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2022.6.3

服が似合わなくなった時が、キレイになる大チャンス?!【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.10】

40代50代……誰にでもやってくる“服が似合わなくなる日”。それは、自分でも気づかない“老け”のサイン。でも大丈夫、解決法は極めて簡単。それがむしろあなたにとって、キレイ再生の大チャンスになるのだから。【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.10】

服が似合わなくなる…それは“老け感”が始まったサイン

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40代50代……なんだか急に、服が似合わなくなる時がある。きっと誰にも、そういう日が訪れるはずなのだ。
私の場合は40代半ば。本当に何を着てもパッとしない、何を着ても似合わない、だからだんだん着ることが怖くなってくる……まさにそういう数年間があったのだ。

今思えば、それこそが衰え。今まで着ていた服が急に似合わなくなるのが、ひょっとすると1番明快な「老け」の始まりだったかもしれない。

「老け」は、シワやシミができることとイコールではない。なんとなく忍び寄ってくる、“印象の衰え”。だからその時は気づかない。毎日毎日同じ鏡を見ているから、自分には見えない。でもそのサインこそが、服が似合わなくなること、なのである。

特に体重が増えたわけでもないのに、何か体に服が合わなくなる。肌色が変わったわけではないのに、服が肌に全く映えなくなる。だからその頃、毎朝服を選ぶのが億劫になり、服を着るのが本当に怖くなっていた。全く不思議なくらいに、オシャレが嫌になり、このままだと本当にまずいと思ったもの。

新しい服を買ってみても、なんだか違う。買ったばかりの服を着て、心が弾まないことほど、悲しいことはない。だからその頃は、いつもどんよりしていた気がする。オシャレが楽しくないって、それどころかオシャレが嫌になるって、女にとって致命的。極めて不幸なことなのだ。

100%のオシャレで“映える”ってどういうことかを知る

そんな日々が結構長く続いたが、じつはある日を境に、そこから一気に抜け出すことができたのだ。加速度的に歳をとりそうな嫌な感じも一気に消え去った。一体どうやって?
今思えば、そのきっかけとなったのが、知人の結婚式だった。つまり、本当に久しぶりにドレスアップしたこと……。

100%のドレスアップ、それはちょうど花嫁になる日のような、あるいは初めてのデートのような、緊張とトキメキを生む。そして何か自分が光を放つような感覚を、まざまざと思い出させてくれたのだ。
でもそれだけじゃない、服が映えるってどういうことなのか? その大切なことをも不意に思い出させてくれたのである。

逆に言えば、これまでいかにいい加減に服を着ていたか、ということにも気づかされた。自分の日々のファッションは、30%以下のレベルだったことを思い知らされたのだ。

忍び寄ってきた老け感で、どんな服も映えなくなる。でもそれに全く気づかず、ただ普通の服を、普通に着てしまっていた。何も考えず。
それって、出汁もとらず、味見もせず、ロクな具も入れずに味噌汁を作るようなもので、おいしいわけがない。毎朝作る味噌汁ほど、手間ひまかけないと、おいしさを感じないのに。普通じゃダメなのだ。

それは、ファッションも同じこと。老けた分だけ、自分に手間ひまかけないと、どんどん存在がくすんでくる。だから普通じゃダメ。私たちは自分の衰えについて、美容上は必要以上に意識しているのに、ファッションにおいては無頓着でありすぎる。自分の老けに対し、オシャレにおいては無防備でありすぎるのだ。

そうだから、服が似合わないことに気づいた日から、どんな時も100%のオシャレをしましょうという提案。もちろんそれは、毎日ドレスアップしましょうという意味ではない。でも“普通の服を普通に着てしまう”ことはもうやめたいのだ。

もっと端的に言えば、毎日“よそいき”の服を特別な思いで着ることなのだ。

カジュアルが難しいなら、いっそ“よそいきのワンピース”

今は、カジュアルが主流の時代。ただそれをいいことに、“ただの普段着”を何の思い入れも、何のこだわりもなく、ただ着てしまっている人が少なくない気がする。

カジュアルと普段着は違う。カジュアルをセンス良く決めることはもちろん簡単ではなく、難易度は極めて高いと言っていい。でもだからこそ、カジュアルであれば尚更、“よそいきレベルのカジュアル”を特別な思いで着る、100%のオシャレが必要なのである。

もしそれが難しいと思うのなら、自分には無理と思うなら、ここはカジュアルを諦めて、毎日ワンピースを着る。家でズルズルする時の寝間着のようなワンピースではなく、きちんとした“よそいきのワンピース”を。それが驚くほど自分に似合うことに気づくはずだから。

なぜならば、“よそいきの服”、とりわけ“よそいきのワンピース”は、人を華やかに輝かせるために生まれてきたような服。似合うどころか、100%映えることをちゃんと想定されて作られている服だからなのである。
そして“よそいきワンピース”を着ると、おのずと全身くまなく神経が行き届き、また気がつけばメイクもヘアも、いつもより“よそいき”になっていて、誰もがちゃんとキラキラするはずなのだ。

いずれにせよ、単純に気を抜いたら服は似合わなくなる、そういう年齢が誰にもやって来るということを、もう一度肝に命じて欲しいのだ。

でも逆に言えば、それはとても大きなチャンス。毎日“よそいきの服”で100%のオシャレをすることで、自分の中で眠っていた新しい美しさが目覚めるからである。服を着て映えるって、そういうこと。“よそいき”を着ることは、単純に自分を輝かせること。その、とても当たり前のことを、今こそ思い出してほしいのだ。

まさに、ファッションによるアンチエイジング! 服が似合わなくなったことをサインに、意識してフェーズを切り替えて、一気に格上のオシャレをする、それだけで新たな若さが次々覚醒するわけで、これってとても素敵なことではないか。

今まさにそういう年齢、大きなチャンスなのである。

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美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)など著書多数。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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