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2023.10.8

“Mattママ”桑田真紀「絶対に裏切らない味方になる。それは自分たったひとりでもいい」|美的GRAND


夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして活躍中のMatt氏。専業主婦から一念発起し、公私ともに支える桑田真紀さん。
根っからの「応援体質」の真紀さんが、彼らの才能をどうサポートしているのか。真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親といった身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはずです。

「絶対に裏切らない味方」になる。それは自分たったひとりでもいい

桑田真紀
東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(読売ジャイアンツファーム総監督)と次男・Matt(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。

結婚、出産、子育て、会社経営。すべて「大丈夫!」で乗り越える

「一生独身で働いて生きていく」と思っていたのに、縁とは不思議なものです。プロ野球選手と結婚し、そのまま専業主婦に。仕事人間を目指していたのに、正反対である家事と子育て中心の毎日。23歳のことでした。

「社会に出て思う存分働きたかったのなら、こんなはずではなかった……と思わなかったのですか?」とたまに訊かれますが、夫と結婚したときにはもう腹が括れていたので、家庭を支えることに全力投球、それに専念しようと決心していました。やっているうちに、その中で自分なりの楽しみや生きがいが見つかるのではないか、と。でも、本音を言えば、当時はその生活を楽しめてもいなかったのも事実です。最初のうちこそ、「いったい、これをどうやって楽しめばいいの?」と思う程大変でしたが、だんだん慣れていくうちに、苦しい中でも小さな楽しみを見つけられるようになっていました。

それは本当に些細なこと。お風呂に入る時間も寝る時間もない。制限もたくさんある。その中で、家の中でできる自分だけの小さな世界をその時々でひとつ見つけるようにしていました。私は珈琲が好きだから、ちょっとこだわった1杯を淹れてみようかという風に。本当に小さなことかもしれないけれど、気のもちようや捉え方で、かなりリフレッシュできたものです。

長男が2歳のとき、Mattが生まれました。ただでさえ男の子は元気がいいと聞きますが、アスリートの血を引く彼らは、大げさではなく一日中、超アクティブ。試行錯誤ばかりで、こういう感じかな?これで合っているのかな?いつもそういう感じでしたが、心掛けていたことは、「とにかくそのことに集中すること」。そして「絶対大丈夫!」という謎の自信。もしかしたら、自分に暗示をかけようとしていたのかもしれません。今までの人生が正解かどうかはわからないのですが、そうやってひとつひとつ乗り越えてきました。

「絶対大丈夫。なんとかなる」という強い自信や根拠はいったいどこから?

結婚するとき、夫は多額の借金を背負っていましたが、それでも「大丈夫!なんとかなる」とか、故障して手術とリハビリで投げられるかわからなくても「大丈夫!」。自分でも不思議なのですが、それは「何事も絶対乗り越えられる」という母の教えがあったから。いつも私を肯定してくれて、決して叱らないで、すべてを認めてくれていた母。母からしたら、「これはちょっと違うんじゃない?」と思ったこともあったはずです。それでも黙って見ているだけで、私を制止することもない。数々の苦労があったにもかかわらず、淡々と乗り越えてきた母の姿を、私は間近で見てきました。でも、大変そうな姿をいっさい見せずに、粛々と。その母が私のロールモデルであり、家族の意思や自主性を認めて、許して、根拠もなく大丈夫だと思えるのは、それが根底にあるのだと思うのです。

親の介護、父の事業のサポート、私たち姉妹の世話。母はなんでもひとりでこなしていて、「真紀たちはできるときに手伝ってくれる?」というスタンス。今思えば、大変だったろうに、決して慌てず騒がず、黙々と乗り越えていくのです。家族のことを否定しない。叱らない。全肯定してもらえる。Mattのことだってそう。母世代の価値観では、Mattの価値観はなかなか理解し難いものだと思うのですが、いつだって「頑張ってるね!」とニコニコと笑顔で肯定してくれるのです。絶対的に応援してくれる人がひとりいる。道なき道だとしても、自分を信じて伴走してくれる人がいる。仮に、世の人々に非難されても、自分の絶対的な味方がひとりいると思うだけで、勇気が出るもの。だからいつだって「大丈夫!」と自信が持てるのです。私はそういう存在になりたいのです。私は応援している誰かを絶対に裏切らない、揺るぎない味方に。

たくさんの人でなくとも、たったひとりの味方がいれば、人はなんでもできるし強くなれる。たったひとりの確実な味方がいるだけでいい。そう思いませんか?異なる意見を出し合ったり議論したりして答えを見つけていくのも「チーム」を作ることにおいて大事なこと。でも、「必ずなんとかなるから」と黙って淡々と人生を伴走してあげることも、またひとつのチームの形であり、個人の才能を開花させるとても良い方法なのかなと考えています。

 

Maki’s キレイの源


「呼ばれるように」訪れた伊勢神宮。初めての参拝でしたが、とても尊い経験でした。


珈琲が大好き。長男が私好みの豆をセレクトし、毎日挽きたてを淹れてくれます。


芸能の神様「佐瑠女(さるめ)神社」にも足を延ばして。Mattのスケジュールの合間を縫ってうかがいました。


Mattがイギリスから帰国した後、家族で食事。リッツカールトン東京の「ひのきざか」にて。

 

桑田真紀【全方位「推し活」力の磨き方 】そのほかの記事はこちら

 

『美的GRAND』2023秋号掲載
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 構成/三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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