唯一無二の魅力に満ちたフランク ミュラーのトノウ カーベックス【グラン世代を美しくする「肌映えウォッチ&ジュエリー」第13回『フランク ミュラーのトノウ カーベックス』】
まばゆい光を放つハイブランドのアイコン的ジュエリーや、時を刻む以上に『所有する喜び』を感じられる名作時計。スタイリストの青木貴子さんがセレクトする、グラン世代の肌や顔立ちをより魅力的に見せる憧れのアイテムたち。毎月お送りするこの連載で、お気に入りの一品が見つかりますように。【グラン世代を美しくする「肌映えウォッチ&ジュエリー」第13回『フランク ミュラーのトノウカーベックス』】
時間をかけた丁寧な仕上げが創り出す、究極の美しさ
時計/トノウ カーベックス[PG、ケース径35×25㎜、クォーツ、クロコダイルストラップ]¥1,485,000(フランク ミュラー ウォッチランド東京〈フランク ミュラー〉) ジレ¥209,000、トップス ¥72,600(参考価格)、パンツ ¥117,700(アオイ〈ファビアナフィリッピ〉)左耳/ピアス [K10YG×ダイヤモンド]¥73,700、イヤカフ[K10YG]¥53,900 右耳/イヤカフ[K10YG×ダイヤモンド]¥75,900(ヒロタカ 表参道ヒルズ〈ヒロタカ〉)
時間をかけた丁寧な仕上げが創り出す、究極の美しさ『フランク ミュラー』。今から31年前、その登場はあまりにも衝撃的でした。クラシカルな時計なのに、どこかキャッチーで個性的。エレガントでいてその印象はアヴァンギャルド。“ある”ようで“なかった”ものを編み出すのはいちばん難しい。突如現われたこのブランドは一体なに?誰が作り出しているの? と当時話題に上りました。プロフィールを聞いてなるほど納得、それもそのはず、並外れた才能の持ち主がその類い稀な時計を創り出していたのです。
その人、フランク ミュラーは履修に3年かかるジュネーブ時計学校の単位をたった1年で習得、在学中に数々の賞を受賞し、卒業と同時に著名なコレクターやミュージアムから仕事の依頼を受けるなど、桁外れのキャリアをスタートさせた人物。その後も数多のブランドからの誘いを受けましたがそれを固辞し、彼は自身の時計作りの道を歩み始めました。
1983年にはそれまでポケット・ウォッチにしか使用していなかった複雑機能を腕時計に搭載するなど、誰も考えもつかなかった時計を考案、以来30本以上もの超複雑腕時計や新案特許を発表。そして満を持して1992年、自身のブランド『フランク ミュラー』を立ち上げたのです。そして瞬く間にその技術とセンスで世界の時計好きを虜にしたのは周知の事実。
右)トノウ カーベックス パスティーユ[クォーツ、18KPG、35×25mm、クロコダイルストラップ]¥2,145,000
左)トノウ カーベックス レリーフ ダイヤモンド[クォーツ、18KPG×ダイヤモンド、35×25mm、クロコダイルストラップ]¥3,245,000
今回ご紹介する「トノウ カーベックス」は時計好きを震撼させた『フランク ミュラー』登場時からの代表的なモデル。トノウ型は以前から他のメーカーでも出していた形ですが、彼は3次元曲線による構成を施した、丸い球体の一部に見えるような極めて立体的なフォルムを生み出しました。これまで見ていたトノウとは明らかに異なった新しいトノウの表現が、人々の心を掴みました。その丸みを帯びた曲線はとてもカービィー、愛着のわく唯一無二の独特な魅力を持っています。
フォルムとともに彼がこだわっているのが、時計の顔とも言える文字盤の美しさ。目を引くインデックスやギヨシェ彫は全て職人による手作業で進められています。あの精巧な文字も緻密な彫も全て、です!
そして文字盤を彩るエナメルは、塗っては乾かすを数回丁寧に施し、色を安定させます。その後透明のエナメルをかけ表面をコーティングするのですが、一度塗ったら30分ほど真空状態において完全に乾かす、そしてまた塗るといった作業を20回ほどしているのだそう。単純計算しても10時間以上が費やされています。この完全主義とも言える作業が施されているから、その文字盤は鮮やかで艶やかで美しいのです。
私たちが塗るネイルエナメルも同じですよね。綺麗に仕上げようと思ったらそれ相応の時間をかけないと美しさは得られません。サッと軽く塗っただけだと色は綺麗には出ないし、重ね塗りは時間をかけて丁寧にしないとすぐよれちゃう。“時間をかけて丁寧に”。美を追求するには何にせよこれに尽きると言うことですね。
妥協をせず、十二分に手をかけた工程を経て作られた、『フランク ミュラー』の時計はうっとりするほど端正で魅惑的。精巧な複雑時計の機能と美しい文字盤、オリジナルティ溢れるビザン数字の羅列、他では表現できない造形美がそこにあります。次なる時計を狙っているなら知的でスタイリッシュなトノウ カーペックスに注目を。必ずや印象的で美しい手元を演出してくれます!
フランク ミュラー ウォッチランド東京 03−3549−1949
アオイ 03ー3239−0341
ヒロタカ 表参道ヒルズ 03−3478−1830
テキスト&スタイリング/青木貴子(whitebox) 撮影/葛川栄蔵 ヘア&メイク/岡田知子 モデル/クリス-ウェブ佳子 構成/三井三奈子(本誌)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。