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2024.7.26

制汗剤とデオドラント剤は違うってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「汗とニオイ 」について。制汗剤とデオドラント剤は違うってホント? 臭気判定士資格をもつマンダムの久加亜由美さんにお話を伺いました。

Q:制汗剤とデオドラント剤は違うってホント?

どんどん暑さが増していくこの季節、エチケットとして必須アイテムとなるのが制汗剤やデオドラント剤です。制汗デオドラント剤という商品もありますが、そもそも制汗剤とデオドラント剤って、何が違うのでしょうか。私たちは同じ用途のために使っているような…。「制汗剤とデオドラント剤って違うってホント?」さっそく、この疑問について臭気判定士資格をもつマンダムの久加亜由美さんに聞いてみました。

A:ホント

「制汗剤とデオドラント剤にはそれぞれ違った有効成分が入っています」(久加亜由美さん・以下「」内同)

制汗剤とデオドラント剤の違いは?

「制汗剤とデオドラント剤は、いずれも医薬部外品で、制汗剤には毛穴を引き締めたり汗の出口にフタをして汗を出にくくしたりといった制汗のための有効成分が、そしてデオドラント剤にはニオイのもととなる菌の繁殖を抑制して発生したニオイを抑えるための殺菌成分といった有効成分が入っています。しかし、現在販売されている日本のメーカーの製品はほとんどが制汗&デオドラント剤です。もちろん、制汗だけ、デオドラントだけに特化した商品もあるので、どちらかだけを使用したい場合はそれらのなかから選ぶこともできます。また、制汗にもデオドラントにも、有効な成分は複数あるので、メーカーによって使われている成分は異なります。これは、パッケージや裏面に有効成分が明記されていますから、確認することができます」

実は汗は無臭

「汗臭い、という言葉がありますが、実は汗そのものは無臭です。汗をかいて臭くなるのは、かいた汗を皮膚上にいる細菌が代謝するため。具体的に言うと、皮膚上にいる細菌が汗を食べ、代謝によって排出したものが匂うのです。皮脂も同様で、皮脂そのものはほぼ無臭なのですが、細菌によって代謝分解されたり、酸化することでニオイを発生させます」。菌の餌になる汗を制汗剤で止めれば、当然ニオイも減るわけで、制汗剤にはニオイを抑える機能がある、とも言えそうですが…。「制汗剤は、“完全に汗を止める”ということはありません。ですから、菌が増殖してニオイが発生する可能性は大いにあります。そう考えると制汗に加え、殺菌効果をもつ制汗デオドラント剤を使用するのがニオイの発生をダブル防ぐ、効果的な対策と言えます」。なるほど!

制汗剤やデオドラント剤が「効く」ニオイとは?

「皮膚上で発生するニオイはすべて“皮膚ガス”と呼ばれます。汗や皮脂が皮膚の表面でニオイ物質に変わるもの、そして、血液由来のものがあります。血液由来の皮膚ガスとは、例えばニンニクなど、ニオイの強い食べ物を食べたときに、全身からニンニク臭を感じることがありますよね。それのことです。日常的な大量のアルコール摂取や喫煙によっても、血液由来の皮膚ガスが発生しやすくるといわれています。この、血液由来のニオイについては、制汗剤やデオドラント剤は機能しません。制汗剤やデオドラント剤は、ワキのニオイ、足の裏のニオイ、加齢臭などを含め、を細菌が代謝したり皮脂が酸化して起こる皮膚ガス、いわゆる“体臭に当たるものに有効です」

 

期待大!「汗の量を減らす」新しい成分とは?

「汗を出す汗腺には収縮機能があり、暑くなるとポンプのように収縮運動をして、皮膚表面に汗を押し出します。弊社では、そのポンプの動きをGMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)という物質が抑えることを発見しました。これは、2種類ある汗腺のひとつ、エクリン汗腺の機能を眠らせる技術です。ポンプの動きが弱まれば、発汗量は減りますよね。これまでのデオドラント剤は汗腺の出口にフタをするものが一般的でした。しかし、汗腺そのものに安全にはたらきかけることができるようになれば、多汗症などの対策などにも可能性が広がるんじゃないかと思います。今後にぜひご期待ください」

 

株式会社マンダム
先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ

久加 亜由美(きゅうか・あゆみ)

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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