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2023.10.9

南仏アベンヌ村で温泉水のパワーと秘密に出合う|人気「アベンヌ」が支持される理由はここにあった!


フランスでは、医薬品に限りなく近い高機能で低刺激のスキンケアカテゴリーを「デルモコスメティック」と呼びます。その分野でヨーロッパNo.1の販売実績を誇る「アベンヌ」が、なぜこれほど支持されるのか、その原点を探求するため、さまざまな施設を訪ねました。

南仏アベンヌ村で温泉水のパワーと秘密に出合う

ライターM


国立自然公園にあるアベンヌ村

 

アベンヌ温泉水の効果の秘密を確かめるため、南フランスへ

アベンヌといえば、1986年に日本上陸の「アベンヌ ウオーター」を代表格とし、全身をケアできるアイテムが多数そろうスキンケアブランド。各アイテムのベースにあるのは、南フランスのアベンヌ村にわき出る「アベンヌ温泉水」です。山間に降った雨水が5億年前にできた地層に浸透し、50年以上かけてろ過され、マグネシウム・カルシウム・二酸化ケイ素などの絶妙なミネラルと、皮膚の免疫に関与する成分・アクアドロミアエを含んでいることなどは、取材で何度も聞いたことがありました。そして、温泉水を使った皮膚治療施設があることも知っていましたが、「温泉水で皮膚病を治療!?そんなに効果があるの?」と少し思っていたのも事実…。

そんな私ですが、念願の訪問がかないました。南仏の空港から2時間弱、山道を抜けた先にある人口100人弱の小さな村、アベンヌ。19世紀には「皮膚に公益のある水」と政府に認められた温泉水、そしてブランドの本質を追求するべく取材しました!

ピエール ファーブル デルモコスメティック社 国際広報責任者
マルティンヌ ビュトーさん
私がすみずみまでご案内します!

アベンヌ村では猫&犬もリラックスモード

 

アベンヌ温泉水の神髄を体感できる アベンヌ テルマリズム センター


’90年に建設された、アベンヌ温泉水の源泉の真上にある皮膚治療施設。フランスでは温泉水により治療を行うテルマリズムセンターが87か所存在し、多くの病気に対応しているけれど、アベンヌは皮膚疾患に特化したふたつのうちのひとつ。センターでの治療プログラムは、1日に「飲泉」「入浴」「シャワー」の3つを受けるのが基本で、さらに症状に合わせたオプションケアをプラスします。ドクターをはじめ、病気の人をケアする資格をもつソーシャルエステティシャンなど、スタッフは皆、皮膚ケアのプロぞろい。治療の効果の高さは、1年に1度訪れるリピーターもいることからもわかります!

 

アベンヌ温泉水での治療の流れ

【飲泉】

\\施設の2か所で飲み放題!//


大人の場合、1日に1~1.5Lのアベンヌ温泉水を飲むことを治療の一環として推奨されています。体内の保水の役割に加え、アベンヌ温泉水が食物アレルギーの緩和などをサポートする効果も。

【入浴】

入浴は、1日1回20分間。33℃の源泉が溜まった浴槽で、最初の10分は細かなバブル(気泡)、後半10分は強めのバブルが出る仕組み。この流れにより肌の保湿、余分な角層の除去、鎮静、リラックスの効果があります。

【シャワー】

全方向から出るシャワーが入浴で柔らかくなった角層を洗い流し、さらにミストでアベンヌ温泉水を肌にしっかりと浸透させます。ミストはまさに「アベンヌ ウオーター」を浴びている感じ。

【休憩】

ケア後は、外の緑を眺めながらリラックス

【オプション】

オプション治療では、全身にアベンヌのトリクセラクリームを厚めに塗布してラッピングし、体温で浸透を促す“超保湿”のケアや、エステティシャンによるモデラージュ(マッサージ)のメニューも。

アベンヌ テルマリズムセンター 副所長

ローチエ ローレンスさん

 

Q.テルマリズムセンターに来るのは、どんな人たち?

A.膚疾患に悩む人たちが、世界中から年間3,000人程訪れます
センターに来る患者さんの目的は、皮膚病の治療。疾患の内訳は、33%がアトピー性皮膚炎や湿疹、27%が乾癬、そのほかは炎症系ニキビや火やけど傷、外科手術の後遺症など。かかりつけ医の紹介により赤ちゃんから成人までやってきますが、全体の約20%が子供だそう。基本は3週間の治療を受けることを推奨しています。治療は午前中のみで終わるため、午後はサイクリングやハイキングに行ったり、施設内のジムやプール、テニスコートなどで体を動かす人も多いそう。またセンターでは、治療後に健やかな肌をできるだけ維持するためのメソッドを伝授するスキンケア講座など各種ワークショップを随時開催しています。

 

源泉から直接ボトリング アベンヌ工場


\\日本向けの製品もここで製造されています//

アベンヌ村のオルブ川のほとりに位置する工場は、,90年より稼働。現在では22,000m2の敷地で製造を行っているそう。アベンヌのすべてのアイテムに配合されているアベンヌ温泉水は源泉近くの3か所から24時間採取され、細菌の繁殖や汚染を防ぐために常に循環しています。工場のエントランスには、「医薬品と同等の検査基準を満たしている」ことを明記した証明書もある程。製造工程では3回に及ぶ検査が行われ、徹底した品質管理へのこだわりが!こうして完成したアベンヌの製品が、私たちの手元に届けられているのです。

美容賢者

ライター

M

とにかく安全性への徹底したこだわりに脱帽!ここまでの検査の多さは類を見ません。医薬品視点で製造&開発された「デルモコスメティック」だからこそ。皮膚疾患に悩む人から高い支持を得ている理由がわかった気がします。


温泉水の充は1秒間に1本のスピード!


\\検品は人の目でしっかりと行っています//

「アベンヌ ウオーター」の製造は、ボトルそのものや充填する場所など、すべてのゾーンを無菌状態にすることからスタート。アベンヌ温泉水を注入して蓋を乗せ、窒素ガスを入れて外蓋をのせるという工程。10分ごとにサンプル用のアイテムをピックアップして検査に回すというから、いかに品質の担保を重視しているのかがわかる!

アベンヌ テルマリズムセンター 広報スタッフ

コラリー ゲランさん

 

ブランドが一堂に会す旗艦店 ラボ

2019年12月にオープンした、ピエール ファーブル デルモコスメティック社の取り扱うブランドがずらりとそろう旗艦店。ブランドの詳細を理解してもらうのが目的で、ここでのお客様の声を本社に届ける役割もあるそう。ケアの実演やアイテムの説明を行うラボエリア、ワークショップで有効成分を学ぶエリア、フェイシャルやヘアケアを行うキャビンなど、さまざまな体験が可能。


トゥールーズの中心にある広場からすぐの場所


\\環境に配慮したリサイクル箱//

ボトル購入後にボディシャンプーやクリームなどの量り売りが利用できたり、プラスティック容器を回収するポストを設置するなど、廃棄物を少なくすることを意識しているそう。ポストには、他社の容器を入れてもいいというから驚き!

デルモコスメティック・エキスパート

クレマンス セルヴァンさん

美容賢者

ライター

M

顔写真を撮って肌診断し、おすすめアイテムを知ることができたり、日焼け止めが均一に塗れているかを診断するマシンなどがあり、リアルな肌状態を知ることができます。

 

デルモコスメティックの本拠地 ピエール ファーブル デルモコスメティックス社

貝殻を意味する「コキウス」を愛称にもつ本社。アベンヌをはじめとする8つの化粧品ブランドの事業本部などがあります。豊かな自然に囲まれ、近くには経営するワイナリーも。医薬品から始まった会社だからこそ、健やかさから美しさに至るまでを総括的にケアすることを目指して、日々化粧品の開発が行われている拠点です。


\\ミュージアムのような外観!//


植栽が際立つ吹き抜けが美しい社内

ピエールファーブル社は、21か国で35のプログラムを実施する財団をもつことでも知られています。貧困国における医療のデジタル化、薬学部の創設、妊婦の健診センター設立など、グループの利益は、R&Dへの投資のほか、一部が財団に回され、人道的な活動に使用されています。


\\美しい花々が咲き誇っています//


会社の敷地内には、林、ため池や畑などがあって緑にあふれ、まるで自然公園の中にいるよう。昼休みになると、緑を眺めながらテラスで昼食をとる社員の姿が見られます。

 

Q.デルモコスメティックってどんなもの?

A.医薬品に限りなく近い、高機能&低刺激のスキンケアです
60年以上前に「医薬品のように使える化粧品」として創業者が発案した、皮膚科学研究に基づく敏感肌にも対応した低刺激のスキンケアカテゴリーのこと。フランスでは化粧品店ではなく、ファーマシー(調剤薬局)やパラファーマシー(調剤機能のない準薬局)で販売されています。アベンヌはヨーロッパのデルモコスメティックにおいて売り上げNo.1ブランドで「肌トラブルが出たからアベンヌを買う」という認識があるそう。

アベンヌ プロダクトマネージャー

イネス アンベールさん

美容賢者

「え、ここが会社?」と聞いてしまう程、豊かな緑とリラックスムードを感じられる空間でした。こんなゆったりとした場所から、堅実な製品が生み出されているギャップがユニーク。

 

多種多様な植物を栽培&研究 植物園


広大な庭園と複数の温室で、約1,300種に及ぶ世界中に由来する植物を有機栽培。そこから採取した種を、多くの公的機関や民間企業に譲渡している、’19年にリニューアルオープンした施設。世界各国の医師や薬剤師、生物学専攻の学生などがゲストとして訪れ、さまざまな治験の交換を行っているそう。研究所と連携し、毎年新たな植物由来成分を発見しているのだとか。


薬草庫には多くの植物の標本がずらり


エントランスには、製品に使われている植物と製品を紹介するコーナーや、ピエール ファーブル デルモコスメティック社の環境や社会に対するコミットメントを解説するコーナーが。また、創業者の書斎を復元した部屋があるなど、訪れた人がさまざまな視点で楽しめます。


フランスのさまざまな地方の植物はもちろん、アジアやアフリカなど異なる気候の国に由来する植物も多数栽培。温室では希少な絶滅危惧種も育てているのだとか。

美容賢者

ライター

M

広大な土地にさまざまな植物が育ち、虫が飛び交い、お散歩気分を満喫♪熱帯雨林の植物を育てる温室では湿度75%を保っているため、むわっとした熱気で、過酷な環境を実感しました。

ボタニカルエキスパート

イシャム シャタンさん

 

Q.植物へのこだわりが強い理由は?

A.創業者が、植物から有効成分を発見したことがすべての始まりだからです
創業者のピエール ファーブル氏は薬剤師でした。’51年に薬局をオープンした際、脚のむくみに悩む女性たちのために、植物学にも詳しかった彼が飲用薬を作ったのが始まり。その後、薬品メーカーとなり、後に化粧品(デルモコスメティック)を製造するように。「自然こそ人間の生命と美の規範であり、到達すべきひとつのゴール」という氏の信念がすべての基盤となっているため、今日でも植物の有用性などの研究をしています。

 

『美的』2023年11月号掲載
撮影/藤澤由加 イラスト/Akemi Akira 構成/増本紀子(alto)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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