石井美保「50歳は、もう一度生まれ変わるタイミング」美容と人生のこれから
今年50歳を迎えた美容家・石井美保さん。7月4日・5日には、50歳の誕生日を記念した特別なバースデーイベント『VOYAGE de BEAUTÉ Miho Ishii 50th Anniversary』も開催。年齢を重ねることへの不安や葛藤を乗り越え、今感じているのは「これからが楽しみ」という新たなステージへの期待。積み重ねてきた美容が自信となり、新たなスタートラインに立った今。50代だからこそ楽しみたいこと、美容との向き合い方、そして美的読者へのメッセージを伺いました。
50歳は、もう一度生まれ変わるタイミングなのかもしれない
●50歳を迎えた今の率直な気持ちを教えてください。
意外と懸念していた不安とかはなくて、ただワクワクしています。今までだったら、年齢とともに色んなものを諦めたり、手放したりして、歳を重ねるとできないことが増えてしまうイメージだったんです。「この年齢だし、しょうがない」「諦めよう」ということがどんどん増えていくのかなと。でも、いざ50歳を迎えてみると、そういう心配事は全くなかったです。自分なりに分析してみたのですが、今まで自分が積み上げてきた”美容”というものがある。ここから先、50歳以降の人生はもっともっと長いと思うので、この先自信を持って生きていくための準備を、今までしっかりできていたのだなと実感しています。そして、50歳という節目で、赤ちゃんに一度生まれ変わったような、新しい気持ちで今いるんです。本当に自分でも驚いていて、新鮮な気持ちで新しいことに挑戦してみようと思っているところです。
●49歳を迎えた昨年とは、全く別の感情ということでしょうか?
そうですね。49歳を迎えたときは、肩が痛いとか、更年期症状を痛感することも多く、精神的にも落ち込むことが多々ありました。それこそ、美容家として表舞台に立ちたくないなと思うこともあり、マイナスな気持ちも正直ありました。もう美容家としてお伝えできることは伝えきったのではないかとか、老いていく姿を皆さんに見せたくない、そんな気持ちもありました。色々な感情が巡って、落ち込んだんです。昨年は50歳を迎えることがちょっと怖かったですし、不安がありました。でも肩の痛みも乗り越えて、特にこの半年間はバースデーイベントに向けて準備をしてきたので、結果的に今まで積み上げてきたものがこの50歳を迎えるための準備だったのかなと思うと、やるべきことをしっかりとやりましたし、いい感じで50歳をスタートできたなと思っています。「あれ、なんか今がいちばん調子いいな?」と思える毎日です。「この肌とこの体で50代を迎えられるなら、結構良くない?」と。結局、自分が今まで積み重ねてきたものが自分を励ましたなと思いますね。
●この1年で、新たに挑戦してみたいことを教えてください。
美容家として新しいアプローチ方法で、美容の楽しさを伝えていけたらいいなと思います。今までは、私がこうやって積み上げてきたもので、こんなふうになれたよと伝えてきたつもりなのですが、新しい伝え方がないか、絶賛模索中です。今回のイベントもちょうど1年前くらいから始動しまして、節目の年でもありますし、今までやってきたことの集大成をちゃんとお見せできると思い、実現できました。
●30代、40代を経て、「50代だからこそ楽しめそう」と感じていることはありますか?
50代って何をしても、あまり何にも言われないかなって思うんです。私が思うに、40代がいちばん顕著で、「40代なのに」とよく言われるんです。「40代なのにピンクの服を着ている」「40代なのに、そのポニーテール?」「40代なのにメイクが華やかすぎる。おかしい!」これは、私が実際にSNSで言われてきた言葉です。皆さんが考える年齢に対する枠組みから外れていると、とにかくご意見をいただくことが多かった。私は私の"好き"を大切にしているタイプなので、そのようなことを言われても自分の好きを変えることはありませんでした。ただ、面倒くさいなぁとは思っていました(笑)。でも、50代になったら「自分の好きなことを楽しんでいて、いい!」という意見が多い気がするんですよね。自分よりもちょっと先輩の方々を見ていても、好きを大切にする姿勢に対して賞賛されていることが多い気がします。「この年齢だから、こうでいなきゃいけない」という縛りが、40代のときと比べて少し優しくなる気がしているので、ファッションもメイクも今まで以上に全力で楽しんでいきたいなと思っています!
●ご自身への50歳のバースデープレゼントは買われましたか?
実は、まだ何も買っていないんです。今まで30歳、40歳と、節目ごとに必ず自分へ時計を贈ってきたんです。50歳の節目の年も時計かなと思って見に行ったりもしたんですけれど、50代の自分が身につけたい時計がまだ決まっていないんですよね。今までは、こんな40代を過ごしたいという思いを込めて、憧れとともに贈る時計を決めていたんですが、先ほどもお伝えしたとおり、一度リセットされた気分なんです。赤ちゃんに生まれ変わったような気持ちで50歳になったので、50代の私にふさわしい時計が、まだわからないんです。50代は、心から好きなものをもっともっと楽しんでいきたい!と思っているので、何に心が傾くのか、まだ未知数なんですよね。だからこそ、思う存分”好き”を楽しんだ後に、心に響く時計が見つかったらそのときに自分へプレゼントすればいいかなと思っています。
美容は義務じゃない。心から楽しむために伝えたいこと

●今回のバースデーイベントで楽しみにしていたことは?
今回のイベントの開催を発表してから、「イベントに向けて自分磨きを頑張ります!」とか「イベントの前日はフルでメンテナンスを入れています!」とか、うれしいコメントをたくさんいただいています。私以上に、皆さんすごく気合を入れて、ピッカピカなお肌で来てくださることもうれしいですね。今回のイベントをひとつのモチベーションとして楽しんでいただけたんだなと思います。うれしさと同時に、美容に対して義務感を感じてしんどくならないで欲しいなとは思います。それこそが、今回のイベントのテーマでもあります。美容というのは、「キレイにならなきゃ」という気持ちが強く、周りと比較してしまったりすると思うんです。美容を頑張っている人が年々増えていて、世の中に求められる美の基準が、どんどん上がってしまっているのが現状。私たち美容家やメディアが発信している内容もひとつの要因で、「こうならなくちゃいけない」「あれやらなきゃいけない」「こうなるためには、これを使わなきゃいけない」みたいな、キレイじゃないと許されないような圧を、皆さん感じてしまっているのではないかなという懸念があります。楽しくポジティブな気持ちで美容に向き合えている方はいいんですが、そうではなく義務感で苦しみながらやらなきゃいけない、やらないと世の中から批判されてしまうと思っている方々に、そんなふうに思わなくていいんだよと今回のイベントで伝えたいです。美容というのは、「好きなものを単に追求して楽しむ」こと。これでいいんだと思うんです。特にビューティはその世界観というものがすごく大事だから、好きな世界観を楽しむという心があったら、勝手にキレイになっていくと思うんですよ。このイベントは、本当に私の好きを詰め込んだ私の世界観を最大限に表しました。きっといらしていただく方々というのは、私の世界観に共感していただいているから申し込んでいただいたと思うので、好きな世界観にどっぷりと浸かっていただいて、テンションを上げていただき、その前向きな気持ちで美容を楽しんでいただけたらいいなと思っています。皆さんがこのイベントでどう’美容’に関して感じたのか。私からのメッセージをどう受け取って、どんな表情で帰っていくのかを、裏からチラッと見るのがいちばん楽しみです。
●確かに。石井さんやゲストの方々とのトークを聞いて、皆さんの心情の変化もありそうですよね。
美容サロンの経営をしているのですが、いちばんの楽しみはお客様の来たときと帰るときの表情の変化。来たときはどよーんと曇った表情をしている方も、「別人に生まれ変わりましたか?」と驚くくらい、明るい表情で帰られる方が多いんです。この変化を近くで感じられることがうれしくて、美容サロンの経営を続けられている理由のひとつでもあります。今回のイベントは拡大版ということで、より多くの方々の表情の変化を感じられるのではないかと思い、ワクワクしています♡
●忙しい日々の中で自分をご機嫌に保つコツはありますか?
身の回りのものをすべて、自分の好きなもので囲むことです。例えば、家の中でも自分が好きじゃないものはひとつも置きません。ゴミ箱でもティッシュケースでも、身の回りにあるものは全部自分のお気に入りのもので囲んでいます。人間関係も含めてなのですが、自分が嫌だなと思うものに対して、目をそらして知らないふりをしないことが大切かなと思います。自分の心がときめくもので囲まれていると、癒やされて常にご機嫌でいられると思います。
誰かではなく、自分自身をもっと見つめてほしい

●年齢を重ねたからこそ手に入った"美しさ"はなんだと思いますか?
自分を認めて、生きてあげられている美しさがあるということ。自分はこれだけやってきたという積み重ねからくる絶対的な自信があるので、芯がぶれないですし、自分を見失わないと思います。若いときって自信がないから美容と向き合う方が多いと思うんです。美容でコンプレックスを解消して、自信を持ちたいと思っている方が多いのかなと。経験や積み重ねてきたものが浅ければ浅いほど、自分が何者にもなれないから、自信がないんですよね。だからこそ、頑張って努力を積み重ねていくんだと思うんですが、私の場合はもう年齢を重ねてきたからこそ、今まで積み重ねてきたものがすべて自分の自信につながってるので、自分を認めてあげたいなと思います。すごく自信があるわけではないのですが、単に自分を否定しないであげられるので、生き方が楽になったなと思います。
●美容で「頑張ること」と「力を抜くこと」の線引きはありますか?
これは年齢に関係なく、努力でどうにかなるものはコツコツ頑張ればいいですし、自分の力でどうにもならないことに目を向けて、クヨクヨするのは意味がないと思います。例えば、シワ1本も許さないみたいな考え方は捨てて、自然な流れでなっていくものに対して必死に抗わないこと。そのほうが、心の健康にもいいですよね。
●最後に、美的読者にメッセージをお願いいたします。
「自分へのフォーカスをもっともっと大切にしてほしい」とお伝えしたいです。情報過多の時代で、自分の顔を研究して何かを取り入れるというより、他者を見て「いいな」と思った憧れの要素を、ただ取り入れる方が増えている気がします。もはや、自分自身を見ていない方が多いと思います。SNS上のキレイなものをたくさん見て、「自分はもうだめ」「この子とこんなにも違う」と、自分に不合格をつけて、憧れの子に近づくためにどうにかキレイになれないかと苦しみながら美容と向き合っている方が多いなと思うんです。そんなふうに美容や自分自身と向き合っていたら、心から幸せになることは難しいと思うんです。私はいろいろな媒体で「鏡をよく見ましょう」と伝えていますが、自分の顔をよく見て、自分自身をもっと研究してみてください。昨年と比べたら、今年のほうがこうなれたなとか。昨日と比較して、今日の顔色のほうがいいなとか。自分自身との比較を、もっともっと大切にしてほしい。そのためにも、まずは自分をもっとよく見てあげることが大切だと思います。昨日より今日の自分のほうがいいな、と自分自身を肯定してあげることで、肌もキレイになっていくと思います。私は家中に鏡を置いて、どんなところでも自分をチェックできるようにしています。もはや最近は、家中の鏡が全部拡大鏡!前までは怖かったんですけれど、拡大鏡を見ないということは、自分のちょっとした変化にも気づいてあげられないなと思い、自分自身と向き合っています。肉眼ではわからないわずかな変化にも気づけますし、拡大鏡を見て見つけた小さいシミやシワは、スキンケアでカバーできたりするんです。拡大鏡で見て気になった悩みを日々のスキンケアで潰していくと、結果的に大きな何かが現れないのでおすすめです。鏡をずっと見ているというと、自分が大好きな人に思われるんですが、そうではなく、私は自分自身が研究対象。変化を見つけるために、必ず毎日20倍の拡大鏡で、毛穴ひとつひとつ、キメのくずれ方、シワの入り方をすべてチェックしています。スキンケアを頑張っても結果がわからなかったら辛くないですか?だから、ちょっとした変化でもわかるようにチェックして、どう変わったかの結果を確認することが、美容を続けられるモチベーションにもなります。ですから、美的読者の皆さんも、ぜひもっともっと鏡を見ましょう!スマホを見て落ち込む時間があったら、鏡を見ましょう!
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「誰かと比べるのではなく、自分自身をもっと見てあげること」。石井さんが教えてくれた、自分らしく美しく歳を重ねるためのヒントを、ぜひ日々の美容に取り入れてみてください。
PROFLIE
石井美保(いしい・みほ)
麻布十番「Riche」リッシュ-のサロンオーナーとして美容パーソナルコンサルティングなどを行い多くの女性を美に導くと共に自社製品の開発•販売も手がける。
近年は美容家として女性誌にも多く取り上げられ、著書「一週間であなたの肌は変わります」(講談社)では石井式メソット”こすらない洗顔”が話題となり、2020年美容本ランキング1位を獲得。
美容家として美容系CM広告にも出演のほか、大手企業の商品プロデュースのコンサルティングも行うなど活動は多岐にわたる。
美的で大好評連載中♡ 石井美保さんの連載「美容家 石井美保の語りたいコスメ」はこちらから!
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
美容家
トータルビューティーサロンRiche代表 麻布十番にまつげサロンを10年経営し、アイリストの育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と底なしのコスメの知識を持ち、幅広く活躍中。プライベートでは中学生の娘を持つ母親でもある。