暑さをしのいで経年美化する、大人の夏のミニマム・スキンケア|美的GRAND

暑くて何もしたくない、だからといって 本当に何もしないのは御法度。 ステップを増やさず高い効果を得る アイテム選びと使い方で!
多機能なコスメでステップは少なく、でもきちんとケア
グラン世代の1年は風のように過ぎていく。今年もまた、長く厳しい夏がやってきました。仕事場と家の往復だけでも日焼けをするし、たまには海やドライブにも行きたい。子育て中なら外出もより増えて、夏の肌はダメージを受ける一方です。
だから、本当は肌のケアを一年でいちばんしっかりやるべきなのですが、そうも行かないのがこの酷暑。ぐったりして帰ったら頑張るより睡眠優先。朝もシャワーを浴びたら顔汗がエンドレスに引かなかったりして、時間はどんどん過ぎていきます。
夏のスキンケアこそ〝目を配りつつも手数は最小限にする〟スモール・ラグジュアリー思想を取り入れましょう。ポイントは、紫外線や暑さ、皮脂などの環境要因で肌が受けるダメージを把握し、そこから逆算して必要なケアだけを取り入れること。多機能なコスメでステップは少なく、でもきちんとケアを。暑くて面倒だし何を選んだらいいかわからない→結果何もしない、というのがいちばんもったいない! 夏のお手入れの要点を、シンプルかつ明確にお伝えしたいと思います。
夏の3大ダメージ要因
【Damage1】紫外線、近赤外線
あらゆるエイジングの元凶となる酸化や炎症を引き起こす
美白の製品力に定評があり、夏の肌と環境との関係を多角的に研究しているのがポーラ。肌の奥に届く近赤外線によるダメージにも注目。紫外線も近赤外線も、老化の根本原因となる酸化や炎症を引き起こします。
紫外線(UV-A、UV-B)と近赤外線の年間変動
紫外線や近赤外線の量は夏に向けて急上昇し、5月から9月までピーク状態が続く。梅雨の時期でも晴れ間の日は紫外線量や近赤外線が多いので注意が必要。
UV-A、UV-Bは2017年〜2021年のつくば局観測データの平均値をもとに算出。国立環境研究所 有害紫外線モニタリングネットワーク事務局による測定。近赤外線は2016年2月〜2018年8月 ポーラ化成工業 研究所調べ(資料提供/ポーラ)
【Damage2】暑さ
空調による乾燥だけでなく日焼けもしやすくなる
夏は空調の利いた室内と室外で、温度が10℃前後も変化。夏バテや体の不調は肌にも悪影響を及ぼします。さらにポーラの研究で、同じ紫外線量でも、暑さによって肌が日焼けしやすい状態になるという報告も。
UVに反応しやすい夏の肌状態
紫外線量が同じでも、夏はほかの季節に比べて日焼けしやすいことがわかっており、ポーラはこれを「暑さヤケ」と名づけている。
N=20、平均値 t検定、*;p<0.05 ポーラ化成工業 研究所調べ(資料提供️/ポーラ)
【Damage3】汗・皮脂
夏の汗や皮脂そのものが肌に悪影響を与えることも
汗に含まれるたんぱく質と糖が結びつくと、糖化して肌や毛穴にダメージを与えるという事実をポーラが発見。また、夏の皮脂は炎症性物質を多量に発生させる「遊離脂肪酸」を多く含むことも明らかにしています。
夏は皮脂の中に炎症の原因となる「遊離脂肪酸」が増える
皮脂の組成を見ると、冬に比べて夏は「遊離脂肪酸」の割合が高いというデータが。さらに暑さによって「遊離脂肪酸」が増える可能性も指摘されている。
ポーラ化成工業 研究所調べ(資料提供/ポーラ)
お手入れは5STEPでシンプルかつ効率よく
【STEP1】酸化汚れを落とす
夏の汗や皮脂は肌にダメージを与える原因となるから、毎日しっかり取り去ることが大切。疲れていてもクレンジング&洗顔だけはスキップNG!
【STEP1】酸化汚れを落とす
【STEP2】たっぷり水分チャージ
水分保持力が低下する夏の肌。外から水分をたっぷり与えることで皮脂が出にくくなり、透明感もアップ。肌を水で冷やすことは鎮静にもつながります。
【STEP2】たっぷり水分チャージ
【STEP3】抗酸化物質チャージ
夏は肌の酸化を促して、エイジングを進行させる要因に満ちています。スキンケアやインナーケアで、少なくとも1日1回は抗酸化ケアを取り入れて。
【STEP3】抗酸化物質チャージ
【STEP4】潤いを守る
皮脂や汗でベタベタで信じにくいかもしれませんが、夏の肌はダメージにより潤いを守りにくい状態。クリームなど使った方が秋になって後悔しません。
【STEP4】潤いを守る
【STEP5】紫外線から守る
経年美化を妨げないために、美肌の基本は365日のUVケア。特に夏は必須です。UV下地やファンデだけでなく、日焼け止めの守りを1枚入れる習慣を。
【STEP5】紫外線から守る
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【Option items】夏の過ごしやすさがぐっと増す便利アイテム
日々のダメージから防御、そしてリセット。頑張らずとも要点を押さえたケアができれば大丈夫
A マッサージにも保湿ジェルとしても使える。
エスト ザ マッサージ 80g ¥7,700
B みずみずしいジェルタイプ。香りと油分を包んだカプセルがはじけて肌を包み込む。
バウム アロマティック スリーピングマスク 80g ¥7,700
C 抗酸化力の高いブルー ジンジャーとホワイト カメリアに加え、ヒアルロン酸を配合。
シャネル イドゥラ ビューティ マイクロ セラム インテンス 30㎖ ¥13,970
D 人気のオイル美容液の夏限定タイプは、オイル少なめで清涼感あり。仕上げだけでなくブースターとしても使える。
RMK W トリートメントオイル クール 50㎖ ¥4,400(限定品)
『美的GRAND』2025夏号掲載
撮影/Yuki Saito(W・静物)、青柳理都子(人物) ヘア&メイク/田中康世(Cheek one) モデル/山下麻夏 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
本誌や『美的』などで美容ページを編集・執筆するエディター。スキンケアサイエンスの取材を30年重ねており、肌と化粧品双方の知識を合わせて読者にスキンケアのアドバイスを行う。