まとう香りがその人を物語る。美容賢者のこだわりのフレグランス遍歴|美的GRAND
自分と波長が合う香りに出合うだけで、人生はより豊かになり、どんなときでもその香りをまとうだけで幸福感に包まれる…と語る美容賢者たちはどんな香りを愛用しているのか。こだわりのフレグランス遍歴を伺いました。
美容賢者が愛する人生を豊かにする香りとは?
「落ち着く」と「ときめく」の両方を本能で感じる香りの好みは、20代の頃からいっさい変わっていません。「自分らしい香り」との出合いは運命的で、20代前半に海外の空港で出合った「シャネル」の「クリスタル」の香りに脳を掴まれたような感覚になったのが最初。そのときは自分の香りをもっている大人の女性に漠然とした憧れはあったものの、これ、という香りを見つけていなくて、この香りとの出合いで大人へとステップアップできたような感覚になったのを覚えています。「クリスタル」は今も愛用中。こんなに長い付き合いでも、つける度に「脳を掴まれる」…。私にとって唯一無二の存在です。
20代から愛用
この香りに触れると不思議とスイッチが入る感覚に。20代からずっと愛用しています
シャネル クリスタル オードゥ トワレット
「誤解を恐れず言うなら「青くささ×苦み」を感じるところが自分らしく、手放せない。この香りに触れると不思議とスイッチが。思えば、新しい服を着るときは、必ずこの香りをまといたくなりますね」
“Simple and Clean”を自らの哲学としていたマドモワゼル シャネルの思いを2代目の専属調香師アンリ ロベールの手によって完成させた香り。朝露が太陽の光を浴びてきらめく、輝かしい朝のイメージのフレッシュフローラル。
100ml ¥15,070
現在
集中力を高めたいときと、リラックスしたいときに。オンとオフでメリハリをもたらす香り
ON|エルメス オー ドゥ シトロン ノワール オーデ コロン
「メンズライクなジャケットやパンツ、トレンチコートなどに、インテンスカラーの口紅をさし、この香りでさらにマニッシュの仕上げをします」
シトロン系の鮮やかな清涼感の後、スモーキーなウッディノートが浮かび上がる。
100ml ¥16,280 (c)Studio des fleurs
OFF|シャネル レ ゾー ドゥ シャネル パリ ドゥーヴィル オードゥ トワレット
「オフのリラックスシーンで愛用。旅をテーマにした香りだけあって、開放的な気持ちに。ざっくりとしたローゲージニットに合わせたりしています」
オレンジの果皮、バジルの葉、ローズなどフレッシュで躍動感ある香りが美しい草原を思わせる。
125ml ¥18,700
女らしさを主張する香りから、今は自分を高めて穏やかにする香りへシフト
『美的GRAND』編集長
天野佳代子
20代の頃から名香に触れ、ありとあらゆる香りを試し続けてフレグランスの歴史にも詳しい。また著書の『何歳からでも美肌になれる!』(小学館刊)は現在も大ヒット中。
流行りの香りをまとっていることが自信につながっていたのが20代。そして、30代になると香りは女らしさを象徴するもの、と、甘くロマンティックな香りを選ぶように…。今は自分を高める、穏やかにさせるなど、生活の一部として香りをセレクトします。
20〜30代
「このふたつは今でも好きな香り。『ディオリシモ』は金木犀のフレッシュな香りに魅せられ、『トレゾァ』は当時、甘く華やかな香りで大ブレイクしていました」
優しいスズランの香りは可憐で清楚な表情に。
ディオール ディオリシモ オードゥ トワレ 100ml ¥16,720
バラのトップノートから始まり、官能的なピーチやバニラの香りが立ち上る。
ランコム トレゾァ オードゥ パルファン 50ml ¥9,900
現在
「特別な日だけでなく、香りを生活の一部として取り入れるようになったせいか、“肌になじむ香り”を好むようになりました。そして使用頻度が高いのがこの2品」
フローラルフルーティの香りが高揚感をもたらすボディミスト。
シャネル ロー ルージュ N°1 ドゥ シャネル 100ml ¥13,200
肌と一体化してなじむ、優雅で繊細なフローラルムスク。
コスメデコルテ キモノ ツヤ オードトワレ 50ml ¥8,800
キモノ ツヤ オードトワレの詳細・購入はこちら
自分の肌がもつ香りとのケミストリーを考慮して選んでいます
美容エディター
中尾のぞみさん
『美的』をはじめ、数多くの女性誌で活躍。フレグランスは、カウンセリングを受けたり、自分の肌との相性を考慮しながらセレクトすることも。ニッチなブランドにも詳しい。
香りとはその人の個性を表すもの。なので、大人になるにつれてもっとセグメントされて自分だけの香りが欲しいと思うように…。私は、肌のもつ香りがムスク強めなので、融合しても変化の少ないシングルノートのパウダリー系をつけることが多いです。
中学生〜30代
「初めて使ったのは『ばら園』。同級生の友達がつけていたこの香りに衝撃を受けたのがきっかけ。その後もいくつかローズ系を好んで使っていました」
クラシックローズのフェミニンな香りが、柔らかな女らしさを表現。
クロエ オードトワレ 50ml ¥11,770(問ブルーベル・ジャパン)
1986年に誕生。現在のリニューアル品も華やかなバラの香りが支持されている。
資生堂 ばら園 オードパルファム RX 50ml ¥3,080
現在
「『オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー』は水性香水で肌になじむパウダリーが好み。『ルイ・ヴィトン』は華やかなので、特別感のあるところに外出するときに」
繊細な花々を主役に、パウダリーノートを添えて。
ルイ・ヴィトン ウール・ダプサンス オー ドゥ パルファン 100ml ¥38,500
優しいパウダリー調。
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー オー・トリプル ヘリオトロープ・デュ・ペルー 75ml ¥20,350
話題の香りをあれこれ楽しんでいた20代。今は自然を思わせる癒しの香りを
美容エディター
猪原美奈さん
美容に特化した編集プロダクションPRIMADONNA主宰。現在は『美的』エディトリアルディレクターを務める。またイタリア留学経験から、イタリア文化にも精通。
若いときは、人気のフレグランスをいろいろ試していて、今でも好きな香りはありますが、少しずつ、自分の個性や好みに本当に合うものを考えるように。今は、甘くなく、草原、植物、海、雨などを連想させてくれる香りが安心できるし、落ち着きます。
20代
「『プワゾン』は当時大流行していて、大人の女性のマストアイテムでした…。一方で『ロードゥ イッセイ』はほかにないすがすがしい香りがとても新鮮でしたね」
官能的なフルーティ スパイシー フローラルは記憶に残る伝説的な香り。
ディオール プワゾン オードゥ トワレ 50ml ¥13,200
水を表現した澄んだ香り。
ISSEY MIYAKE PARFUMS ロードゥイッセイ オードトワレ 25ml ¥8,250
現在
「『アマルフィ』は心が落ち着く香りで、ほぼ毎日愛用。デスクワークが続くときは、草原の風のようなすがすがしい『エスティ ローダー』の香りでシャキッとさせることも」
柑橘系のフレッシュな香調。
トムフォード ビューティ マンダリーノ ディ アマルフィ オードパルファムスプレィ 50ml ¥31,900
甘く爽やかなウッディ ベチバー。
エスティ ローダー ブラッシング サンズ オーデ パフューム スプレィ 100ml ¥23,100
『美的GRAND』2022夏号掲載
撮影/戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー) スタイリスト/小倉真希 イラスト/緒方環 構成/荒川千佳子、岡本治子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
独自の美意識と丁寧な分析力を併せもち、世の女性にキレイになるヒントを発信。『いつも綺麗、じゃなくていい。50歳からの美人の「空気」のまといかた』(PHP研究所)ほか著書多数。