ゲランから“女性のための空の香り”が誕生。専属調香師デルフィーヌ・ジェルクが語る、新『ルール ブルー』に込めた想い
1912年に誕生したゲランの名香『ルール ブルー』が、110年以上の時を経て、新たな姿で登場。原点への敬意を受け継ぎながら、最新の香料を取り入れ、“女性のための空の香り”へと昇華しました。ゲラン専属調香師デルフィーヌ・ジェルクが、その開発秘話を語ります。
ゲランが誘う、魔法のような「蒼の時」

ゲラン ルール ブルー オーデパルファン
30ml ¥12,320円、50ml ¥17,600
夕暮れから夜へ、そして夜明け前から朝へ。世界が深い蒼に包まれる「蒼の時」。その幻想的な一瞬に着想を得て1912年に誕生した名香『ルール ブルー』が、現代の感性をまとって登場。
フレッシュなオゾニック アコードが、空そのものが肌に舞い降りたかのような透明感と、冷たく澄んだ空気感を演出。アイリスを中心に、マシュマロを思わせるギモーヴ アコード、陽光を思わせるオレンジブロッサム、さらに濃密なヴァニラがやわらかな余韻を紡ぐ。
“女性のための蒼”を香りに。調香師が語る『ルール ブルー』に息づく伝統と革新

Q. 「蒼」をテーマにした香りをつくるうえで、どのような風景や感情を思い浮かべましたか?
インスピレーションとなったのは、私がパリで暮らしていた頃に見た「蒼の時」です。フランスには夕暮れ時にテラスでワインを楽しむアペロ(Apéro)という文化がありますが、その時間帯の空が本当に美しいんです。
昼から夜へと移り変わる「蒼の時」は、とても短く、刻一刻と表情を変えていきます。少し肌寒さを感じながら、自然の美しさを受け止める、どこか高揚感に包まれる瞬間。その儚くも美しい情景を、香りで表現したいと思いました。
Q. "女性のための蒼"を表現するうえで、どのような想いを込めましたか?
蒼は男性向けのフレグランスとして表現されることが一般的です。だからこそ私は、女性のための"蒼の香り"をつくりたいと思いました。
男性がつくる女性向けの香りには、どこか理想化された女性像が描かれていることがあります。でも私は女性として、まるで姉妹のような距離感で、女性に寄り添う香りを届けたいと考えています。
それは官能性を前面に押し出すのではなく、身につける人をそっと守り、気持ちを前向きにしてくれる香り。そして、自分らしさを思い出させてくれる香りです。女性は強さも優しさも併せ持つ存在。その二面性を、この香りで表現したいと思いました。

Q. 調香する中で、こだわったポイントや試行錯誤した部分はありましたか?
最も大切にしたのは、1912年にゲラン3代目調香師ジャック・ゲランが生み出した『ルール ブルー』の魂を受け継ぎながら、現代の感性で新たな息吹を吹き込むことでした。
特に、オリジナルの核となるアイリス、オレンジブロッサム、ヴァニラは残したいと考えました。またフランス菓子のギモーヴ (マシュマロ)を思わせるギモーヴ アコードにもこだわりました。詩的で優雅、そして柔らかな印象を与えるこのアコードこそ、『ルール ブルー』の魂だと思っています。

一方で、現代だからこそ表現できる新しさも加えたいと考えました。その象徴となったのが、合成香料のカスカロンを用いたオゾニック アコードです。
洗いたてのリネンのような清潔感と透明感、そして夜が始まる直前の少しひんやりとした空気を表現しています。空に香りがあるとしたら、まさにこの香りでしょう。
1912年当時には、この香料は存在していませんでした。つまり、オリジナルでは決して表現できなかった"新たな空の香り"を描くことが、今回の大きな挑戦だったのです。
Q. アイリスの表現にも、ゲランならではのこだわりがあるそうですね。

ええ、アイリスは『ルール ブルー』の中核となる香りです。ゲラン独自の香料であるアイリス チンクチャーを生み出すため、約3年もの歳月を費やしました。
アイリスの原料を粉末状にし、一定期間アルコールに漬け込んで抽出するメゾンの伝統技法によって誕生したアイリス チンクチャーは、一般的に使われるアイリスバターよりも、トップからラストまで透明感のあるフレッシュな印象が続くのが特徴です。
伝統的な製法から生まれるアイリスと、現代的なオゾニック アコードとのコントラストが、この香りに革新性をもたらしていると思います。
Q. この香りをより楽しむために、おすすめのレイヤリングやスタイリングを教えてください。
ゲランの他の香りとレイヤードを楽しむなら、ラール エ ラ マティエール エクストレのヴァニラまたはアイリスと合わせていただくのがおすすめです。共通する香料を使用しているため、重ねることで、それぞれの魅力がより豊かに引き立ちます。
また私がこの香りに合わせたいのは、ブルージーンズに白いシャツというシンプルなスタイル。肩の力を抜いた装いだからこそ、この香りの透明感やエレガンスが引き立つと思います。
どんな日でも、自分らしくいられるように、まるで鎧のようなお守りとして寄り添ってくれる存在になればうれしいですね。

Q.日本を訪れて、印象に残っている香りや風景はありますか?
日本に来るたびに感じるのは、風の柔らかさです。まるでシルクのように肌をやさしく包み込むような感覚があります。
また先日、フランスの香料メーカーでヒノキの精油を嗅いだ瞬間、「これは日本だ」と直感しました。ヒノキの香りには、日本ならではの繊細さや詩的な美意識が宿っているように感じます。
いつか、ヒノキや京都の芸者から着想を得た香りも創ってみたいですね。

ゲラン ルール ブルー オーデパルファン
30ml ¥12,320円、50ml ¥17,600
2026年8月26日(水)伊勢丹新宿店 本館1F ザ・ステージ 先行発売
2026年8月26日(水)午前10時 ゲラン公式オンラインブティック、ISETAN BEAUTY ONLINE 先行発売予定 2026年8月28日(金)全国発売
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
スイスで幼少期を過ごした後、ESMODでデザインとファッションを学ぶためにパリへ移住。卒業コレクションでプレタポルテと共にフレグランスを発表した経験から、調香師の道を選ぶ。Drom Fragrancesに入社後、2012年にゲランの大ヒット作〈ラ プティット ローブ ノワール〉を生み出す。2014年、女性初となるゲラン専属調香師に就任。