頭部を丁寧に洗うようにしましょう。とはいえ、ゴシゴシ洗いはNGですよ! そして、しっかり頭皮を乾かすこともニオイを発生させないために大事なポイントです」
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2008 年入社 製品開発(ヘアスタイリング剤やスキンケア)を 4 年経験。2012 年より体臭研究に携わり、デオドラントの基礎研究として、汗・におい、殺菌や消臭などについて研究を進めている。臭気判定士資格を 2015 年に取得し、体臭研究に生かしており、発汗やにおいのメカニズムから、対処法まで幅広く語れる。脇汗をリアルタイムで測定できる評価系を確立したことで、制汗研究を拡張させた。
■マンダム