「有言したからには、必ず実現する覚悟を」実行力を身につけるには？｜石井美保の美になる話。vol. 19

読むだけで、昨日よりちょっとキレイになれる。石井美保さんの注目の連載、第19弾です。

vol.19｜実行力を身につけるには？

有言不実行になるのは、期日を決めていないから。
いつまでに？という期日＝覚悟を決めて臨む目標なら、必ず達成できます

非現実的な夢はかなわないが、具体的な目標は必ずかなう

混同されがちですが、私は夢と目標は全くの別ものだと思っています。夢は「いつか白馬に乗った王子様が…」というような非現実的なもので、決して手が届かないもの。だから私に夢はありません。一方、目標は、期日を決めた上で具体的にイメージ化できる事柄。これはたとえ“夢みたいなこと”でも、必ず実現できると思っています。

例えば、「ビルをもちたい！」と思ったとして（既に大金もちとかは別ですが）、現状では到底達成できそうにない場合でも、じゃあ「いつまでに？」「いくら必要？」「場所は？」「どうやって進める？」など、実際にビルをもつために必要となる具体的なプロセスがきちんと描けているのなら、それは実現できます。

例えば“10年後”など期限を決めておくことで、そこから逆算して、1年ごと、1か月ごとにするべき内容が明確になり、ゴールに向かうためのステップが具体的に描けるので、一歩ずつ着実に進んだ先にかなえられます。何事も、「いつでもいいよ」「いつかやろう」となると、大抵やらずじまいに。それは別に誰に責められるでもなく、自分に言い訳もできるから。でも「明日の15時までに」「来週までに」など期日が決まった途端、予定や行動をやりくりして、なんとか間に合わせようとしますよね？それは、遅れたり、できなかったりすると責められるし、自分にも罪悪感が生まれるから。だから、人は期日を決めるのが怖いんです。期日を決める、すなわちそれは達成する覚悟を示すことだから。

有言したからには、必ず実現する覚悟を

さて、『有言実行』という言葉があります。もちろん目標を言葉に出して周知させることで、ごまかしが効かなくなり、手も抜けなくなるという点で、言葉にすることは物事をなす上でとても大切なことです。周囲に話していることで、思いがけず知人のつてなどで目標へと一歩近づく…なんてケースもありますしね。でも、ただ言っているだけではダメ。必ず「いつまでに○○をする」という期限つきの文脈で話すこと。

実はこれ、自分が聞き手に回った際にも重要なポイント。「いつか○○したいんだよね～」と壮大な夢を語る知人や友人、誰かしらいるかと思います。これは実際私がしていることなのですが、「いつまでに？どういう計画なの？」と話の冒頭で尋ねるんです。もしこの質問にスラスラと答えが返ってくるようなら、現実的な目標だと思うので、相談に乗ってあげても良いと思います。反対に、ノープランでいつか…ということなら、これは夢の話で、自分にとっても相手にとっても今すぐ議論をしても時間の無駄になりかねない。漠然と夢を語るだけで終わる「有言不実行」は、聞かされた相手の時間までも奪っている、という目線を少しもてると互いに有意義な時間が過ごせそうです。もちろん、本気だけれど進みあぐねている方には期日やプランが固まってから改めて相談にのってあげるか、力技ですがその場で一緒に期日を決めても良いかも。

目標をかなえた経験が次の目標への勇気になる

実はこれまでお話ししたことは、実際に私が目標を実現した成功体験に基づいています。それは、港区麻布十番の1Fの路面店にサロンをもてたこと。その前はビルの2～4Fで営業をしていたのですが、「ここでサロンができたら素敵だな」という理想的な場所を見つけたんです。スタッフにも「いつかここにお店をもちたい」という話をしたところ、強く賛同してくれたのもあり、数年以内というやや広めなスパンで期間は設けつつ、進め方自体は具体的かつ詳細に思い描いて、計画を立てました。すると、2～3か月後くらいに、その場所のオーナーさんがちょうど移転のタイミングだったようで、「その気があるなら石井さん、（この場所に）入りませんか？」ともちかけてくださったんです。元はたったひとりで、10畳のワンルームでサロンを始めた当時、夢にも思わなかったことなのに、具体的にイメージした途端、実現したんです！

ちなみに、もうひとつ重要なのが、目標に向かう過程でよぎる「やっぱり私には無理だ…」というネガティブ思考をいっさい捨てること！「無理だなんて誰が決めたの？」「絶対にかなえる！」と私も自分に言い聞かせ続けていました。『たとえ夢みたいな話でも目標にすれば実現できる』――これが経験から学んだ私のモットーです。