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2022.2.25

老眼鏡と遠近両用眼鏡を「ドイツ式検眼」でつくってみた【三井三奈子「50代からの美容アップデート」vol.6】

さすがに50歳前後になると、近視なり老眼なり、「眼鏡をかけたことがない」という人はかなり稀では? 大人の視力矯正は、近眼・遠視・乱視・老眼が入り乱れ、素人ながらに難易度が高いと想像します。つくってはみたものの、しっくりこないという体験を経て、行きついたのが「ドイツ国家公認眼鏡マイスター」の両眼視検査法でした。【三井三奈子「50代からの美容アップデート」vol.6】

遠近両用眼鏡は便利!手元専用老眼鏡があればなおよし

思えば小学4年生以降、かれこれ40年ほど弱めの近眼用眼鏡を使用。中高生の頃は特段不自由もありませんでしたが、大学生になりクルマを運転するようになってから、「やっぱ遠く見えないわ。眼鏡必要!」ということでつくり直してみるものの、いまひとつバシッとこない。「こんなもんなのかなあ」と半ば諦めていた時、ネット検索でドイツマイスター眼鏡院のことを知りました。何でも、通称「ドイツ式検眼」という「両眼視検査」方式を採用し、それで眼鏡をつくると世界が変わるほど見え方が違うらしい。すぐに予約するも、コロナ禍や仕事の都合でうかがえないまま、ズルズルと半年が過ぎてしまいました。

しかし、ここ数カ月で視力もガクッと落ちている自覚が。ようやくアポを取り直して行ってきました。ショップは東京メトロ銀座線外苑前駅からすぐのロケーション。ドイツでは「眼鏡マイスター」という13世紀から続く伝統ある国家資格を持つ専門家が眼鏡をつくるものなんだそう。日本での取得者はわずか4人で、そのうちの2人がこの「ドイツマイスター眼鏡院」のオーナーである中西謙太さんと広樹さん兄弟。今回は中西ブラザーズ・広樹さんが対応してくださいました。
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まず、中西さんに「遠近両用の運転用がマスト。そして手元を見るための老眼鏡もほしい」と要望を伝えました。実を言うと手元に関しては100均で売っている+1.0という「ツルシの中のツルシ」で全く問題ないのですが、すこぶるよく見えるが、激安すぎて若干心配でもあります。なので、「どうせならこの際両方作ってもらおう」と奮発することに。「遠近両用だけでいいんじゃないの?」と思われがちですが、遠くはともかく、近くは手元なのかクルマの計器なのかで距離は違うし、その20~30センチの距離差で全く見え方が変わるのが老眼。遠近両用と手元用は分けたほうがいいに決まってます。……というのが自身の実感。

問診の後、早速検査です。私たちが小学生の頃から慣れ親しんでいる例の片目での検眼とは違い、両目を使った独特の方法で検眼・調整していきます。そもそも人間というものは、左右の目から得たそれぞれの情報を脳が瞬時に分析・解析して、それを情報として処理・認識するのだそう。だから、両目で検査するのは実に理に適っているというわけです。

そういえば、夏のある日、立ち寄ったセレクトショップの鏡でふと自分を見たら、なんとサングラスのレンズが片方外れていて、まるでタモリ状態(古い……)! 代官山をこんな姿でウインドウショッピングしていただんて。恥。でも、不思議なことに、片方はサングラスの黒いレンズ、もう片方は素通しなのに、両目で見ているとちゃんとサングラスをかけているように視界が暗く見えるんです。え?と思って、片目ずつで見てみると、黒レンズが入っているほうは暗い世界、素通しのほうは明るい通常の見え方、両目でみるとあらどうして、ちゃんとサングラスをしているような暗い状態で見えているのです。どうりで自分ではタモさん状態だということに気づかないわけです……という、消していた過去を思い出しました。その理屈と同じなのでしょうか。

話を戻して……。初めて体験するドイツ式の検査方法でレンズの度数を測定してもらい、次はフレームを選びます。いつも自分の好きなフレームを選んでは失敗するので、「ここはプロにお任せしてみよう」といくつか選んでもらいました。私のキャラクターを全く知らないさっき初めて会った人に、先入観なしで「あたしに似合うと思うものを選んでください!」というのも面白いかなと思って。その中で私が最終的に選んだのはこの2本。いずれもかけ心地いい! 日本人の扁平顔代表の私なのに、今まで無理してかけていたTOM FORD TF5178とはフィット感が違う。これは当然見え方にも影響あるでしょう。

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手前のグリーンのものは老眼鏡に。トレイの奥のショーケース上にある茶色の色違いとでかなり迷ったのですが、中西さんの「グリーンのほうが肌がきれいにみえてますよ」というひとことで「緑にします!」と決心。人一倍くすんでいる私にとっては重要な決め手となりました。黒いほうは運転用の遠近両用。華奢ではないので扱いも簡単で、日常用にぴったりです。

その後、1週間足らずで「できましたよー」と連絡があり、会社帰りにピックアップ。そのままかけて帰りましたが、今までつくった眼鏡の中で一番見え方に違和感なく自然です。気になるお値段ですが、正直安くはありません。特に遠近両用のほうは運転時に使うということもあり、一番視界に歪みが出ないレンズを選び、老眼鏡のほうはレンズ表面が凸っぽく見えないものにしたので、その分割高です。でも、レンズの処方はもちろん、フレームのデザインが顔立ちに似合い、フィット感が適正なものを使うということは非常に快適で心地よく、それだけかける機会も増えると思うのです。今まではかけ心地の悪さから、心のどこかで「ちょっと見えないけど裸眼でいいか」となっていました。まあ、それでどうにかなってしまうほど、視力が悪くはないってことですが。中西さんに「年齢のわりに見えてますよ。大事にしたほうがいい」と言われ、遺伝的に持って生まれたラッキー要素なのだからそれを大変ありがたいことと自覚し、これからはできるだけ目に負担をかけないようにして養生しよう、と誓ったのでした。今までありがたみに気づかず、目をぞんざいに扱ってきたことを猛省しました。

でも、やっぱり気になりますよね、だいたいいくらかかるのか。選ぶフレーム、レンズとその品質、これらの要素の掛け合わせで決まるので人によって違うのですが、私の場合、遠近両用のほうは大卒初任給くらい、老眼鏡のほうはその半分くらい……でした。今はチェーン店もたくさんあり、昔と比べて格安で眼鏡をつくることができる時代ですから、「高い!」と思うかもしれません。実際、高いです。でも、毎日使うものだから、日割り計算したら安いもの。3年=1095日だとして、遠近両用のほうは1日180円以下。老眼鏡のほうは1日80円しないくらい。仮に5年とすると1日100円と45円。忘れられがちですが、眼鏡ってれっきとした医療機器なんですよね。健康に対する投資としてのこの金額、私はアリだと思うのです。

ドイツマイスター眼鏡院
東京都港区北青山2-12-27
TEL:03-6804-1699
完全予約制、毎月第三月曜日定休(祝日の場合は翌火曜)
https://meister-gankyouin.com

 

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美的GRAND編集部デスク
三井三奈子

出版社、化粧品会社、海外での広告代理店勤務を経て、現在は『美的GRAND』エディトリアルディレクター。小学館『ミニレディ百科』をバイブルにしつつ、サンタさんに頼んだ『ダリヤお子さま化粧品』セットを使い倒しながら、「わたしは雑誌をつくる人になっておしゃれ情報をみんなに届けるの!」と小学2年生でこの道を志す。10歳から45歳まで、ずっと吹き出物に悩まされ、齢50歳でようやく落ち着く、どちらかというと皮脂多め系。

Instagram @minashanshan

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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